ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『バトルシップ』

2012-03-30 22:58:35 | 新作映画
(英題:Battleship)




----この映画、観た当初からとても気に入っていたよね。
「そう。
ところが、“ユニバーサル・ピクチャーズからの要請”で
“全媒体での映画評の掲載を日本時間4月11日(水)PM6時まで控えるように”とのこと。
こう書かれると、まるでできがよくないことから、
悪いレビューが出回るのを警戒しているかのようなイヤな予感が…。
なんと、試写前には、その書面にサインまでさせられたものね。
観たことさえ言ってはいけないのかなとやきもきしていたところ、
昨日の完成披露の後、
ツイッターで一斉に、感想が載り始めた…。
どうやら、急遽解禁されたらしい」

----ユニバーサルは、
試写での反応を見て
自信を深めたってことかな?
「そうかもね。
好意的レビューなら早く、そして数多く出た方がいいに決まっている。
前売りにも影響してくるからね」

----ところでその内容は?
「いやあ、単純単純。
外宇宙からエイリアンが地球にやってくる。
彼らが降り立ったのは、
アメリカや日本が共同で軍事演習中野ハワイ。
陣地を超えたエイリアンの襲撃に、
彼らはどう立ち向かうのか!?」

----ほんと、単純だ。
これって、あの『トランスフォーマー』を作ったプロダクションだよね。
こういうバトルものは苦手としていなかったっけ?
「うん。
でも、この映画を観て
なぜ、ぼくが『トランスフォーマー』に眠気を感じたのか、
その理由がよく分かった。
あれは、いわゆる『ウルトラマン』の戦いなんだ。
で、こちらは『ウルトラQ』
ぼくは子どもの頃、『ウルトラQ』がとにかく好きだった。
でもそれが終わって後番組に『ウルトラマン』が始まる。
と、そこからは急激にオモシロさが失せていった。
『ウルトラQ』というのは、
さまざまなバックグラウンドを持つ怪獣たちに、
人間が頭脳を結集して、いかに立ち向かうか…!?というお話。
ところが、『ウルトラマン』以降の
いわゆる巨人シリーズは、
必殺技でシュワッチとやっつけちゃう。
結局、悪い怪獣の出現に対して
もう一体の“善き怪獣”が
全身バトルを繰り広げているにすぎない。
3分間縛りなどの制約はあるにせよ、
“善き怪獣”にも最初からスペシウム光線などの
地球上にはない力が与えられているものだから、
“戦い” の“流れ”と落ち着く先は見えている」

----ニャるほど。
それって『トランスフォーマー』まで
延々と続いている基本のプロットだニャ。
「でしょ。
それに対してこの『バトルシップ』は、
バリアーが張られた中、つまり、援軍さえも期待できない中での戦い。
しかも、それまでは仲の悪かった
アメリカの新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)と、
日本の自衛艦の艦長ナガタ(浅野忠信)とが
バトルシップ(駆逐艦)の乗組員たちと共に戦うワケだ。
アレックスなど、米海軍の問題児で船から降ろされる寸前。
それが、指揮を取らざるを得なくなってくる
普通、こういったサブエピソードはうるさいものだけど、
それを自然に取り入れているところが、これまた巧い。
一方、そのドーム外でも別の“戦い”が起きている。
そこでは、アレックスの恋人やひ弱な科学技術者、
両足を失ってリハビリ中の軍人などがエイリアンの謀略を止めようとする」

----ニャるほどね。
普通に考えたら、とても勝てそうにない人たちが
“奇跡”を起こしちゃうワケだ。
「そういうことだね。
そいて、もう一つの見どころが
エイリアンの武器。
これまでエイリアンものと言うと、
ビームをベースとしたものが多かった。
でも、それって、あくまで人類の発想。
この映画では、発射された砲弾がそのまま艦に突き刺さる。
そして数秒後の後、それが炸裂して
艦を木っ端みじんにしてしまう。
あるいは、全面に突起のある巨大な球体が不規則に回転。
建物や道路を破壊してゆく。
一方、我らが地球のアレックス、
永田はふたりで敵艦を“狙撃”」

----ありえニャい。
「普通はね。
だけど、それが時と場所を計算した上での理詰めの行動。
一瞬、『なにそれ?』と口ぽかんとなるけど、でも見入っちゃう。
この映画、おそらく、もう一回は観に行くかもね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうか、ウルトラマンがパターンを生んでしまったのだニャ」ぱっちり

※こういう特撮バトルムービーだと歓迎だ度

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『ルート・アイリッシュ』

2012-03-26 22:54:14 | 新作映画
(英題:Route Irish)



