(原題:The Claremont)
「今日は、ちっちゃいけど、
とても心温まる映画のお話」
----ふうん。
そうは言っても、
ちょっと見ただけで想像ついちゃうよ。
これって、お年の女性が
若い青年に恋する物語でしょ。
以前、『ラヴェンダーの咲く庭で』というのもあったよね。
「うん。
でも、あそこまで生っぽくない。
確かに男女だから、
恋というのもあるだろうけど、
その根底に流れるのは、
人と人のつながりだね。
舞台はロンドン。
このクレアモントは長期滞在型のホテル。
人生の終着点に近づいた人たちが
引き寄せられるようにやってくる。
主人公のパルフリー夫人もそのひとり。
老いてからの人生を自立しようとここにやってきた」
----ははあ~。どこかで聞いたような…。
「集まる人たちの年齢設定はともかくとして、
確かに、同じ趣向を求めてある場所に集まるというのは、
『つむじ風食堂の夜』を始め、よくある設定かも。
さて、このホテルの住人たちにとって、
他の人の人生というのはとても興味深いもの。
なにかと詮索を始める。
ある日、パルフリー夫人は、
おつかいで図書館に行った帰り、
つまずいて転んでしまう。
そこを助けてくれたのが青年ルード。
手にしているのは『チャタレー夫人の恋人』。
それは自分のじゃないという気もあったと思うけど、
再会を機に、彼をホテルへ招待する夫人。
ところが、彼女はルードを孫と紹介してしまう」
----あらら。
「ここから映画は一気にオモシロくなる。
ほんとうの孫が訪ねてきたり、
うまくその場を切り抜けたら、
こんどは孫の母、つまり彼女の娘がやってきたり。
そのたびに、あわてる夫人。
この映画のオモシロさはまずここにある。
そう、嘘をいかにしてごまかすか?
そこから生まれるスリルだね。
そして、その嘘をついているのが
一見、とても上品な、嘘とは縁遠い感じの
パルフリー夫人であるところがいい。
つまり、さらにはユーモアが加わるってわけ」
----ということは、キャスティングも大事だね。
だれが演じているの?
「ジョーン・プロウライト。
亡くなったローレンス・オリヴィエの奥さん。
で、ルードにはルパート・フレンドが扮している」
----ルパート・フレンドだったら、
普通に恋人がいてもおかしくなさそうだけど…?
「彼は恋人に振られたばかり。
で、そんな彼が新しく出会う女性が、
実はこのパルフリー夫人がきっかけと言うのがいい。
彼女が最も好きな映画、
それは『逢びき』。
の映画を観てみようと、
彼はレンタルショップに行く。
そこで同じDVDに手を伸ばしたのが
のちにルードの彼女となるグウェドリンというわけ。
もとより、自分と同じ映画の趣味を持つ女性だから、
グウェドリンは
パルフリー夫人が嫌うようなタイプじゃない」
----とはいえ、
きっと心は複雑。
どうなるんだろう?
「それも含めて
実は、この映画、
ラストがいいんだ。
最期に、夫人が口にする言葉がね。
そこで思わずぼくは涙。
そして、ここまで言っていいのか、
エンディングに流れるのは懐かしのローズマリー・クルーニー『フォー・オール・ウィ・ノウ.』」
----だれ、それ?
「アメリカの有名なジャズ・シンガー。
実は彼女の甥がジョージ・クルーニー。
そうそう、重要な位置を占めるのがワーズワース。
以来、
久しぶりに映画で耳にした気がする」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『日だまりの場所をだれもが求めている。』――このキャッチコピーがまたいいのニャ。」

※コットンのような手触りの映画だ度



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お花屋さんもよろしく。
※画像はアメリカ・オフィ
シャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
「今日は、ちっちゃいけど、
とても心温まる映画のお話」
----ふうん。
そうは言っても、
ちょっと見ただけで想像ついちゃうよ。
これって、お年の女性が
若い青年に恋する物語でしょ。
以前、『ラヴェンダーの咲く庭で』というのもあったよね。
「うん。
でも、あそこまで生っぽくない。
確かに男女だから、
恋というのもあるだろうけど、
その根底に流れるのは、
人と人のつながりだね。
舞台はロンドン。
このクレアモントは長期滞在型のホテル。
人生の終着点に近づいた人たちが
引き寄せられるようにやってくる。
主人公のパルフリー夫人もそのひとり。
老いてからの人生を自立しようとここにやってきた」
----ははあ~。どこかで聞いたような…。
「集まる人たちの年齢設定はともかくとして、
確かに、同じ趣向を求めてある場所に集まるというのは、
『つむじ風食堂の夜』を始め、よくある設定かも。
さて、このホテルの住人たちにとって、
他の人の人生というのはとても興味深いもの。
なにかと詮索を始める。
ある日、パルフリー夫人は、
おつかいで図書館に行った帰り、
つまずいて転んでしまう。
そこを助けてくれたのが青年ルード。
手にしているのは『チャタレー夫人の恋人』。
それは自分のじゃないという気もあったと思うけど、
再会を機に、彼をホテルへ招待する夫人。
ところが、彼女はルードを孫と紹介してしまう」
----あらら。
「ここから映画は一気にオモシロくなる。
ほんとうの孫が訪ねてきたり、
うまくその場を切り抜けたら、
こんどは孫の母、つまり彼女の娘がやってきたり。
そのたびに、あわてる夫人。
この映画のオモシロさはまずここにある。
そう、嘘をいかにしてごまかすか?
そこから生まれるスリルだね。
そして、その嘘をついているのが
一見、とても上品な、嘘とは縁遠い感じの
パルフリー夫人であるところがいい。
つまり、さらにはユーモアが加わるってわけ」
----ということは、キャスティングも大事だね。
だれが演じているの?
「ジョーン・プロウライト。
亡くなったローレンス・オリヴィエの奥さん。
で、ルードにはルパート・フレンドが扮している」
----ルパート・フレンドだったら、
普通に恋人がいてもおかしくなさそうだけど…?
「彼は恋人に振られたばかり。
で、そんな彼が新しく出会う女性が、
実はこのパルフリー夫人がきっかけと言うのがいい。
彼女が最も好きな映画、
それは『逢びき』。
の映画を観てみようと、
彼はレンタルショップに行く。
そこで同じDVDに手を伸ばしたのが
のちにルードの彼女となるグウェドリンというわけ。
もとより、自分と同じ映画の趣味を持つ女性だから、
グウェドリンは
パルフリー夫人が嫌うようなタイプじゃない」
----とはいえ、
きっと心は複雑。
どうなるんだろう?
「それも含めて
実は、この映画、
ラストがいいんだ。
最期に、夫人が口にする言葉がね。
そこで思わずぼくは涙。
そして、ここまで言っていいのか、
エンディングに流れるのは懐かしのローズマリー・クルーニー『フォー・オール・ウィ・ノウ.』」
----だれ、それ?
「アメリカの有名なジャズ・シンガー。
実は彼女の甥がジョージ・クルーニー。
そうそう、重要な位置を占めるのがワーズワース。
以来、
久しぶりに映画で耳にした気がする」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『日だまりの場所をだれもが求めている。』――このキャッチコピーがまたいいのニャ。」

※コットンのような手触りの映画だ度




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