ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『ゼロ・ダーク・サーティ』

2013-01-29 23:56:46 | 新作映画
(原題:Zero Dark Thirty)


----これって、
アカデミー作品賞を取った『ハート・ロッカー』
キャスリン・ビグロー監督の作品だよね。
またまた最有力と言われているみたいだけど…?
「う~ん。
今回のオスカーは『レ・ミゼラブル』じゃないかな。
なんと言っても、あっちは<華>がある。
授賞式も盛り上がるだろうし…。
それはさておき、
この『ゼロ・ダーク・サーティ』
世間をあっと言わせた
あのオサマ・ビンラディン捕獲作戦の
裏側を描いたもの。
結果的に、彼は殺害されたことはみんな知っているワケだけど、
それでもこれは、
観る前に想像していた以上の<驚きの映画>ではあったね」

----どういうところが?
「うん。
この映画、
事実に基づいて作られたというのが一つの売り。
それを念頭に置いて観れば、
その<驚き>はさらに増幅。
普通、こういうことは隠すだろう…
と、そう思われるエピソードが次々に飛び出してくるんだ。
しかも、それがドキュメンタリー・タッチの語り口もあって、
観る者に真実味を感じさせずにはおかない」

----ニャるほど。
普通、こういうことって国家機密だよね。
「うん。
これは、
脚本家のマーク・ボールによる聞き取り調査に負うところが多い。
実際に事件に関わった人たちへの取材によって、
CIA内部からの目線で見せてくれるんだ」

----それは興味深い。
オサマ・ビンラディンンオ隠れていた家なんて
要塞みたいじゃニャい。
中がどうなっているかとか、すごく興味ある。
「う~ん。
ところがこの映画、
それに関しては<緘口令>が敷かれている。
ビンラディンの隠れ家に潜入してからのことは書かないように…という。
でも、これって書きようがないんだけどね」

----どういうこと?
「作戦決行は深夜0:30分、
それも月灯りのない日に行なわれている。
撮影も暗闇の中で行なわれ、
赤外線スコープを使用している襲撃隊員の視界以上のことは
そこには写らない。
そのため、全体像はよく分からないんだ」

----でも、そこがクライマックスなんでしょ?
「一応そうなるかな。
ただ、この映画のほとんどは、
ビンラディンの隠れ家を
CIAが見つけ出すまでに費やされている。
主人公は女性CIA分析官マヤ(ジェシカ・チャスティン)。
物語は、
その彼女がある人質の尋問に立ち会うところから始まる。
これが尋問と言っても、
実態は水責めによる拷問。
支局長ブラッドリー(カイル・チャンドラー)の言葉を借りれば
『ああ見えて、冷血』な彼女が、
尋問、分析を繰り返す中、
自らも爆破テロ事件に遭遇。
さらには、自爆テロにより同志を失う中で、
憑かれたように仕事にのめりこんでいく姿が描かれる」

----でも、作戦の方も
しっかり見せてくれるんでしょ?
「うん。
CIAによるアルカイダ幹部への賄賂、
携帯の盗聴、そして尾行など、
スパイ映画には欠かせないシーンもたっぷり。
いつしか手に汗握る
サスペンスフルな作りにはなっている。
とは言え、軸となるのはやはりマヤ。
その姿がなかなか見えてこないターゲットにジリジリ。
それに呼応するかのように
映画自体もジリジリ、ヒリヒリ。
159分というランニングタイムに、
正直、腰が引けていたけど、
気が付くと、あっという間に時が経っていた。
そうそう、ここも詳しく話してはいけないんだろうけど、
この映画のラストシークエンスが実に巧い。
<余韻>という言葉を久しぶりに思い出す名シーンだったよ」



フォーンの一言「この監督、社会的なテーマが多いみたいだニャ」複雑だニャ
スティーヴン・ソダーバーグ監督『トラフィック』を観たときの感じに似ている度

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『ジャンゴ・繋がれざる者』

2013-01-26 15:07:57 | 新作映画
(原題:Django Unchained)



