(原題:The Hoax)
---- ハワード・ヒューズって、
映画のモデルになっている人だよね。
「そう。
アメリカきっての大富豪。
権力と財力を誇ったばかりでなく、
飛行機乗りで、映画もつくって、
まあ、アメリカンドリームの体現者だね。
でも、彼は人生の後半においては人前に姿を見せなくなった。
いわば、伝説の人と化していったんだね。
この映画は、そんな彼に目をつけた作家
クリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)が
偽りの伝記を大手出版社マグロウヒルに売りつけ、
大金を手に入れようとする…
と、こういう詐欺師のお話だ」
----そんなの無理だよ。
すぐバレるに決まっている。
「普通はそう思うよね。
ところが、なぜかこれが上手くいくんだ。
アーヴィングは、次々と自分に都合のいい理由をつけ、
しかもそれを相手に納得させるんだね」
----それって映画だからだよ。
実際にはありえない。
だって、そのハワード・ヒューズが
気がついたら、そこで終わり。
「いや。
これは実話が基になっているんだ。
もっとも最後は嘘がバレて、
アーヴィングは2年以上を刑務所で暮らしている。
実は、映画が終わるまでぼくはそのことを知らず、
なんて壮大なホラ話の映画を作ったんだろうって…。
もっとも、映画としてオモシロくなる脚色はいくつも施されている。
たとえば、実際にハワード・ヒューズと契約していることを
マグロウヒル社に信じ込ませるために、
ヘリコプターを使って彼がやってくるように見せかけるとかね…。
こういうエピソードの付加だけでなく、
映像としてもファンを楽しませる工夫が随所に見られる。
アーヴィングがヒューズの側近によって誘拐されるシーンなんか、
まるで50年代のフィルムノワールといった趣」
----フィルムノワールとはまた…。
「もっと言うなら、
この映画の基本はサスペンス。
観る方は、主人公の“悪事”に心の中で加担し、
彼の嘘が見破られないかとハラハラ見守るという構図。
アーヴィングは何度も絶体絶命に陥りながら、
そのたびに、次の手を売ってその難関を切り抜けていく。
それは、マグロウヒル社だけでなく、
妻エディス(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に、
愛人ニーナ(ジュリー・デルピー)との関係をごまかすときや、
パートナーのディック・サスキンド(アルフレッド・モリナ)が
自分から離れていこうとするのを制止する時などに、
さまざまな形で一種の“才能”として発揮されるんだ」
----へぇ~っ。
それにしてもいろんな俳優が出ているんだね。
「うん。
他にもマグロウヒル社の社長にスタンリー・トゥッチ。
ヒューズの元側近ディートリッヒにはなんとイーライ・ウォラック。
そうそう、ラウル・ジュリアJr.という名前もクレジットされていたけど、
あのラウル・ジュリアの息子かなあ…」
----ところで監督はだれニャの?
「リチャード・ギアとはこの映画の後、
『HACHI 約束の犬』でも組んでいるラッセ・ハルストレム。
毎回、違う作風の世界を見せてくれる彼だけど、
今回は音楽にクリ―デンス・クリアウォーター・リバイバルを
たっぷり使うなど、
舞台となった70年代初頭の空気がプンプン。
まあ、それにしても、この犯罪、いまでは考えられないね。
監視の目がゆるゆる。
ファイルを体に隠して外に持ち出しちゃう。
かと思うと、ディートリッヒがプールで泳いでいる間
彼の資料を外で一枚一枚コピー。
ハラハラするけど、どこかのどかでもある。
決してスマートじゃない。
人間臭さが全編を支配する、
これは<脂汗>の映画だね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「こういう変な男は映画向きなのニャ」
※リチャード・ギアが意外にハマっている度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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---- ハワード・ヒューズって、
映画のモデルになっている人だよね。
「そう。
アメリカきっての大富豪。
権力と財力を誇ったばかりでなく、
飛行機乗りで、映画もつくって、
まあ、アメリカンドリームの体現者だね。
でも、彼は人生の後半においては人前に姿を見せなくなった。
いわば、伝説の人と化していったんだね。
この映画は、そんな彼に目をつけた作家
クリフォード・アーヴィング(リチャード・ギア)が
偽りの伝記を大手出版社マグロウヒルに売りつけ、
大金を手に入れようとする…
と、こういう詐欺師のお話だ」
----そんなの無理だよ。
すぐバレるに決まっている。
「普通はそう思うよね。
ところが、なぜかこれが上手くいくんだ。
アーヴィングは、次々と自分に都合のいい理由をつけ、
しかもそれを相手に納得させるんだね」
----それって映画だからだよ。
実際にはありえない。
だって、そのハワード・ヒューズが
気がついたら、そこで終わり。
「いや。
これは実話が基になっているんだ。
もっとも最後は嘘がバレて、
アーヴィングは2年以上を刑務所で暮らしている。
実は、映画が終わるまでぼくはそのことを知らず、
なんて壮大なホラ話の映画を作ったんだろうって…。
もっとも、映画としてオモシロくなる脚色はいくつも施されている。
たとえば、実際にハワード・ヒューズと契約していることを
マグロウヒル社に信じ込ませるために、
ヘリコプターを使って彼がやってくるように見せかけるとかね…。
こういうエピソードの付加だけでなく、
映像としてもファンを楽しませる工夫が随所に見られる。
アーヴィングがヒューズの側近によって誘拐されるシーンなんか、
まるで50年代のフィルムノワールといった趣」
----フィルムノワールとはまた…。
「もっと言うなら、
この映画の基本はサスペンス。
観る方は、主人公の“悪事”に心の中で加担し、
彼の嘘が見破られないかとハラハラ見守るという構図。
アーヴィングは何度も絶体絶命に陥りながら、
そのたびに、次の手を売ってその難関を切り抜けていく。
それは、マグロウヒル社だけでなく、
妻エディス(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に、
愛人ニーナ(ジュリー・デルピー)との関係をごまかすときや、
パートナーのディック・サスキンド(アルフレッド・モリナ)が
自分から離れていこうとするのを制止する時などに、
さまざまな形で一種の“才能”として発揮されるんだ」
----へぇ~っ。
それにしてもいろんな俳優が出ているんだね。
「うん。
他にもマグロウヒル社の社長にスタンリー・トゥッチ。
ヒューズの元側近ディートリッヒにはなんとイーライ・ウォラック。
そうそう、ラウル・ジュリアJr.という名前もクレジットされていたけど、
あのラウル・ジュリアの息子かなあ…」
----ところで監督はだれニャの?
「リチャード・ギアとはこの映画の後、
『HACHI 約束の犬』でも組んでいるラッセ・ハルストレム。
毎回、違う作風の世界を見せてくれる彼だけど、
今回は音楽にクリ―デンス・クリアウォーター・リバイバルを
たっぷり使うなど、
舞台となった70年代初頭の空気がプンプン。
まあ、それにしても、この犯罪、いまでは考えられないね。
監視の目がゆるゆる。
ファイルを体に隠して外に持ち出しちゃう。
かと思うと、ディートリッヒがプールで泳いでいる間
彼の資料を外で一枚一枚コピー。
ハラハラするけど、どこかのどかでもある。
決してスマートじゃない。
人間臭さが全編を支配する、
これは<脂汗>の映画だね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「こういう変な男は映画向きなのニャ」
※リチャード・ギアが意外にハマっている度
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