「いま、この映画のトレーラー、
観てみたんだけど、
いやあ、あの日の興奮が甦ってきたね。
もしかしたら、今年に入って3ヶ月経った今、
外国映画の一押しかもしれない」

----その割には、
ここで紹介するの、
観てからあまりにも日が経ちすぎてニャい。
「うん。
それはね。
ある意味、紹介が難しい作品だからなんだ。
ストーリーは、そうややこしくないんだ。
申しわけないけど、
ここは、よくまとまっている日本のオフィシャルを引用させてもらうね。
ファーガスと友人フランキーは兄弟同然に育ち、
成長後は民間兵としてイラク戦争に参加する。
ファーガスはひと足先に故郷リヴァプールに戻るが、
イラクに残ったフランキーは、戦場で帰らぬ人となる。
彼が亡くなった場所はルート・アイリッシュ。
それはイラクのバグダッド空港と
市内の米軍管轄区域グリーンゾーンを結ぶ12キロに及ぶ道路のことで、
03年の米軍によるイラク侵攻後、
テロ攻撃の第一目的とされる“世界一、危険な道路”として知られていた。
フランキーの死後、ある携帯電話に残されたイラクでの映像を手がかりに
ファーガスは彼の死を探り始め、
やがて、戦争を背景にした軍事ビジネスの恐るべき真実が浮かび上がる……」

----言い方は悪いけど、
よくある話のように見えるけど…。
いわゆるポリティカル・ミステリーってヤツ?
「う~ん。
これがハリウッド映画ならばまだ分かる。
しかし、これはなんと、あのケン・ローチ監督作品。
ケン・ローチと言えば、
これまでにも、さまざまな形で、
現代の社会が抱える問題を鋭く追及してきた。
イギリスの“怒れる監督”。
その“怒り”はいつもにも増して強い。
ところが一方でこの映画は、、
スリリングなサスペンス、謎解きミステリーの要素を織り込み、
ガン・アクションや爆破シーンまでもがふんだんに登場。
一見、ハリウッド・エンターテイメントかと見紛うほどの映画的興奮に満ちているんだ」

----つまり、内容が内容だけに
この映画をそんな風に楽しんでいいのか?って
自問しちゃったわけだニャ?
「そういうこと。
それは、先ほどのストーリーを膨らませる肉付けの部分にも表れている。
幼いころからの友人フランキーを失ったファーガスは、
葬儀の席で軍事企業が見せた人情味のない言動に直情的に怒りをぶつける。
だが、その彼も友の死の真相を探る中で、
フランキーの妻レイチェルとは深い仲に踏み込んでいく。
このあたりもパターン的と言えば言えるけど、
ファーガスの人間臭さを出していて巧い。
結果的に映画は、
もうひとつの興味、
ファーガスとレイチェルの恋の行方に対しても
観る者の関心をひきつけていくことになる」

----ニャるほど。
「そして、これはあまり言わない方がいいかもだけど、
ファーガスが想像していたものとは別の真相が頭をもたげてくる。
ここなんて、ハリウッド映画じゃありえない流れ」

----そうか。ハリウッドのヒーローにミスってあまりないものね。
「うん。
見どころをいくつも喋ってしまっているようで心苦しいんだけど、
もうひとつだけ。
冒頭、葬儀のシーンでファーガスを怒らせたあるセリフが
復讐の際に、使用されるんだ。
このあたりは、まるで任侠映画を見ているかのようでもあったね。
『この戦争の最大の犠牲者はイラク人であることも忘れてはいけないと思う。
私はアメリカ人の兵士こそが最大の犠牲者であるかのような描き方をしたアメリカ映画にはうんざりしている。
彼らだって苦しんできたが、イラク人の苦しみもけっして忘れるべきではない』と
ケン・ローチ自身が述べているように、彼の姿勢は真摯そのもの。
なのに、この映画は、
まるで社会派アクションの巨匠ジョン・フランケンハイマーでも見ているかのようなオモシロさ。
一般的な意味の“オモシロい”という言葉をここで使っていいのかどうか?
やはり、これはきわめて語りにくい映画だね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「まだるっこしい言い方だニャ」複雑だニャ

※ある意味、大胆な試みとも言える度

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『私が、生きる肌』(アルモドバル作品)

2012-03-21 23:57:52 | 新作映画
(原題:La piel que habito)