----これ、一時間以上前に行ったんだって?
タランティーノは好きじゃなかったはずなのに、
どういう心境の変化。
「うん。
この映画がセルジオ・コルブッチの『続荒野の用心棒』が基になっていること、
そして前作『イングロリアス・バスターズ』でタランティーノに対する見方が
かなり変わってきたからかな。
もともと、タランティーノが苦手だったのは、
かつて良識ある映画人ではなく、
ただただ映画を見まくっていた、
今でいうところの映画クラスタが好きな映画の
いいところを
ごっそりいただいて映画を作っていたところ。
まあ、それはそれで問題ないんだけど、
それを業界が、いかにも新しい映画のように売りだして行ったところ。
そしていつしか時代の風雲児のように祭り上げられていったところ」

----でも、それって
自分の好きなものが
自分だけのものじゃなくなったって感じに似ているよ。
「そう。
だから、そこには愛憎が半ばする。
たとえば、あの『レザボア・ドッグス』のラストの三すくみがいい例で、
これ、昔からの映画ファンなら
だれもがセルジオ・レオーネ『続夕陽のガンマン・地獄の死斗』を思いだす。
しかも『レザボア』のすぐ前には
香港のジョン・ウーも『ワイルド・ブリット』でその再現をしている。
まあ、そんな感じで彼の映画に
ぼくは新しさは感じなかったワケだ。
ところが前作『イングロリアス・バスターズ』
それは大きく変わる。
あの映画のオープニング。
そこには、もう何年もスクリーンで観たことがない
かつての西部劇を思わせる雄大なショットが
その記憶のままの構図で…。
あれっ?これって戦争映画じゃなかったの?と目を疑ったね。
思えば『キル・ビル Vol.2』あたりから
彼のマカロニウエスタン志向は覗いていて、
『イングロリアス~』以前は、
『キル・ビル Vol.2』が自分のタランティーノ・ベストだったわけだけど…」

----なかなか本題に入んないニャあ。
「ごめんごめん。
でも公開前だし、
この映画の魅力の一つ一つを言うことは止めておこうと思うんだ。
ストーリー自体は、近年のタランティーノ映画と同じ
愛と復讐のジャンゴ”。
これさえ分かっていれば、もう何も語ることはない。
これは『続荒野の用心棒』でフランコ・ネロのジャンゴが叶えられなかった夢を
ジェイミー・フォックスのジャンゴが叶える、
タランティーノの贈りもののような映画なんだ。
物語はこう。
賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって
自由の身となった黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)が
彼と組んで次々とお尋ね者たちを取り押さえる中で、
お互いの絆を深くしてゆく。
やがて、ふたりは、奴隷市場で離れ離れとなってしまったジャンゴの妻を取り戻すべく、
農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の元へ向う…」

----ニャるほど。
それでディカプリオの悪役作りが話題になっているワケか…。
「こういう役は、
キレるだけキレたほうが、映画はオモシロくなる。
マカロニウエスタンは、
そこにキーワードの一つともなった“残酷さ”を過剰なまでに入れ込み、
その悪党ぶりを強調するんだけど、
この点もこの映画はクリアー。
しかも感心するのは、
いくら残酷な描写を見せても
それが目をそむける形にはならない。
節度のある距離感、アングルに
キャメラポジションを置いているんだ。
さて、そのマカロニとの近似性を喋ったついでに、
『続荒野の用心棒』へのオマージュ。
これは、もう冒頭ですべて出している。
ネタバレになるので言わないけど、
『続荒野の用心棒』では棺桶を引きずっていたけど、
ここでは? というのがポイント。
そしてその写し方と音楽のお入れ方。
突然、キャメラがアップから超ロングに引くところなんて、
もう涙涙」

----また大げさだニャあ。
「その棺桶もそうだけど、
墓だの頭巾だのと、
あちこちに『続荒野の用心棒』のアイテムが散りばめられている。
なかでもオリジナルのフランコ・ネロとの会話は
ファンへの最大のサービス。
そして、マカロニのもう一つの特徴でもある“ありえなさ”。
これもクリアー」

----どういうこと?
「たとえば、銃に込められた弾丸が
一発の無駄なく敵を全員撃って死に至らしめちゃう。
このときの早打ちと、その正確さ。
ほとんど漫画の世界だけど、
リアリズムなんてくそくらえという、
カッコよさへの徹し方。
この姿勢もマカロニならでは…」

