ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『プロミスト・ランド』

2014-06-23 18:28:17 | 新作映画
(原題:PROMISED LAND)


----『プロミスト・ランド』
えっ、浜田省吾?
「なに、とぼけてんだよフォーン。
これは、あのガス・ヴァン・サント監督の作品。
しかも脚本をマット・デイモンが担当しているんだ」

----えっ、それって
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のコンビ。
確か、あのときは共演のベン・アフレックが共同脚本…。
「おっ、さすが。
実は今度も共演のジョン・クラシンスキーが共同脚本としてクレジットされているんだ」

----『グッド・ウィル・ハンティング』はそうでもなかったけど、
ガス・ヴァン・サントの映画って
ちょっと、とっつきにくいイメージがあるよね。
「う~ん。
ミニマムというかインディーズというか…。
スタジオが大ヒットを狙って作る大作とは対極の個人映画の匂いがするのは確か。
それでも『ミルク』などのように
名のあるスターが顔を揃えた作品もあるし…。
それだけ、多くの信奉者を持っているんだろうね」

----そういえば『パラノイドパーク』なんてのもあったよね?
「ぼくもタイトルから
そっち系を連想していたんだけど、
これはそんなひとりの内面を追う話ではなく、
ある対立する事象を
それぞれの立場に立つ人間と共に描いた
極めて明快な作品。
ということで、
ストーリーを簡単に説明すると…。
大手エネルギーの幹部候補スティーヴ(マット・デイモン)は、
農場以外は何もないという田舎町マッキンリーに、
ビジネスパートナーのスー(フランシス・マクドマンド)と共にやってくる。
マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、
近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから
相場より安い金額で採掘権を買い占めるというのがその目的だった…」

----ニャんだか、
日本でもありそうな話だニャ。
これがシェールガスでなく原子力だったら…。
「そうなんだ。
ぼくもこの映画、公開されたらけっこう波紋を呼ぶのではと、
ドキドキしながら観ていた」

----でも、これって先が読めてしまわニャい?
この手の映画の場合、一般に大手企業=悪だし…。
しかもマット・デイモンが主人公ニャんでしょ。
だったら後は、
彼がいかにして
それまでの自分の行動に疑問を抱くようになるか、
そしていつ、その考えを変えるかを見守る…って感じかニャ。
「さすが鋭いね。
さらに言えば、そこに土地の女性とのロマンスが絡んで…。
と、確かにそれが一般的な構造。
この映画では、彼の行く手を阻む要因として
元科学者で現在は高校教師という町の名士フランク(ハル・ホルブルック)、
さらには、よそからやってきた環境活動家ダスティン(ジョン・クラシンスキー)が配置される。
彼らは、シェールガス採掘が
いかに町の環境に悪影響を及ぼすかを町民たちに力説。
スティーヴは早くも苦境にさらされる…。
と、ここまではやはりパターンどおり。
ところがこれが一筋縄では行かなく、
二転三転してゆくんだ。
ほんとうはそこを一気にしゃべりたいところだけど、
やはりこれは言っちゃいけないだろうな」

----つまり、
そこにマット・デイモンの脚本の妙があるということだニャ。
「そういうことだね。
ここに加えられたスパイスが生む思わぬ結末は、
やはり、映画を物語として見せようという意志の表れ。
スティーヴとスーが町に溶け込むため
スーツを脱ぎフランネルのシャツを買ったり、
あるいはスーが
いかにもイメージの中の田舎としてのウィリー・ネルソンをカラオケで歌うなど、
ディテール的にもよく練ってある。
某テレビ局のプロデューサーは、
『マット・デイモンが最初から、そんなに悪者には見えない』とぼやいていたけど、
それでもぼくはこれは
よく出来た映画だと思ったな」



フォーンの一言「マッキンリーの人たちは、どんな歌を歌うのかニャ」身を乗り出す

※なんと、ブルース・スプリングスティーンだ度
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猫ニュー

『ケープタウン』

2014-06-18 23:40:22 | 新作映画
(原題:ZULU)


