ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『旅するジーンズと16歳の夏』

2005-09-07 19:26:08 | 新作映画
----この映画、原作がベストセラーなんだって?
「うん、30カ国以上で翻訳されている『トラベリング・パンツ』。
映画化の方も、全米のマスコミ評がすこぶるいい」

----チラシを見たところ、4人の若い女性の友情物語みたいだけど…。
「そう考えて間違いないと思うよ。
でも『Dearフレンズ』にしても『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』にしても
アメリカの女性友情物語ってなぜか4人。
『ザ・クラフト』『ミーン・ガールズ』でも
最初3人組だったところに、ひとり加わり4人になる。
う~ん、それってなぜだろう?」

----なんか、話それていない?映画の話に戻ってよ。
「ごめんごめん。この4人は、生まれる前から同じ場所で同じ時間を過ごしていた」
----?????
「つまり、母親たちが同じマタニティ教室に通っていたんだね。
リーナ、カルメン、ブリジット、ティビー。
16歳の夏、彼女らはある不思議なジーンズと出会う。
体型がまったく違う4人なのに、このジーンズはなぜかみんなにぴったり合うんだ。
このジーンズはきっと幸運をもたらしてくれるはずと、
離ればなれの夏の間、彼女らは4人で一本のジーンズを順番にはくことを決める」

----えっ、これってファンタジーなの?
「いや、始まりこそ、そうだけど、後は胸キュンのホロ苦青春映画。
内気なリーナはギリシャで初めての恋に落ちる。
両親が別れたカルメンは父親を訪ね、
新しい家族と暮らす父を見て怒りと寂しさをぶつける。
幼い頃に自殺した母の影を引きずるブリジットは、
メキシコのサッカーキャンプ場で誰よりも陽気に振る舞う。
ひとり地元のメリーランドに残ったティビーは、
生涯忘れることのできない小さな友と出逢う…。
つまり、これは昔からよくあった、
ひと夏の体験が、少女たちを大人に変えてゆく…という映画だ」

----それってロスト・バージンのこと?
「おっ、大胆な。でもちょっと違う。
この映画のいいところは、そういった下半身に話が偏らないところ。
劇中のティビーの言葉を借りれば、
『世の中には、親の再婚よりもっと悪いことがあるのよ』。
この4人は、それぞれ違うことが理由で傷つくものの、
それがきっかけで自分の本当の姿と向き合い、さらにはそれを乗り越えてゆく」

----そのセリフも素敵だけど、映像も美しそうだね。
「リーナのエピソードの舞台となるギリシャ、サントリニ島なんて
港そのものは現代的になっているため、
メインを漁村で行い、昔ながらの網や魚罠を装備させたのだとか。
音楽もどこかで聴いたことがあると思ったら『その男ゾルバ』。
他にも女声スキャットをフィーチャーするなど、
旅とロマンスが青春映画たりえた70年頃のテイスト。
4人それぞれの物語が、ジーンズの<旅>によって描かれ、
あたかも4本分の映画を観ているような充足感も得られる...
と言ったら、ちょっとほめすぎかな」

       (byえいwithフォーン)

ガーベラ1 image flower suported by haljion

※晴れの日もあれば雨の日もある度人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

※画像はアメリカのオフィシャルサイトの壁紙です