----でも、そんな映画がどうして
アカデミー賞にノミネート?
「映画が描くのは、
アメリカのブラックな歴史。
黒人奴隷制度。
それに対して異議申し立て、検証を行っているのも大きいと思う。
とりわけ、自分も黒人でありながら黒人差別を徹底する
執事スティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)への容赦ない視線。
こういうキャラを生みだすところにも
タランティーノの脚本家としての才を感じたね。
そうそう、ロケ中心でSFXが少ないからか、
エンドクレジットが短かったよ」



『マンディンゴ』という言葉を久しぶりに聞いたのもこの映画。

                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「興奮が止まらないようなのニャ」身を乗り出す

※観る前は、黒人がマカロニウエスタンの主人公というのに違和感あったけど、
もう彼しか考えられなくなった度
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『王になった男』

2013-01-24 00:03:11 | 新作映画

----この映画、
韓国のアカデミー賞“大鐘賞”で
史上最多15部門を受賞したんだって?
「まあ、日本のアカデミー賞もそうだけど、
この賞にどれだけの箔を求めていいのか…。
でも逆に言えば、
この映画がそういった賞を取るのは分かるなあ。
だれが観ても楽しむことができるし、
スケールも大きい。
一般的に評価されやすい映画ではあるね」

----確か、主演はイ・ビョンホンだよね?
「そうだね。
この映画は彼の演技に負うところが大きい。
物語自体はシンプルで一言で言えちゃう。
陰謀により意識不明となった王・光海の影武者を務めた道化ハソンの物語

----あれ、似たような話、
ハリウッド映画にもなかったっけ?
そうだ、『デビルズ・ダブル-ある影武者の物語-』
「ぼくもそう思っていたんだけど、
根本的なところで違う。
影武者がいるのをいいことに、
自分が好き勝手にふるまうウダイ・サッダーム・フセインとは違って、
この『王になった男』の王・光海は、
影武者の活躍中、死線をさまよっていて、
その間に起こったことにはまったく関知していない。
ハソンも王の意志で動くのではなく、
その忠実な部下たちが操るままに動いていく…。
そして、もうひとつの違いは、
いまの政治のあり方に疑問を抱いたハソンが
自分の声で政務への発言を始めていくこと」

----でも、それじゃあ、
それまでの王とは全然違っちゃう。
「そうなんだ。
観る方は、
いつバレるかとハラハラ。
この映画は、そのサスペンスを基軸にしながら、
それと並行する形で、、
毒見役の女官サウル(シム・ウンギュン)の身の上に、
富を独占する富裕層によって苦しむ民衆の実相を、
王妃(ハン・ヒョジュ)の兄への拷問の中に、
宮中の権力を狙う大臣たちの陰謀を語っていく」

----ニャるほど。
そういえば、
この影武者のお話はフィクションと聞いたけど…。
光海という人が実在の人物だとしたら、
この映画、
かなり悲惨な結末を迎えるのでは?
「そう思うよね。
観る方としては、
ハソンは、最後は口封じのために殺されると
半ば暗い気持ちでスクリーンを見つめているワケだ。
でも、もしかしたら助かるのでは…という気持ちも心の隅にチラリ。
映画は、その観客の葛藤を巧く読み取りながら
これ以上ないほどのステキなエンディングを用意する」

----えっ、それは楽しみだニャあ。
まさか、ほんとうに王と入れ替わっちゃとか…?
「ぼくも一瞬、そうかとも思ったけど、
やはりそれは史実からしてタブーすぎる。
まあ、それは実際に観て確かめてもらうとして、
繰り返しになるけど、
この映画の魅力は
イ・ビョンホンの円熟の演技。
最初の方なんて、
いつバレルかとハラハラ。
でも、これも
イ・ビョンホンが自らの演技で
観客をそのようにリードしているワケだ。
セットや衣装、ロケなど、
その風格も申し分なし。
やはりこの映画は大鐘賞にふさわしい、
ぼくはそう思うよ」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「最後はやさしい気持ちになれるらしいのニャ」気持ちいいニャ



※最後、リュ・スンリョンのとても素敵な「おじぎ」が見られる度
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『横道世之介』

2013-01-17 22:08:41 | 新作映画
『南極料理人』『キツツキと雨』沖田修一監督の新作!

