----これって乙一の原作の映画だよね?
「うん。前にも言ったかもしれないけど、
彼の世界って映画化しにくいなと…」
----うん。それ聞いたよ。
確か叙述トリックが使われているからでしょ?
「そう。彼のミステリーは、
クライマックスで思わぬ展開をする。
一見、ルール違反のように見えながら
でも、それは読者の思い込みを利用したものと言う、
実に巧妙な話法が使われているんだ。
ただ、この映画の場合、
それよりも別なところにクエスチョンを感じてしまった」
----どういうこと?
「実は乙一ファンを自認しながら、
ぼくはこの原作はその時点で読んでいなかったんだね。
物語を簡単に説明しよう。
ある盲目の女性(田中麗奈)の近くで
線路に人を突き落とす殺人事件が起こる。
(この時点では転落事故ということになっているけど…)
それからしばらくして
彼女は身近に人の気配を感じる。
そう、家の中にだれかいる!」
----あらら、オードリー・ヘプバーンの
『暗くなるまで待って』だ。
「違和感を感じたのは二つ。
彼女は父親(岸部一徳)とふたり暮らしなんだけど、
やがて父親は亡くなってしまう。
ところがそれまでが長すぎてバランスが悪い。
すぐに自分の世界を作り出す乙一らしくない。
もう一つはキャスティング。
チェン・ボーリンが闖入者に扮するわけだけど、
これもしっくりこない。
彼は仕事場でいじめにあってるんだけど、
ここも乙一らしくない。
まさか彼がそのいじめの理由に、
人種的偏見を入れるとはどうしても思えなかったんだ」
----で、どうだったの?
あの後、確か原作読んだんでしょう?
「うん。
やはり父親は早い段階で亡くなっている。
また、男も仕事場で浮いているのは、
彼の信条や生き方が理由。
その閉ざされた心が、
周囲と遮断して生きている
ヒロインの孤独な心と通底しているんだ。
チェン・ボーリンをこの役に使うというのが
監督・スタッフの判断だったのか?
もし別の側面からの強い要求としたら
監督も困っただろうね。
前作『AIKI」が力技で見せてくれただけに
実に惜しまれるな」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「……」
※う~ん。複雑だ度
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「うん。前にも言ったかもしれないけど、
彼の世界って映画化しにくいなと…」
----うん。それ聞いたよ。
確か叙述トリックが使われているからでしょ?
「そう。彼のミステリーは、
クライマックスで思わぬ展開をする。
一見、ルール違反のように見えながら
でも、それは読者の思い込みを利用したものと言う、
実に巧妙な話法が使われているんだ。
ただ、この映画の場合、
それよりも別なところにクエスチョンを感じてしまった」
----どういうこと?
「実は乙一ファンを自認しながら、
ぼくはこの原作はその時点で読んでいなかったんだね。
物語を簡単に説明しよう。
ある盲目の女性(田中麗奈)の近くで
線路に人を突き落とす殺人事件が起こる。
(この時点では転落事故ということになっているけど…)
それからしばらくして
彼女は身近に人の気配を感じる。
そう、家の中にだれかいる!」
----あらら、オードリー・ヘプバーンの
『暗くなるまで待って』だ。
「違和感を感じたのは二つ。
彼女は父親(岸部一徳)とふたり暮らしなんだけど、
やがて父親は亡くなってしまう。
ところがそれまでが長すぎてバランスが悪い。
すぐに自分の世界を作り出す乙一らしくない。
もう一つはキャスティング。
チェン・ボーリンが闖入者に扮するわけだけど、
これもしっくりこない。
彼は仕事場でいじめにあってるんだけど、
ここも乙一らしくない。
まさか彼がそのいじめの理由に、
人種的偏見を入れるとはどうしても思えなかったんだ」
----で、どうだったの?
あの後、確か原作読んだんでしょう?
「うん。
やはり父親は早い段階で亡くなっている。
また、男も仕事場で浮いているのは、
彼の信条や生き方が理由。
その閉ざされた心が、
周囲と遮断して生きている
ヒロインの孤独な心と通底しているんだ。
チェン・ボーリンをこの役に使うというのが
監督・スタッフの判断だったのか?
もし別の側面からの強い要求としたら
監督も困っただろうね。
前作『AIKI」が力技で見せてくれただけに
実に惜しまれるな」
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フォーンの一言「……」

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