ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『リトル・イタリーの恋』

2006-01-24 22:29:32 | 新作映画
----『リトル・イタリーの恋』というから、
子供の映画かと思ったら違うんだね。
「うん。オーストラリアのイタリア人街“リトル・イタリー”に住む
兄弟の恋の物語。
ちょっと特殊な設定に見えるけど、
徹底してクラシックな映画だったね。
色調もノスタルジックで、
まるで50年代の映画みたいだ。
そうそう、舞台も50年代だしね」

----どんなところがクラシックなの?
「この映画が描くのは
一言で言うと、美男美女の恋物語。
6~70年代以降、
映画は、スターらしからぬ人たちを主人公とする
内省的な作品が増えてきた。
フランスだとヌーヴェルヴァーグ、
アメリカだとニューシネマと言うようにね。
でも、それ以前のハリウッドは夢工場。
恋愛映画では、
スターがスイートな恋を見せてくれるのが常だった」

----ふうん。そうなんだ。
でも講釈はそれくらいでいいから
映画のストーリーを話してよ。
「はいはい。
この映画が描く50年代、
オーストラリアの“リトル・イタリー”には、
イタリア人女性が少なく、
写真と手紙でお互いを知り、そして結ばれるというのが一般的。
ところがこれまでアンジェロ(ジョヴァンニ・リビシ)は
ことごとくプロポーズに失敗。
その原因が自分の容姿にあると思った彼は、
明るくてハンサムな弟ジーノ(アダム・ガルシア)の写真を
南イタリアに住むロゼッタ(アメリア・ワーナー)に送ってしまう。
さて、その写真を見たロゼッタはアンジェロ(実はジーノ)に一目惚れ。
未来の二人の愛の日々を
日記に物語風に綴るほどに燃え上がる」

----あちゃあ~っ。これは大変だ。
「でしょ。
でもこのジーノが兄思いのいいヤツで、
オーストラリアにわたってきたロゼッタを、
心の奥底では意識していながら
徹底して避けようとする。
しかし、すでにジーノに恋してしまったロゼッタは
そんなことでは引き下がらない。
自分の思いを綴った日記をジーノに渡し…」

----ちょ、ちょっと待った!
これアンジェロの話じゃなくなっている。
「そういうこと。
この映画は途中から、
ジーノとロゼッタ、
彼ら美男美女は果たして結ばれるのか?
という風に変わってゆく。
だからクラシックと言ったんだ。
昨今ではすっかり珍しくなってしまった恋のおとぎ話。
監督・脚本がジャン・サルディ。
これまた大時代的だった「きみに読む物語」
脚本を書いた人だと聞けば、
この展開も納得かも」

----と言うことは、
美男美女の恋物語に酔いたい人向きってわけだ。
「うん。
確かにデートムービーとも言えるけど、
現実に戻った後、
横にいる自分を見て
ため息つかないような相手と観に行くことだね(笑)」

        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンはため息でなく寝息」もう寝る

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