----『横道世之介』って、
ニャんかふざけた名前。
これ、本名ニャの?
「そう、少なくともこの物語の中ではね。
この映画は、そのふざけた名前の彼が
上京して大学に入ってからわずかの間のことを、
彼と出会った人たちの
<その後>を挟みながら描かれるんだ」

----えっ、横道世之介のその後は?
「う~ん。
そこを言うと、
この映画の構成の軸を喋ってしまうことになるからなあ。
ただ、この映画は、
ある特殊な語り口となっていることは言っておいた方がいいだろうね。
ヒロイン・与謝野祥子(吉高由里子)を始め、
入学式のときに出会う友だち・倉持一平(池松壮亮)、
世之介が憧れる年上女性・片瀬千春(伊藤歩)、
女性に興味を持てない同級生・加藤雄介(綾野剛)…。
彼らとのとりたててどうということのない
“普通”の交流が描かれてゆく」

----そうニャんだ。
でも、その割には、スゴク話題になっているよね。
「そう。
ほんとうに、たいした事件が起こるワケでもない。
でも、この“普通”というのが、
いまの時代から見ると、とても魅力的。
世之介は、
今の言葉で言うところの“空気を読む”なんてことはまったくしない。
自分の思ったままに、なんかクラゲみたいにヘラヘラと行動する。
同じく今でいうところの“天然”というヤツかな。
ただ、こういう人って、
あの頃、けっこういたような気もする。
この、
“どこにでもあったような、どこにでもいたような”
ごく普通の人のなんてことない日々が心をじわ~っ。
思うにそれは、この時代が、
普通に生きることさえ、難しくなってきているからなんだな、きっと」

----ふうん。舞台はいつニャの?
「1987年。
テロップには一切出てこないけどね。
それでも、その時代の空気を感じさせるところが、
この映画のもう一つの魅力。
ファッション、町並みは言うまでもなく、
あのきらきらしていた時代を
まるごと切り取っている。
35ミリ撮影というのも、その理由の一つかなあ…。
ただ、その時代を知っているぼくなんかは観ていて楽しかったけど、
いまの若い人の目にはどう映るのかなというのも、
片方では気になったけどね。
87年に青春を謳歌していた若者たちが
60年代の日活青春映画を観て抱くような
そんな不思議な感慨になるかも。
言葉遣いひとつとっても
今と全然違うし…。
あっ、それとこの映画の製作幹事会社が日活。
これも意味を持っている(と思う)」

----どういうこと?
「これ、言っちゃうと怒られるかもしれないけど、
あるロマンポルノの傑作と
そのラストシーンを構成するアイテムが同じなんだ。
桜吹雪、階段、そして子ども…。
さあ、分かるかな?」

----そりゃあ。分かるよ。
フォーンをニャんだと思っているの?



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「答は相米慎二『ラブホテル』ニャのニャ」いいねぇ



※話は変わるけど、ひいき女優の黒川芽が痩せすぎていたのが気になった度
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『レッド・ライト』

2013-01-14 19:03:09 | 新作映画
(原題:Red Lights)



----『レッド・ライト』って、
『マーサ、あるいはマーシー・メイ』 のお話のとき、
エリザベス・オルセンが出演しているって言っていた映画だよね。
「そうだね。
ただ、メインビジュアルは
ロバート・デ・ニーロ
クレジットのトップはキリアン・マーフィー
いったい、どんな映画かは皆目分からなかった。
しかも、ここに大御所シガーニー・ウィーバーまで
絡んじゃっているんだから」