----これ、ペドロ・アルモドバルの映画だよね
タイトルからして、かなりセンセーショナルだけど…。
「うん。
でも、このタイトル(邦題)は
実に上手いところを突いている。
ぼくは、勝手に
『私が、愛した肌』のような内容だと思っていたら、
それは、観ているうちに
実は視点が違っていたんだってことが分かった」

----へぇ~っ。そうニャんだ。
これって、天才的な形成外科医が
かつて非業の死を遂げた妻を救えるはずだった“完璧な肌”を創造し、
それを、“ある人物”に移植し、
亡き妻そっくりの美女を創りあげる…
こういうお話のはずでしょ。
チラシに、そういうようなことが書いてある。
「確かに、大筋はそうだね。
ただ、いまフォーンが喋ったことだけを聞くと、
この映画は、妻を溺愛した外科医の妄執…
こちらの方だけの話になってくる」




----そうじゃニャいの??
「もし、そういう流れだと
マッド・サイエンティストの博士の話だけということになる。
でも、たとえばその手の古典、
ジェイムズ・ホエール『フランケンシュタイン』が今でも語り継がれるのは、
博士によって創り上げられた人造人間に寄り添っているから。
ティム・バートン『シザーハンズ』もそうだね。
さて、ペドロ・アルモドバルはどうしたカ…?
簡単にストーリーを話してみよう。
映画は、2012年のトレドから始まる。
世界的な形成外科医ロベル(アントニオ・バンデラス)の大邸宅の2階。
そこには、ベラ(エレナ・アナヤ)という若く美しい女性が幽閉されている。
彼女は、素肌の上に特殊なボディ・ストッキングをまとっていて、
簡素な部屋の中で黙々とヨガに取り組んでいる。
そして、1階のキッチンモニターでは
ブラジル移民の初老のメイド、マリリア(マリサ・パレデス)が彼女を監視している。
そこに、奇妙な虎のコスチュームに身を包んだ青年セカ(ロベルト・アラモ)が彼女を訪ねてくる。
実は、彼はマリリアとは長らく音信不通だった彼女の息子。
再会を喜んだのも束の間、
監視モニターに映るベラの映像に目を止めたセカは、
彼女にある女性の面影を重ね、
野獣の本性を剥き出しにして襲いかかる…。
はいここまで」




----あらら。これからがオモシロくなりそうなのに…?
「そのとおり。
だからこそ、この映画は
これから先を知らない方がいい。
驚きに次ぐ驚きの連続が待ち構えているからね。
その前に、ここまでを整理。
この監禁されている女性ベラとは何者なのか?
セカはなぜ、そんなにも興奮してしまったのか?
という謎を残したまま、
話は、ここから12年前のロベルの妻の交通事故に遡り、
そして、そこから6年後のある事件へと繋がってゆく。
映画の第2章とも言うべき、その(今から)6年前。
そこでは、まったく新しい人物が登場。
一見、別の物語が語られ始めるように見える。
だが、それがすべて現代の状況へと結びついてくるんだ」

----それは確かに凝っているニャあ。
「でしょ。
そこに、さっきの虎のコスチュームじゃないけど、
やりすぎと思えるほどの
映像のオモシロさをたぷり詰め込んでいるのが、この映画。
たとえば、ベラが監禁された部屋は、
隣室と壁一面のプラズマ・スクリーン仕切られている。
で、ロベルはベラをズームで顔だけをアップさせたりするなど、
そのサイズを恣意的に変えていく。
これが生みだすオモシロさは、とにかく観てもらうしかない。
ふたりの主従関係が逆に見えたりもするんだ。
こういう映像の遊びは、
あのブライアン・デ・パルマを思わせるね。
最も監督はヒッチコックやブニュエルを意識していたみたいだけど…」




----ニャるほど。
それは確かに最近はやりの映像とは違うニャあ。
「そう。
いまの映画は
シャープという言葉の下に、
何かというとフィルムをざらざらさせたり、
ハンディカメラで目まぐるしく動いたり、
カットを短くしたり…。
こういう昨今の風潮とは明らかに一線を画するね。
いつもほどの原色ベッタリ感はないけども、
それでもこの映画は、
どこを切ってもアルモドバルと、すぐ分かる。
ラストも、あえてバサッと切ることで
逆に余韻を持たせている。
アンモラルなところもあるけど、
そういうテーマ以前に、
これは映画として、ぼくの好きな方向の部類の作品だね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ちょっとHなしーんもあるらしいのニャ」もう寝る