----ケープタウンって
喜望峰があるあの南アフリカの都市のこと?
この映画、確かフランスの監督だったと思うけど…。
「そう、ジェローム・サル
彼の長編監督デビュー作『アントニー・ジマー』はセザール賞初監督賞を受賞。
これは、ジョニー・デップ、アンジェリーナ・ジョリー
『ツーリスト』としてハリウッド・リメイクされている」

----へぇ~っ。
あの映画のオリジナルを作った監督ってワケか。
じゃあ、これも
エンターテイメントとして楽しめそう。
「う~ん。
そうだね。
その観方がいいのかも知れないなあ。
実際には、アパルトヘイト時代の疵が通奏低音として流れているんだけどね」

----へぇ~っ。どんな話?
「物語は、
南アフリカで人気の元ラグビー選手の娘が殺されたことに端を発する。
事件当夜の少女の足取りをたどる
ブライアン(オーランド・ブルーム)とアリ(フォレスト・ウィテカー)の二人の刑事。
ほどなく、彼らは少女が、
ある薬物の売人と会っていたことが分る。
そして、その薬物は、
最近頻繁に起こる児童失踪事件の現場にも残されていたものだった…」

----ニャんか、
よくある話だニャあ。
「いやいや、
実はこれは物語の表層で
映画は、
さっき話したアパルトヘイト時代にまで遡る<深い闇>をあぶり出していく。
実を言うと、この薬物のくだりが少しSFチック。
最初にこれを作ろうとしたときの目的も含めて、
実際には
それありえないだろうというような代物で…」

----へぇ~っ、どういうものニャんだろう?
「そこは映画の<核>となるから、
さすがに言えないけどね。
ただぼくは、そのフィクション性が
この映画をオモシロく見せているとは思ったけどね。
でも、普通は
それにはノレないというか、
バカバカしい設定と思う人も多いかもね」

----う~ん。いよいよ気になるニャあ。
ところで、これオーランド・ブルームだよね。
最近の『ホビット 竜に奪われた王国』では、またまた
金髪のロングヘアを風になびかせていたけど、
ニャんか、これはむさくるしいニャあ。
「だよね。
髪は黒く短く、おまけにカールが入っている。
服もよれよれでだらしない。
それは彼が演じるブライアンの私生活にも表れている。
別れた妻とはいまだ揉めていて、
一方では酒と女浸りの毎日。
でも、これが意外にうまく合っているんだ。
同じ現代劇の
『グッド・ドクター 禁断のカルテ』 でのイメチェンは中途半端で、
作品の出来もイマイチだったことから、
けっこう心配しちゃったけど、
こちらは安心して観ることができる」

----フォレスト・ウィテカーとのコンビというのもオモシロいよね。
「こちらアリは、
子どもの頃に自分を襲ったある悲惨な事件、
そのトラウマに今も悩まされているという設定。
これもネタバレを避けるためにはっきりとは言えないけど、
性的なことと関係していて、
遊び回っているブライアンとの対照が効いている。
実は、プロローグとして
アリの子どもの頃のエピソードが語られる。
つまり、より主人公と言えるのはこのアリの方」

----ということは
クライマックスでの活躍もアリの方?
「うん。
そのクライマックスは彼の<砂漠での追跡>。
炎天下の中を、
ラスボスをどこまでも、どこまでも歩いて追いつめていく。
その執拗さに
ぼくは一連の韓国のサスペンス映画が脳裏に甦ったね」

----へぇ~っ。
フランスでも韓国映画はブームなのかニャあ?
「さあ、どうだろう。
でも、そう想像したくなるようなインパクトのあるシーン。
この映画、人によっては
いくらでもツッコミができるかもだけど、
ぼくは、ユニークなサスペンス・アクションとして
けっこう楽しめたね」