----さっき、ツイッターで
ユリ・ゲラーとかMr.マリックとか呟いていなかった?
「うん。
簡単に言えば、超能力者と
それを科学的に否定しようとするチームとの戦い。
そうとは知らないものだから、
冒頭の交霊会で『アザーズ』みたいな
クラシックな映画かと…。
ところが、これが現代も現代。
椅子が浮かびあがったり
大きな物音が部屋にとどろく理由を
科学者のマーガレット・マシスン(シガーニー・ウィーバー)と
トム・ハックリー(キリアン・マーフィー)のふたりが、
分かりやすく説明してくれる。
さてこの物語、
30年前に突如引退した伝説の超能力者サイモン・シルバー(ロバート・デ・ニーロ)の復帰で大きく動き始める。
マーガレットはサイモンとは
屈辱的な、そして自分を許せない、
ある思い出がある。
『サイモンは危険』と、
トムに彼と近づくのを制するマーガレット。
それを遮って調査を始めたトムの前に、
科学では説明できない不思議な現象が次々と起こる。
果たして、サイモンは本物の超能力者なのか?」

----へぇ~っ。
オカルトと科学の対決か…。
これはオモシロそうだ。
「こういう見世物チックな題材は映画向きという気がするね。
しかも、映画は
自分の目でいま観たものが
<真実>かどうかを試しながら進んでゆく。
そして、それがまた、
この映画の持つ大きな構造とも絡んでくるんだ。
よく練られた構成だと思う」

----シャマラン監督との比較も見受けられるみたいだけど…。
「そこは
あまり突き詰めて話すと、
この結末は、
なるほどこの手があったかという感じ。
整合性がピタリ。
ただ、ぼくはそれほどの驚きはなかったけどね。
それよりも
途中の恐怖描写のほうに、
この監督の才を感じたな」

----監督は誰だっけ?
『【リミット】』で一躍その名を知られるようになったロドリゴ・コルテス
ライアン・レイノルズのみで取りあげた作品から、
ここまでのネームバリューの高い俳優を揃えての映画。
ハリウッドのサクセスストーリーが
またひとつ生まれたということだね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画はのめりこんじゃうのニャ」身を乗り出す



※映像も魅せるけど、話がまずしっかりしている度
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『東京家族』

2013-01-10 20:03:17 | 新作映画
----今日は『東京家族』。
この映画って2ヶ月くらい前に観ていなかった?
「うん。
実は、その頃、
ツイッターで集中的に呟いていたため、
もうすっかり、ここでも話していた気になっていたんだ」

----どういうことを喋っていたの?。
「観て最初に呟いたのがこれ。
『「東京家族」が、、かくも『東京物語』と同じプロットとは…。
これはリメイクと言ってもいいかも。
山田洋次監督が、いま、それをやる意味。
そこがこの映画をどう評価するかのポイントだろう。(11月14日)』

----つまり、『東京物語』と同じ話ってこと?
「そう。
老夫婦が子どもたちの住む東京へやってくる。
しかし、子どもたちは
自分らの生活を守ることに精いっぱいで、
親身になって親と接することができない。
そして…。
簡単に言うと、これだけのお話。
家に泊められない子どもたちが両親に用意するのが
熱海の旅館から横浜の高層ホテルになど、
小さな変更点はあるものの、
セリフまで同じだったりする。
しかも、それどころか、
『「東京家族」、さっきはプロットについて呟いたけど、
カメラのポジションはもちろんのこと、
その切り返しと俳優の演技の関係も小津映画そのもの。
ひとりが喋り終わるまで次の人は喋らない。
フレーム外の声はめったに入らない。
そこから生まれる独自のリズムと快感。
小津安二郎はやはり孤高の人だなあ。(11月15日)』

この呟きで分かるように、
この映画は『東京物語』のリメイクと言っていいほどそっくり」

----ふうん。それって意味あるの?
「そこを説明するために、
まずは、その時の呟きを連続して再掲。
『黒澤・小津・溝口という紹介に、
若いころは反感を感じていたが、今はなるほどと思う。
マルチキャメラ&レンズ選択の黒澤明、
バストショットで切りかえす小津安二郎、
俯瞰&パン・フォーカスの溝口健二。
それぞれが自分の映画文体を作っていった。
そしてほぼ同じ時代に彼らがいたというこの奇跡!(11月15日)』