※こういう個性ある監督がもっと出てくればいい度

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『劇場版 SPEC~天~』

2012-03-18 22:24:49 | 新作映画
----この映画って、
TVを観てないと分かりにくいと聞いたけど?
「ぼくもそれは気になっていて…。
そこで、試写前に配られた小冊子で軽くお勉強。
それだけでもかなり役に立った。
もちろん、深いところまで楽しもうと思ったら、
それくらいでは全然足りないんだろうけど、
本編前に付いている約5分のダイジェストで、
どういう世界観かくらいは掴めたね」

----“世界観”とはまたオーバーな…。
「だってタイトルの意味からして
まったく分かってなかったんだもの。
まあ、それでこの“SPEC(スペック)”というのが
人間の脳のいまだ使われていない部分の発露らしいこと。
つまりは超能力で、
それには時間を操る能力、予知能力、
病を処方する能力などさまざまのものがあること。
で、彼らのなかにはそれを悪用する人たちがいて、
警視庁公安部の特別捜査官たちが、
SPECを持った犯罪者に立ち向かう…。
これが大枠ということ。
次に押さえておかなければならないのが、
その中でも最大のSPECホルダー、時を操一十一(神木隆之介)が
TVシリーズでは死んだはずなのに
復活を遂げているということ。
その一十一と対決する公安部公安第五課未詳事件特別対策係の当麻紗綾(戸田恵梨香)が
彼の姉であること。
後は、日本の進む道を
卑弥呼の時代から御前会議が決定しているということくらいかな。
他にもシンプルプランだのファティマ第三の予言など、
いくつか聞きなれぬ言葉も出てくるけど、
映画を観ていたら分かるからね…」

----あれれ。主人公を演じているのは加瀬亮でしょ??
「うん。
当麻とコンビを組んでいる瀬文焚流役。
ついでに言えば竜雷太
が演じる彼らの上司・野々村光太郎は
同じ堤幸彦監督作品『ケイゾク』から繋がる役。
そう、この映画はあの『ケイゾク』の現代版という感じ。
オモシロさの方向性が似ている。
実際にはちょっとありえないエキセントリックなキャラ、
脱力系のギャグ。
たとえばキャスティングにしてもそう。
伊藤敦史が演じるのは伊藤敦史(笑)
また、特別出演として場をさらう
マダム陽(マダムヤン)役の浅野ゆう子
「やせた~い。でも食べた~い。そんなあなたにハイマンナン」という
当時の人気CMを連発。
その超能力技を繰り出すときにも「須田開代子!」など、
女子プロボウラーの名前を次々と繰り出す」

----ちょ、ちょっと待って。
そんな見どころ喋ってもいいの?
「大丈夫。ここでは古いネタのギャグだけを紹介しているから(笑)。
ただ、ひとつだけ付け加えさせてもらえれば
栗山千明が登場したときに、
彼女を見た当麻が驚いて言う『キル・ビル』
これには噴いたね。
栗山千明演じる青池里子は帰国子女という設定。
日本語の使い方がめちゃくちゃ。
なんでも『おしん』を見てマスターしたことになっているとか…。
さて、この『キル・ビル』に限らず
本作には映画のパロディがいっぱい。
その中から、
これもいまの若い人には伝わりにくいネタをひとつ。
それは竜雷太と椎名拮平で演じる
『さらば友よ』のアラン・ドロン、チャールズ・ブロンソンの名シーン」
「ここは、ある“オチ”があるから
その前のシーンと思えばいい。
あと、これはこの映画の根底に関わることだけど、
ここには、3.11以降の堤幸彦の考え方が散りばめられている。
『地球はなぜ人類を選んだのか?』
『進歩より大事なものがある』…
それら現代の日本に対する異議申し立ての帰結は、
当然のように、あの名作SFへのオマージュで締めくくられる。
その映画が何かは、もう言わずもがなだよね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャんだか、テンションが高そうな映画だニャ」身を乗り出す

※戸田恵梨香、加瀬亮の顔面パフォーマンスだけでもかなりスゴい度

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『わが母の記』

2012-03-16 19:59:59 | 新作映画


----この映画、
ずいぶん前から試写を回していなかった?
「うん。
配給が松竹。
これは『おくりびと』と同じく、勝負に出た作品。
じっくりと、そのよさを伝えていきたいということだろうね」