フォーンの一言「フォレスト・ウィテカーの出ている映画にハズレなしなのニャ」身を乗り出す

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『X-MEN:フューチャー&パスト』

2014-06-13 23:26:49 | 新作映画

(原題:X-MEN:DAYS OF FUTURE PAST)


----これ、フォーンも一緒に観に行った映画だよね。
最初、あっけにとられていたみたいだけど、
途中から前のめりで観ていたよね。
「うん。全然話を知らずに、
前作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の続き程度の知識で臨んだものだから、
冒頭の未来シーンであたふた。
いったい、いま何が起こっているのか?
このロボットみたいなものは何?ってな感じ」

----それはフォーンもそう。
結局、このセンチネルというロボットを生んだきっかけが
ミスティーク(ジェニファー・ローレンス)のある行動にあることが分かって
それを阻止するためにウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)が1973年に…。
「そう。
もう、ここでぼくは完全に心を持って行かれたわけ。
73年でウルヴァリンが目覚めるときにバックで流れる曲が
ロバータ・フラックの『愛は面影の中に』
この曲は、もう当時から大好きな曲。
しかも、クリント・イーストウッドの初監督作『恐怖のメロディ』に使われていたんだ

----『恐怖のメロディ』って
人気DJがストーカーに狙われるって話だっけ。
「うん。
ぼくはヒュー・ジャックマンがこのウルヴァリン役で登場した時から
若い頃のイーストウッドそっくりと思っていたんだけど、
おそらく本作の監督ブライアン・シンガーも同じことを思ったんじゃないかな。
ここに『愛は面影の中に』を持ってくるというのは、
ある意味、確信犯としか思えない」

----そうかニャあ?
「ほら、この映画で
最初にこの曲が流れたとき、
ウルヴァリンは何をしていた…?
マフィアのボスの奥さんとベッドイン。
つまり一夜の過ちを犯していたワケだ。
その設定がまず『恐怖のメロディ』と同じ」

----ニャるほど。
でも、それってそんなに大切なこと…?
「ぼくはそう思うね。
というのも、これに続くシーン。
ウルヴァリンが、あっさりとボスの部下たちをやっつけて外に出ると、
もう映画のテイストが70年代アクションそのもの。
おそらく、
ブライアン・シンガーはこの映画を70年代の空気で撮ろうと思ったに違いない。
ファッション、車ももちろんだけど、
画角というかフレームの切り取り方も
まるでテッド・ポストあたりの
洗練されていない70年代アクション映画を観ている感じ。
いわゆるシャープだのエッジが効いているというのとは対極。
どちらかと言うと野暮ったい。
この『愛は面影の中に』の起用は
“さあ、今からその世界に入りますよ”という
スイッチの役割をしていた気がするんだ」

----だから全てが解決して
未来に戻ってきたときにもあの曲が流れていたんだ…。
「そういうことだろうね。
しかし、このシーンは切なかったなあ。
歴史が変わったタイムトラベルものにつきものではあるけれど、
本人以外には、その記憶がない。
まあ、この中ではプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)が
全てを知っているように描いてはあったけどね」

----そういえば、ここにジーン(ファムケ・ヤンセン)が出てきたのも感動だったよね。
「うん。
彼女は、ジーンとしては『X-MEN2』で一回命を落としているからね。
今回、歴史が変わったことで、
その時の戦い自体あったのかどうか…」

----あったとしても彼女が死んだとは限らないってワケだ。
「そういうことだね。
そうそう、プロフェッサーXがらみで言えば、
彼の若い頃を演じたジェームズ・マカヴォイはよかったね。
前作『ファースト・ジェネレーション』では、
いかにもいい家育ちの好青年という感じだったのに、
ここではレイブン(ミスティーク)どころか全てを失い、
70年代ヒッピー風にやさぐれている。
このあたりの空気も、ぼくは懐かしかったなあ」