『こんな、いつか本で読んだようなことを思い出すのも、
やはり『東京家族』の余韻か…。あれはあまりにも『東京物語』。
後半はさすがに山田洋次色が出ていたとはいえ、
いまにも蒼井優が「私、ずるいんです」と言い出すんじゃないかと、気が気でなかった。(11月15日)』

この後半の件は、昨日、モルモット吉田さんも呟いていた。
みんな思うことは同じなんだなあと…。
ただ、そこまでの酷似性をどう評するかで、
この映画への賛否は分かれると思う。
その日、ぼくは続けて、こう呟いたんだ。
『一晩考えて山田洋次の狙いがわかってきた。
『東京家族』は今年一番の野心作だ。
今まで小津映画を観たことがない映画クラスタは、
日本にここまで独創的な映画を作り続けた異能の作家がいたことに驚き、
人によっては映画を観る目が変わるかも知れない。
(山田洋次は)まずは小津を知らしめそこに目を向けさせたわけだ。(11月15日)』

----ニャるほど。
「もう、ここまできたから、
そのときのツイッターを全部載せちゃおう。
『小津映画のフレーム決めは、
人が社会から孤立した存在だとも、
その人が彼の人生の中では主人公であるとも、言っているように見える。
そんな個々人の声を小津は最後まで広い、耳を傾ける。
そこから浮かび上がるのは、強烈なエゴであったり、人と人の隔たりであったり。(11月15日)』

そして、ぼくの結論がコレ。
人生はつらく生きることは罪深い。
だが、陽はまた昇り明日はやってくる。
小津安二郎は、そんな人間たちに、それでもいいんだと静かに声かける。
思えば、語り口こそ違えども、あの山田洋次の寅さんもそうではなかったか。
映画を覆うペシミズムの影。
そこに『東京物語』と『東京家族』の繋がりを思う。(11月15日)』」

----ニャんだか、しんみり。



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この映画、みんなどうとらえるのかニャ?」悲しい



※ただ、原案クレジットがないのは不思議だ度
※ふうさんという方からご指摘いただきました。
原作表記がない理由はこちらの記事に。
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130101/ent13010118000009-n1.htm


<関連ツイート>
「でも撮り方は小津さんの映画を繰り返し見ましたよ。
小津さんがどう撮ったか見ると、小津さんの方がいい。
ああ、そうした方がいいやと…。そこまでまねている。
世界一の映画だから、いくらまねても恥ずかしくない。」
(山田洋次監督/東京新聞・1月8日朝刊より)(1月8日)



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『映画 鈴木先生』

2013-01-08 23:58:41 | 新作映画
「さて、
今日は映画版『鈴木先生』について
簡単に見どころを喋ることにしよう」

----ニャに、それ?
映画版と言うからには、
テレビか何かあったわけ?
「フォーンが知らなくても仕方がないかも。
なにせ仮プレスには
『低視聴率ながらも熱い声に支えられ』とある。
しかも脚本の古沢良太氏は
『第一話放送の翌日、視聴率を知って、
ア映画化はなくなった、と僕は確信しました』

と自虐的ともとれるコメントを寄せている」

----よく、それで映画化に踏み切ったね。
「うん。
その裏側も気になるところだけど、
ひとつには主人公を演じている
長谷川博巳の人気も大きいんじゃないかな。
このテレビシリーズの後、
彼は『家政婦のミタ』に出演し、
数々の賞を受賞。
大河ドラマ『八重の桜』も放映開始。
園子温監督新作『地獄でなぜ悪い』にも出演。
まさに、いまが旬の人だ」

----でも、この手の“教師”ものって、
なんだか、パターン化している気がするんだけど…。
「ぼくもそう思って
初めて、この“鈴木先生”に臨んだんだけど、
これが意外や意外。
いままでの“教師”ドラマとまったく違う。
この先生、タバコは吸うし、
Hな妄想はするしで、
いわゆる“人格者”からはほど遠い。
金八先生のように、
ヒューマニズムで
人の道を説けるというタイプではない。
じゃあ、
『ごくせん』『ROOKIES』のように
熱く生徒を引っ張っていくかと言うと、
それもまた違う。
元ワルだった卒業生も
彼ではなく他の先生のところに
近況報告や相談に行くといった塩梅…」