----つまり、だれの胸にも響く
感動の作品ってことだね。
「そうなんだけどね。
どうも、ぼくにはいまひとつノレなかったな」

----どういうところが?
確か、今の日本が抱えている問題とも関わってくる
“老いと死”を見つめた映画ニャんでしょ?
「そう。
原作は井上靖の自伝的小説。
主人公の小説家・伊上洪作(役所広司)は
祖父の妾の下で育てられたことから
実母の八重(樹木希林)に捨てられたという
思いに捕われていた。
だが、その母に認知症状が表れる。
そうなると、喧嘩することさえできない。
本人は、本当にぼけているのか
それとも自分が都合悪い時だけ、
そう見せているのか…?
まともに向かい合うことができない。
映画は、そんな洪作の複雑な思いと、
日に日に奇怪な行動を取り始める八重を軸に、
母への反発から、
自分は家族を常に目の届くところに置きたいと願う洪作の下、
窮屈な思いをしている娘たち三姉妹のエピソードを
これまた巧みに描き分けていく。
また、描かれている時代も
昭和30年代から40年代ということで、
監督の原田眞人が実際に知っている時代。
それだけに、服装・小道具はもちろんのこと、
女性たちの言葉遣いに至るまで見事に再現されている」

----じゃあ、なにも問題ないじゃニャい。
「いや、贅沢な言い方かもしれないけど、
それが巧すぎるんだね。
さっきの時代背景から行くと、
まるで昭和30年代の松竹映画を観ているような感じ。
廊下の写し方なんて
小津安二郎監督作品を彷彿とさせるしね。
でも、逆にそのテクニックばかりが目立ってしまうんだ。
この原田眞人という監督、
『金融腐蝕列島〔呪縛〕』にしろ『突入せよ! あさま山荘事件』にしろ、
はたまた『クライマーズ・ハイ』にしろ、
作品のテーマに応じたタッチで映画を見せていく。
それは『狗神 INUGAMI』 『伝染歌』のようなホラーでもそう。
そう言う意味では、先ほど亡くなった森田芳光監督に通じるところあるんだけど、
なんだか、スマートすぎないか…って気になる。
それでいて、クライマックスの海のシーンだけ、
カメラが手持ちで揺れてそれまでの写し方と一変。
本来は、ここは『八日目の蝉』のラストのように
盛り上がるはずなんだろうけど、
どうもそうはならないんだ。
お約束のような感じで…。
『どんな道を通ってもゴールは一緒』だったかな。
いい言葉だけに惜しい。
とはいえ、樹木希林の演技はもう国宝級。
それだけでも、十二分に観る価値はあるけどね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「映画って複雑だニャ」小首ニャ

※ベルイマン『処女の泉』のエピソードには笑いました度

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『アポロ18』

2012-03-12 23:54:50 | Weblog
(英題:Apollo 18)


「今日は『アポロ18』について話してみよう」
----そのタイトルって、
最近、よく耳にするけど、
アポロって17号までしかなかったんじゃニャいの?
「そうだね。
NASAはアポロ計画を20号まで計画していたにもかかわらず
なぜか17号で中止。
その後、宇宙計画はスカイラブ1号を始めとして、
宇宙ステーション計画へと移行していく。
この突然の計画変更がいろんな推測を読んだ。
片方には、実はNASAは月にとんでもないものを発見していた。
一方では、
いや、そもそも当時の技術では
月面着陸なんて不可能だったとする説までもある」

----そうだよね。
計画を止める必然性、あまり感じないもの。
「まあ、一般には
宇宙ステーションの方が月面探査よりも
現実的に意味があるということなんだろうけどね。
ただ、それでも<謎>は人々の想像を膨らませるもの。
この映画は、実は極秘裏にアポロ18号が月面へ向っていた…
という設定の元に作られた宇宙ホラー」

----えっ。これ、
ネットでその一部がアップされたとかいうけど、
ほんとうの話じゃニャいの?
「そこなんだけどね。
この設定自体、
今から40年ほど前だから成り立ったお話。
“極秘裏”の打ち上げは、この情報社会の現代ではありえない。
絶対にどこかにキャッチされてしまうはず。
そしてもうひとつ、これは明らかにモキュメンタリーってこと。
この映画を観た100人中100人が
最後には“作られたお話”と思うはず」

----どうして?
プレスには“このフィルム、信じるかはあなた次第”なんて書いてあるよ。
「でもその一方で、“いまブームのモキュメンタリー映画最新作!”(笑)。
だってエンド・クレジットを見たら
“監督”はいるし、CGは使われているし、
なんと“キャスティングディレクター”まで存在している。
というように、エンドクレジットはこれだけではなく延々と続く。
これも、ユニオンとの取り決めが理由なわけだけど、
おかげで、かつての“発見された映像”とのごまかしはきかなくなってしまった。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とはもう時代が違う。
“モキュメンタリー”ということを前提に映画を楽しむということだろうね。
なにせ、それを拡大させた
POV方式で撮られた『クローバーフィールド/HAKAISHA』なんていう
超大作まで出てくる時代だから…」