----結局、あの時代へのノスタルジーってワケだニャ。
これは、まともに聞いてられないや(笑)。


フォーンの一言「タイムトラベルの映画って、いつも切ないのニャ」いいねぇ

※それは究極の「失われた時」だからかも。
映画の興奮を鎮めるかのようなラストは出色だ度
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『オール・ユー・二ード・イズ・キル』

2014-06-08 19:30:20 | 新作映画
(原題:EDGE OF TOMORROW)


----この映画、トム・クルーズの新作だよね。
また、SFニャんだ。
「うん。『オブリビオン』に続いてのね。
しかも、トム・クルーズらしく
いつもながらの変化球」

----えっ、どういうこと?
「じゃあ。
まずはその設定から。
舞台は宇宙からの侵略者との明日なき戦いが続く近未来の地球。
トム・クルーズ演じるウィリアム・ケイジ少佐は、
突然最前線に送り込まれてしまう。
もとより広報の仕事に従事し、
戦闘スキルがゼロのケイジは、
あっという間にその戦いによって命を失ってしまう。
ところがなぜか彼はタイムループの世界に取り込まれ、
戦闘と死を何度も繰り返すことに。
そんな中、特殊部隊の軍人リタ・ヴラタスキ(エミリー・ブラント)と出会った彼は、
彼女の厳しい訓練を受けながら、
戦士としての成長を遂げていく…」

----ニャるほど。
同じ一日の繰り返しか…。
だから『恋はデジャ・ブ』が引き合いに出されるわけだ。
「うん。
ぼくは『うる星やつら2★ビューティフル・ドリーマー★』を思い出したね。
でも、こういうアクション系ではパッと思い浮かばないなあ。
この映画、原作は日本の作家・桜坂洋のライトノベル。
それをハリウッドが本腰入れて映画化。
それだけにエイリアンとの戦闘シーンは
あの『スターシップ・トゥルーパーズ』をも凌ぐド迫力。
哀しいかな、日本映画ではこうはいかないだろうな」

----ふむ。
となると、見どころは
そのアクション・シーンってことだニャ。
「うん。
そして、それに貢献しているのがトム・クルーズ。
この映画は、
これまで数多くの映画に出演してきた彼にとっては珍しい
ひ弱で臆病、いわゆるチキンな役柄。
おどおどしたその目や縮こまった手足が
戦闘の激しさを際立たせている」

----でもそれでも
トレーニングで結果的に
屈強なヒーローになるわけでしょ。
いくらニャんでも設定に無理がニャい?
「いやいや。
そこが重要で、
この繰り返しは、
それこそ気が遠くなるほど行なわれたということを意味している。
たとえばせっかくステージ7までクリアしたのに、
そこで死んでしまって、また初めからやり直し…という感じ」

----ステージ7?
ニャんだかゲームみたいだニャ。
「そういうこと。
実際には、そのステージの数字が出てくるわけじゃないけど、
これはテレビゲームのようなもの。
死んでも何度も挑戦できる。
しかしだからと言って、
さっきの例えで言えば
次はステージ7から…というわけにはいかず、
また最初から…」

----それはいやでも強くなるはずだ。
でも、そのたびにリタと出会って、
自分のことを説明しなきゃいけないわけでしょ。
ニャんだか、おかしくなりそう。
「確かに。
えっ、またここ?というイライラ感がないワケでもない。
そしてまたまた続く激しい戦闘。
だから、これはアクション映画、
とりわけ戦争モノが苦手な人にはダメかもね。
ぼくとしては、
近未来の地獄絵は『ターミネーター』シリーズ、
主人公の周りの屈強な兵士たちには、
『エイリアン2』を思い出して、
けっこう楽しめたけどね」

----う~ん。フォーンは苦手だニャ。


フォーンの一言「エイリアンの造型も見モノらしいのニャ」身を乗り出す

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『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』

2014-06-06 22:46:50 | 新作映画
(原題:Parkland)