----ふうん。普通の人ニャンだ…。
「そうだね。いま気づいたけど、
だからこれは“鈴木”先生。
鈴木という姓は佐藤と並んで
日本でも一二を争うほど多い名字だからね。
ただ、それでも
いやそれだけに、この映画には
いまの時代を生き抜く重要なヒントが隠れている気がした。
ここで強く語られるのは『演じる』こと。
鈴木先生は冷静にその距離を測りながら先生という役を演じている
そして、彼は同じく生徒にも
生徒を演じることを望む。

それは一見、簡単なように見えて
維持するには強い意思が必要となる。
しかし、それが次第に意味を持ってくるという。
これが鈴木先生の教育メソッドなんだ」

----分かったような、分からないような…。
「社会というのは
理想だけで語れるような甘いものではない。
鈴木先生は言う。
『会社というのは
社長は社長を演じ、部長は部長を演じ、
平社員は平社員を演じることで成り立っている』と。
この映画版では、
生徒会選挙、文化祭という学内行事、
そしてドロップアウトしてしまった卒業生の学校立て篭もりという
ふたつの大きな事件が語られるけど、
とりわけ、胸に痛かったのが後半のエピソード。
イジメを始め、いろんな問題はあるにせよ、
社会の厳しさに比べればユートピアなのかも…
そんな感じを受けたね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「学生時代は人生のモラトリアムなのニャ」悲しい



※知らないで観たからこそ驚いた度
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『LOOPER/ルーパー』

2013-01-07 21:17:58 | 新作映画
(原題:Looper)

---- 2013年最初の映画は『LOOPER/ルーパー』
これってスゴい話題作。
ずいぶん前に観たのに、
なぜいまごろ?
「うん。
正直言うと、
途中でどうなっているのか
頭が混乱するシーンが出てくるんだ。
そこを深く考えずにすませば、
かつてないほど画期的。
ただただオモシロい発想の映画ということで
十分楽しめるよ」

----その“発想”って?
「それではストーリーを。
舞台は近未来。
タイムマシンは開発されていたものの、
その使用は禁じられ、
犯罪組織のみが利用していた。
彼らは証拠を残さず敵を消しさりたいとき、
30年前に転送し、
“ルーパー”と呼ばれる暗殺者の手にゆだねる。
ある日、スゴ腕ルーパーのジョーの元に暗殺指令が入る。
だが、彼の元に送られたのは30年後の自分だった。
引き金を引くことを躊躇ったジョーの不意を突いて
街へと消えていく未来から来た“自分”。
『ヤツを殺さなければ自分が消される』。
ジョーは必死の追跡を始めるが…」

----ほんとだ。ユニーク。
「でしょ。
ただ、この手の映画にはタイムパラドックスがつきもので、
深く考えると、
『あれっ?』となってくる。
ところが本作の場合、勢いで見せきっちゃうところがある。
未来から送られてきたターゲットが現代に現れた瞬間、
躊躇なく引き金を引いちゃうところなんて、
音響効果も加わり、
もうしびれるほどカッコいい」

----ジョーを演じているのは
ブルース・ウィリスジョセフ・ゴードン=レヴィットだよね。
全然、似ていないように思うけど…。
「それは
髪の毛の量。(笑)
このまったく違うように見えるふたりが、
最初に出会うところ。
そこではカメラは二人の目をアップで捉え、
カットバックして見せる。
すると、これが意外や酷似しているんだね。
どこまでCG、あるいはメイク修正しているかは知らないけど、
ほんとそっくり。
レヴィットがウィリスのような歳の重ね方をするのか…って、
ファンは少し複雑な気持ちかも。
さて、ポイントだけ少し喋ると、
この映画、ウィリスが現代に現れてから映画のトーンが変わってくる。
そして、彼が現代にやってきた目的が明らかになったときには、
それこそ衝撃の結末が訪れる。
まあ、予告編でも少しは想像つくと思うけどね。
あの『ブリキの太鼓』のオスカルのような少年のアップでね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「後半の展開をどうとらえるかで好き嫌いが分かれるのニャ」ご不満


※二回は観ないとよく分からない部分のある映画だ度
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