----で、どういうお話ニャの?
「アポロ18号の乗組員が月面でとんでもないものを発見し、恐怖に駆られる。
しかし、地球では…?
ポイントは、彼らアポロ18号の乗組員は付きで何を発見し、どうなるのか?
ね、簡単でしょ。
さっきから言っているように
これは『カプリコン・1』の逆をいくホラ話だけど、
でもけっこう恐く作ってあるよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「それにしてもこの手のモキュメンタリーってホラーが多いのニャ」もう寝る
※フェイク・ムービーの最高傑作は『オーソン・ウェルズのフェイク』だ度

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『ビースト・ストーカー 証人』

2012-03-09 23:22:04 | 新作映画
(英題:BEAST STALKER)


「実はこの映画を観ながら、
まだブログを始めて間もない頃に、
『ティラミス』という、やはりニコラス・ツェーの映画の話をしたことを思い出していた。
あの映画での彼は、ロマンチックな甘い面を見せていたけど、
これは全編ハード。
ツェーって息が長いばかりでなく
ほんとうに俳優として成長したなと思ったね」

----ニャるほど。
そういえば、その『ティラミス』も、
この映画と同じダンテ・ラム監督じゃなかった?
「うん。
ついこの前公開された『密告・者』もね。
しかも、この『密告・者』には
本作で悪役というか、主人公の刑事トンと対峙するホンを演じるニック・チョン
さらにはトンとコンビを組む刑事役としてリウ・カイチーも出演。
ニック・チョン、リウ・カイチーは、
それぞれ第28回香港電影金像奨で最優秀主演男優、助演男優賞を取っている」

----あれ、ニコラス・ツェーは?
「実は本作は『密告・者』に先立つこと2年前に作られた2008年の作品。
ニコラス・ツェーは翌年の『孫文の義士団』で香港電影金像奨助演男優賞、
続く『密告・者』で最優秀主演男優を受賞。
つまり、この作品は彼のステップアップのきっかけとなった映画とも言える」

----どういう物語ニャの?
「話は、
最初のうち、よくあるパターンで進んでいく。
腕利きの刑事が、逃走した暗黒街のボスが乗った車を狙撃。
ところが、そのトランクには女性検事アンの娘が…。
心に大きな十字架を背負うトン。
3ヵ月後、その目の前にアンのもうひとりの娘リンが何者かに誘拐される。
犯人は元ボクシング選手のホン。
彼は、病気の妻の高額な治療費のために、
暗殺者として犯罪に手を染めていた。
しかも、自らも視力を失いつつある。
そんな彼に、暗黒街のボスが獄中から指令を出す…というもの。
見どころは、ハリウッド顔負けのハードなアクション」

----アジアのアクションと言うと、最近は韓国という気がするけど?
「確かに。
ただ、韓国映画がノワールでシャープなのに対して、
香港映画のそれはスタイリッシュでパワフル。
カ―アクションにしても、
フロントガラスが粉々に割れて飛び散るさまや、
そこに人の頭が突っ込んでいくさまを
スローモーションを交えながらダイナミックに描いていく。
あれで生きているなんて、ちょっと無理があるのでは?と思わせるほどにね。
そう言う意味では、映画の嘘を巧く利用している気がする。
そして、この映画に限って言えば、よく練られた脚本」

----さっき、よくあるパターンって言ってなかったっけ?
「そうなんだけど、
ここで、この暗殺者ホンの物語が絡んでくる。
一見、『ブラック・レイン』での松田優作を思わせる非情な男に見えつつも、
ある、ひねりが施されている。
妻の治療費が目的ということでも分かるように、
彼には、人間性を捨てきれない部分がある。
果たして、彼をここまで駆り立てる、もうひとつの動機とは?
それが明らかになった時、
ぼくは涙を禁じえなかった。
フラッシュバックを用いながら
時制を行き来する映画は多いけど、
これは久しぶりにそれがよく生かされた作品だったね」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「オープニング・クレジットで映る
空にも意味があったこらしいのニャ」悲しい

※ヒロイン役のチャン・ジンチューが中島朋子に似ていた度

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『少年と自転車』(第64回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)

2012-03-08 00:45:41 | 新作映画
(仏題:Le gamin au velo)



----これってベルギーの映画監督ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ兄弟の作品だよね。
「そう。彼らはカンヌの常連。
この映画も第64回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞している」