----これって、あまりにも有名な話だよね。
確かオリヴァー・ストーン監督も『JFK』を作ってているし…。
なにか目新しい事実でも出てきたの?
「う~ん。
ケネディの暗殺には、諸説あるのはフォーンも知っているよね。
なかには陰謀説もあって、
CIAやマフィアの影までちらついている。
ところがこの映画は、
そういう“真相究明”、
いわゆるミステリーものとは意を異にする。
それよりも、
あの日、あの時、ダラスで何があったのか?
暗殺から4日間、
ケネディの死で大きく人生が変わった人々、それぞれの姿を克明に追っていく」

----たとえば?
「タイトルの『パークランド』は、
ケネディが運び込まれたパークランド病院から取られている。
その病院の研修医でケネディの救命処置に携わった
チャールズ・“ジム”・キャリコ(ザック・エフロン)、
その設立以来、
初めて大統領の命を守れなかった
フォレスト・ソレルズ(ビリー・ボブ・ソーントン)率いるシークレット・サービスの面々、
あるいは犯人として逮捕されたリー・H・オズワルド(ジェシー・ストロング)の兄ロバート(ジェームズ・バッジ・デ-ル)や
リーをアメリカ政府の工作員と言い続ける母マーガリート(ジャッキー・ウィ―ヴァー)。
そして偶然にもその“現場”を8ミリで撮影したエイブラハム・ザブルーダー(ポール・ジアマッティ)。
ちょっとあげただけでも、
こんなに事件の関係者は出てくる。
しかもアメリカ史上最大の緊急事態だけに、
誰もが予想もしていなかった
新たな問題が次々と起こってくる」

----たとえば?
「ケネディが亡くなったとことから
副大統領のジョンソンが大統領に。
となると、シークレットサービスの任務対象はジョンソンに代わる。
じゃあ、すでに遺体となったケネディ(元)大統領は
どのようにしてワシントンD.C.に戻すのか?
もとより棺をエアフォース・ワンに乗せることなど
だれも考えてはいないわけだから、
機内のどこに乗せるのかも即座には決められない」

----ニャるほど。
「この映画は、
このような、
事件の表には出てこない、
でも現場にいた人たちの<知られざる物語>で繋いでいく。
たとえば、オズワルドは1年も前から
FBIダラスのジェームズ・ホスティ特別捜査官(ロイ・リビングストン)が
1年半も前からマークしていた人物。
10日前にも『家族への干渉をやめなければFBIを爆破する』という主旨の脅迫文を
自ら局に持ち込んでいた」

----うわあ。それは大失点だニャあ。
上司に知られたらカンカンどころじゃ、すまない。
「そうなんだ。
じゃあ、この後どうするか…?
と、この事件に関わった人物それぞれの4日間が
まるでドキュメンタリーでも観ているような
緊迫したタッチで描かれる。
その分、マフィアだの
裏幕に繋がる人物は出てこない」

----そうか。
それら陰謀説はあくまでも推論だものね。
「そう。
ところが、興味深いのは
ドキュメンタリー的に距離を置いて描こうとすればするほど、
この事件がオズワルドが引き起こしたものとは
思えなくなってくる。
そんなちゃちな脅しをかける人物が
あろうことか大統領を狙い、
しかも確実に死に至らしめる…
これって、ありえないと…」

----もしかしたら、
この映画のスタッフの狙いもそこにあったのかもよ。
「ぼくもそんな気が…。
そしてもうひとつ。
この事件でアメリカの空気が一変した。
もう、夢と希望を謳っていた昨日とは地続きじじゃない、
そのことを表すにはこのドキュメンタリー手法は実に効果的。
変にドラマチックに描くよりはね…」




フォーンの一言「この数年後、弟ロバートも殺されたのニャ」身を乗り出す

『ボビー』、これも特別な映画だ度
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猫ニュー

画像はオフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。