※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:季風中的馬 Season of the Horse)
----これってモンゴルの遊牧民の映画だよね。
最近、はやっているね。
「そうだね。日本で公開されることが多くなった。
でも『天空の草原のナンサ 』や『モンゴリアン・ピンポン』とは
そのテイストがまったく違う。
これまでの映画に見られたような素朴さ、おおらかさとは異なり、
追いつめられたような切迫感がある。
ドキュメンタリー・タッチだったそれらの映画に比べて
出演者たちも<演技>が見えちゃうしね」
----<演技>が見えちゃう?
「そう。それもそのはず、
主人公のウルゲンを演じているのは
舞台俳優としてのキャリアを持つニンツァイ。
彼はこの映画の監督・脚本も務めている。
そこでこのようなアプローチの映画になったんだろうね。
そうそう、妻インジドマを演じるナーレンホアはニンツァイの妻。
彼女もまた人気俳優だ」
----でもそれだけに、
ドラマ性もありそうだよね。
「うん。物語の軸はしっかりしている。
まず背景から話そう。
主人公たちは何世紀にも渡り
放牧生活を送ってきたモンゴル民族の子孫。
季節ごとに新しい牧草地を求め、
生活の場所を移して暮らしてきたわけだけど、
干ばつ続きで草原が砂漠化。
牧草は枯れ果て羊たちは餓死している。
そのため周りでは伝統的な暮らしを断念し、
町へ移住をしている」。
---えっ、それってほんとうニャの?
「うん。
干ばつに加え、降水量の低下、強風などの自然現象、
そして草原を潰して作られる農地の拡大、
羊の過放牧、漢族の移住といった人為的なものもあるらしい。
これって日本でも問題となっている黄砂とも関係あるようだ」
---それは大変だ。中国政府は見過ごしているの?
「いやいや。
自然環境保護のために
自然保護区の拡大、草原の回復、放牧の禁止、
他地域への移住などさまざまな対策を講じているんだけど、
結果、それが内モンゴル牧畜民の伝統的な暮らしを奪う結果となっている-----
と、これはプレスからの引用。
でもそれらの事実を知らなくても映画を観れば分かるけどね」
---ニャるほど。土地から土地へ移動しながら放牧する人々と、
そこを国の政策で
土地を囲い込み保護しようとする政府。
これじゃあ、にっちもさっちもいかないね。
「うん。大きな視点でいえば、
ひとつの文化が滅びようとしているわけだ」
---ところで、なぜ“馬”ニャの?
「彼らは元々騎馬民族。
『馬上で生まれ馬上で死ぬ』とも言われている。
そんな彼らが赤貧に喘ぎ、
その馬さえも手放さなくてはならなくなる。
映画は、誇り高く生きたいと願うウルゲンと、
生きるためには生活を変えなければと現実的選択を迫る妻。
そして学校にさえも池に息子を軸に話が進む。
映画は後半、馬の持つ象徴性を中心に押し出し
神秘的な側面を帯びてくる。
観る人のために、あまり詳しくは言えないけど、
実は劇中にニルゲンが鎧を着て馬に乗るシーンがある。
ここはモンゴル民族の気高き誇りを語ると言うよりも、
もはや時代遅れというドン・キホーテ的な側面が出ている」
---映像はどう?
「監督がモンゴル自治区生まれだけあって、
自然の捉え方は抜群。
雲が浮かぶ大空のパノラマや
山の端を赤く染める夕陽に息を飲みつつも、
白い馬が舗装された道を歩くラストはやるせなかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「辛い話だニャあ」
※知らないことが多い度

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(原題:季風中的馬 Season of the Horse)
----これってモンゴルの遊牧民の映画だよね。
最近、はやっているね。
「そうだね。日本で公開されることが多くなった。
でも『天空の草原のナンサ 』や『モンゴリアン・ピンポン』とは
そのテイストがまったく違う。
これまでの映画に見られたような素朴さ、おおらかさとは異なり、
追いつめられたような切迫感がある。
ドキュメンタリー・タッチだったそれらの映画に比べて
出演者たちも<演技>が見えちゃうしね」
----<演技>が見えちゃう?
「そう。それもそのはず、
主人公のウルゲンを演じているのは
舞台俳優としてのキャリアを持つニンツァイ。
彼はこの映画の監督・脚本も務めている。
そこでこのようなアプローチの映画になったんだろうね。
そうそう、妻インジドマを演じるナーレンホアはニンツァイの妻。
彼女もまた人気俳優だ」
----でもそれだけに、
ドラマ性もありそうだよね。
「うん。物語の軸はしっかりしている。
まず背景から話そう。
主人公たちは何世紀にも渡り
放牧生活を送ってきたモンゴル民族の子孫。
季節ごとに新しい牧草地を求め、
生活の場所を移して暮らしてきたわけだけど、
干ばつ続きで草原が砂漠化。
牧草は枯れ果て羊たちは餓死している。
そのため周りでは伝統的な暮らしを断念し、
町へ移住をしている」。
---えっ、それってほんとうニャの?
「うん。
干ばつに加え、降水量の低下、強風などの自然現象、
そして草原を潰して作られる農地の拡大、
羊の過放牧、漢族の移住といった人為的なものもあるらしい。
これって日本でも問題となっている黄砂とも関係あるようだ」
---それは大変だ。中国政府は見過ごしているの?
「いやいや。
自然環境保護のために
自然保護区の拡大、草原の回復、放牧の禁止、
他地域への移住などさまざまな対策を講じているんだけど、
結果、それが内モンゴル牧畜民の伝統的な暮らしを奪う結果となっている-----
と、これはプレスからの引用。
でもそれらの事実を知らなくても映画を観れば分かるけどね」
---ニャるほど。土地から土地へ移動しながら放牧する人々と、
そこを国の政策で
土地を囲い込み保護しようとする政府。
これじゃあ、にっちもさっちもいかないね。
「うん。大きな視点でいえば、
ひとつの文化が滅びようとしているわけだ」
---ところで、なぜ“馬”ニャの?
「彼らは元々騎馬民族。
『馬上で生まれ馬上で死ぬ』とも言われている。
そんな彼らが赤貧に喘ぎ、
その馬さえも手放さなくてはならなくなる。
映画は、誇り高く生きたいと願うウルゲンと、
生きるためには生活を変えなければと現実的選択を迫る妻。
そして学校にさえも池に息子を軸に話が進む。
映画は後半、馬の持つ象徴性を中心に押し出し
神秘的な側面を帯びてくる。
観る人のために、あまり詳しくは言えないけど、
実は劇中にニルゲンが鎧を着て馬に乗るシーンがある。
ここはモンゴル民族の気高き誇りを語ると言うよりも、
もはや時代遅れというドン・キホーテ的な側面が出ている」
---映像はどう?
「監督がモンゴル自治区生まれだけあって、
自然の捉え方は抜群。
雲が浮かぶ大空のパノラマや
山の端を赤く染める夕陽に息を飲みつつも、
白い馬が舗装された道を歩くラストはやるせなかったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「辛い話だニャあ」

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