----これまでも少年とか少女とか描いていたようだけど…?
「うん。
彼らの視線の先には“現在を生きる”ということがあるという気がする。
少年や少女は“未来”へと続く。
“現在”を生きる彼らを描くことは、
すなわち“未来”を見つめている…そんな感じがする」

----そういえば『ある子供』というのもあったよね。
「あの映画では、
20歳のブリュノと、18歳のソニアのカップルの間にできた“赤ちゃん”を、
ブリュノが売り飛ばそうとする。
“子供”というのは赤ちゃんではなくこの若い父親ブリュノのこと。
実は、この映画にはそのブリュノを演じたジェレミー・レニエが出ている。
ここでは、主人公の少年の父親役。
まさに、あのときのブリュノがそのまま大きくなったという感じ。
ここでは、息子であるシリルを児童相談所に預けたまま姿をくらましてしまう。
物語は、まさか自分が棄てられたとはつゆにも思わないシリルが
一生懸命父親を探すところから始まる。
そんな彼の目に入ってきたのは、自分のマウンテンバイク。
なんと、それさえも父親は売り飛ばしていたんだ。
かくして物語は、このシリルに週末だけの里親になってくれと頼まれたサマンサと、
彼の疑似的母子関係を軸に進んでいく。
シリルに、人が社会で生きていくための
決まりごとやルールを教えようとするサマンサ。
だが、愛ゆえのその行動はシリルの耳には届かない。
ある不良グループに目を付けられた彼は、
いつしか、その片棒を担いでしまう」

----どこかで聞いたような…。
「そう思ってもおかしくないかも。
この映画、その物語自体はさして新しいとも思えない。
でも、これが映画の不思議さ、魅力というもの。
映像そのものが息づいているんだ。
その原動力となっているのは少年シリルを演じた新星トマ・ドレ
ここしばらく、
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』『ヒューゴの不思議な発明』 など少年が主人公の映画が続いたけど、
このトマ・ドレはその中でもモノが違う。
自分が棄てられたなどという
とても信じたくないことをついには受け入れるまでの
戸惑い、哀しみ、怒り…を全身で表現していく。
そして、その気持ちをハンドルを握る手、
ペダルを漕ぐ脚を通していつも受け止めるのが“自転車”なんだ。
夜の闇、緑の風の中…。
キャメラもその時々に応じて、その位置取り、動きを変えていく。
ダルデンヌ兄弟は本作で珍しく音楽を使用。
また、初めて夏の撮影を行なっている。
それまで抑制に抑制を重ねていた彼らが
まさにここで爆発したという感じ。
暗さの向こうに見えるその光は瑞々しく煌めいて、
とてもまぶしかったね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「少年が着ている服も鮮やかなのニャ」気持ちいいニャ

※タイトルどおりの映画だ度

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画像はフランス・オフィシャル・ギャラリーより。
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『長ぐつをはいた猫』

2012-03-04 22:41:16 | 新作映画
(英題:Puss in Boots)



----おっ、やっとこの映画の話だね。
「そうだね。
ただ、あまり喋ることはないなあ」

----あれれ、気に入らなかったの?
「いやいや、そうじゃないよ。
もう、猫が、しかも“長くつをはいた猫”が主人公と言うだけで満足。
あまり、できがどうのということを言う気がしないんだ」

----ふうん。確か、これって
その“長ぐつをはいた猫”こと“プス”の過去が語られるんだよね。
なぜ、プスが長ぐつを履くようになったか…とか。
「そう。
でも、それなんて観る前に知らない方が楽しめるに決まっている。
こういう映画は、内容がどう、できがどうとは関係なく
このキャラのファンだったら観るに決まっているんだから…」

----でも、それじゃあ
こうして喋っている意味ニャいよ。
ちょっと、見どころだけでも話してよ。
「そうだね。
まず、そのタッチかな。
『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』を始めとする
マカロニウエスタンへのオマージュがいっぱい」




----あれっ? アカデミー長編アニメ賞受賞の『ランゴ』もそうじゃなかった?
「う~ん。そうなんだけど、
ぼくは、この映画のような
“タメ”のある映像が好きだね」

----“タメ”?
「そう。
マカロニウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネ
彼の映画には“タメ”がある。
目まぐるしいカットつなぎで見せる昨今のアクションとはまったく違う。
<対決>を引いたカメラと凝ったアングルでじっくりと見せ、
音楽によって観る方の感情も昂ぶらせながら、
その<瞬間>へといざなっていく。
『ランゴ』は、確かに設定や構図はマカロニなんだけど、
この“タメ”が感じられなかった。
だから、いまひとつぼくはノレなかったんだ。
プレスによると、本作は
“カメラは周囲の風景を取り込みながら、
通常のアニメーションよりも幾分長めにキャラクターの上に留まっている”とある」




----へぇ~っ。そんなものニャの?
ところで、ハンプティ・ダンプティも出てくるようだけど?
「それどころか。
『ジャックと豆の木』『ガチョウと黄金の卵』も出てくるよ。
さて、この映画、
ぼくは残念ながら吹き替えで観たけど、
やはり、オリジナルで観るのが正解だろうね。
舞台がスペインに設定してあることからも分かるように、
これは、プス=アントニオ・バンデラスありきの企画。
相手役キティの声も、これが5度目の共演となるサルマ・ハエック
さらに、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』等で注目株のザック・ガリフィナキアス
そしてビリー・ボブ・ソーントンも参戦」

----それは観たいニャあ
「でも、
上映館は少なそうだけどね」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これって3D。雲の上はふわふわ、気持ちよさうなのニャ」もう寝る
竹中直人もラテン系ではあるけ度

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画像はイギリス・オフィシャル・ダウンロードサイトより。
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『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(メリル・ストリープ、アカデミー賞主演女優賞受賞)

2012-03-03 21:11:09 | 新作映画
(英題:The Iron Lady)



----ニャんだか難しい顔をしているニャあ。
「うん。
どこから話そうか。
この映画、題材からしてちょっと不思議だったんだ。
マーガレット・サッチャーという
いまも存命中の女性政治家を描くことの意味が
まずよく分からなくて…。
それ以前に、このサッチャーという人は、
ぼくの知っているいくつかのイギリス映画での
これまでの扱われ方からしても
あまりいいイメージはなかったし…
“鉄の女”と呼ばれているように、
彼女の取った新自由主義政策は徹底していて、
結果、福祉は削減され、失業者を増大させた」

----えっ。でも人気があったと聞くけど…?
「それは、フォークランド戦争での勝利が大きい。
『聯合艦隊司令長官・山本五十六』でも描かれていたように
不況のさなかにおける、
こういう強気の外交政策は受け入れられやすいからね。
ところが、欧州統合(後のEU)には反対の態度を取り、
イギリスの孤立を深め、
ついには、収入の多少に関わらず
同じ税額を収める人頭税の導入により支持率は降下していく」

----ほんと“鉄の女”だ。
でも、映画としてはオモシロくなりそう…。
「う~ん。
まあ、これはぼくの先入観がダメだったいい例として聞いてほしいんだけど、
まさか、さっきも言ったように
存命中の、しかも女性政治家を描くんだから、
その功績を美化するんだろうと思ったワケ。
ところがところが…。
なんと、この映画は、
それはそれとして、
子どもの頃から『食器を洗って一生を終えるつもりはない』という、
サッチャーがいかに家庭を顧みず、
ただただ、政治に邁進していったかが描かれる。
幼いふたりの子どもたちは、
議会に向かうサッチャーを泣きながら追いかけるし、
その子たちが年頃になっても、
彼らの声にまったく耳を傾けない非情な母親の姿も描かれる。
ここにいたって、家庭ではやさしいという描き方かな?
と思った第二の予想も覆される」

----ニャるほど。政界だけでなく家庭でも鉄の女だったわけだ。
ご主人はよく我慢できたよね。
「う~ん。それもどうだろう。
この映画は、実は晩年の、
しかも認知症になったサッチャーの回想として描かれる。」

----サッチャーって認知症ニャの?
「そう。
ということは、そこに描かれる回想も
映画製作サイドの作り上げたものということ。
サッチャー自体がほんとうに
そんなことを考えたかどうかまでは分からない。
とりわけ、ご主人デニス(ジム・ブロードベント)は既に死んでいて、
彼女の妄想の中の人として描かれる。
映画は(ちょっとネタバレ)、
その家庭よりも政治という仕事を選んだサッチャーが
いま、それについてどう思っているかを描くわけだけど、
これが切ない。
人生は一回きり。
その彼女はこの政治人生を選んで、いま後悔しているとも取れなくない描き方。
ただ、それが徹底していない。
サッチャーを演じるメリル・ストリープは、
アカデミー主演女優賞受賞を見ても分かるように、
さすがの演技なんだけどね…」


                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうか、どんな有名人でも老いからは逃れらないのだニャ」ぱっちり

※ロナルド・レーガンもアルツハイマーになった度

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