※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる
部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(英題:Sunny)
「この映画は好きだなあ。
韓国映画って、サスペンスは秀でているけど、
この手のモノは、
やりすぎ感があってちょっと…と、思っていたけど、
どうやら考えを改めなくてはならないようだ」
----“この手のモノ”って?
「いわゆるラブコメ。
まあ、それもぼくの勘違いで
この映画『サニー 永遠の仲間たち』は、
ラブコメではなくて、
“旧友再会フォーエバー” 。
ハリウッドで言えば、
『Dearフレンズ』のようなお話」
----『Dearフレンズ』って、
デミ・ムーアだとかメラニー・グリフィスだとかが出たやつだよね。
かつての仲間たちが集まるってお話で、
ソーラ・バーチやクリスティーナ・リッチなどが少女時代を演じた…。
「そう。
この映画もあれと同じでヒット曲満載。
その一つがタイトルにもなっている『サニー』。
他にも映画『ラ・ブーム』でおなじみの『愛のファンタジー』といった
懐かしの70~80年代の大ヒット曲が次々と出てくる」
----へぇ~っ。そうなんだ。
でも、よくあるお話のようだけど…。
「確かにね。
でも、この映画は、
いろいろと細かいとこころに心が配ってあるんだ。
それを説明する前に、
まずは簡単なストーリー。
完璧な夫と高校生の娘に恵まれ、不自由のない生活を送っていた主婦のナミ。
ある日、彼女は、母の入院先で、高校時代の友人チュナと再会する。
25年前、ソウルの女子高へ転校したてのナミを、
姉御肌のチュナが仲間に入れてくれたのだった。
だが、そのチュナは余命二ヵ月のガンに侵されていた。
死ぬ前にもう一度みんなに会いたいという、
彼女の望みをかなえるべくナミは、
かつての仲間たち、
“サニー”と名付けていつも一緒だった
7人のグループのメンバーを探し歩く…」
----ニャるほど。
「というわけで、
この手の映画にはつきものの
回想シーンがふんだんに出てくるわけだけど、
最初の入り方が巧い。
懐かしの学校へ向かう坂道を歩くナミ。
周りは、制服の女高生ばかり。
ところがいつの間にか、それは私服の女性たちに。
そしてその中に、若い日のナミがいる。
実は、このころの韓国は少しずつ民主化の道を歩み出した頃。
その一環として、学校は私服になったばかりだったんだね。
こういう、時代色をいかした映像は随所に、
それぞれの必要性に応じて出てくる。
この映画の少女たちは、
優等生からはほど遠い。
タバコを吸う者、酒を飲む者…。
そして極め付けがグループ同士での喧嘩。
その乱闘が、街中での学生デモと機動隊の衝突の中で
少しコミカルさを伴いながら描かれる」
----グループ同士の喧嘩?
「そう。
教室内での小さなものもあれば、
よその学校とのタイマンもね。
そんな中、最初は戸惑っていた地方出身のナミも、
今では毎日が楽しくてたまらない。
その喜びを、言葉でなく体全体で表すんだ。
たとえば、映画のタイトルとなっている『サニー』を、
ほんとうに一心不乱に踊りまくる。
仲間に入れてくれたこと、それだけで嬉しいナミ。
その彼女にもやがて恋が訪れる。
そのときの表現が、意図的に頬を赤く染めるという、
これまた、戯画チックな表現。
あるいは、ただひとり、最後まで彼女によそよそしい
ミステリアスな美少女スジ。
彼女と酒を酌み交わして、そのワケを知るところなど、
もう、これは少女映画とは思えない。
『マルチュック青春通り』など、
激しい青春映画の系譜を持つ韓国ならでは。
ぼくは、これを観ながら
夏純子の『女子学園』シリーズを
こういう形で映画化したら面白いだろうにと思わずにはいられなかったね…」
----そうか、ある意味、
彼女らは不良少女ニャんだ?
「う~ん。そう断言していいのかどうか、
これが韓国では普通だったのかもしれないけどね。
でもいずれにしろ、彼女らはその青春を思いっきり輝かせている。
そして、それと対比されるように
今の彼女らの姿がそれぞれ出てくるわけだ。
成績の上がらない保険のセールスレディ、チャンミ。
整形と猫かぶりで洗練されたセレブ主婦へと変貌しているジニ。
厳しい姑のもと肩身の狭い主婦生活を送っているクムオク。
水商売の世界に入り娘と離れて暮らすポッキ。
ある者は夢をかなえ、ある者は夢に破れ、それぞれの25年が過ぎ去っていた。
このさじ加減がまた絶妙。
かつては、みんな将来に夢を持ち、
それを語り合っていた。
ビデオに向かって若い日の名美たちが夢を語る。
それを今の波が見るシーンは、もう涙を禁じえない。
そして、これはネタバレになっちゃうけど、
昔の少女ナミを、現在の主婦ナミが抱きしめるシーン。
もう、たまらないね。相米慎二の『お引越し』を思い出した。
もちろん、意味は違うけどね」
----ニャるほど、“えい”が好きそうだ。
「でしょ。
この映画のテーマは、『人生の主役に戻る』。
途中、自分の娘がいじめられているのを見かけたナミが
かつての仲間と仇打ちに向かう。
そのとき、彼女が身にまとっているのは…?
“人は誰も自分が人生の主役であるはず”――、
そう、これはフランソワ・トリュフォーにも通じる
人間がいとおしくなる映画だったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「酒を酌み交わしすときのセリフがオモシロいらしいのニャ」
※『美女でゴメン』だ度
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鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(英題:Sunny)
「この映画は好きだなあ。
韓国映画って、サスペンスは秀でているけど、
この手のモノは、
やりすぎ感があってちょっと…と、思っていたけど、
どうやら考えを改めなくてはならないようだ」
----“この手のモノ”って?
「いわゆるラブコメ。
まあ、それもぼくの勘違いで
この映画『サニー 永遠の仲間たち』は、
ラブコメではなくて、
“旧友再会フォーエバー” 。
ハリウッドで言えば、
『Dearフレンズ』のようなお話」
----『Dearフレンズ』って、
デミ・ムーアだとかメラニー・グリフィスだとかが出たやつだよね。
かつての仲間たちが集まるってお話で、
ソーラ・バーチやクリスティーナ・リッチなどが少女時代を演じた…。
「そう。
この映画もあれと同じでヒット曲満載。
その一つがタイトルにもなっている『サニー』。
他にも映画『ラ・ブーム』でおなじみの『愛のファンタジー』といった
懐かしの70~80年代の大ヒット曲が次々と出てくる」
----へぇ~っ。そうなんだ。
でも、よくあるお話のようだけど…。
「確かにね。
でも、この映画は、
いろいろと細かいとこころに心が配ってあるんだ。
それを説明する前に、
まずは簡単なストーリー。
完璧な夫と高校生の娘に恵まれ、不自由のない生活を送っていた主婦のナミ。
ある日、彼女は、母の入院先で、高校時代の友人チュナと再会する。
25年前、ソウルの女子高へ転校したてのナミを、
姉御肌のチュナが仲間に入れてくれたのだった。
だが、そのチュナは余命二ヵ月のガンに侵されていた。
死ぬ前にもう一度みんなに会いたいという、
彼女の望みをかなえるべくナミは、
かつての仲間たち、
“サニー”と名付けていつも一緒だった
7人のグループのメンバーを探し歩く…」
----ニャるほど。
「というわけで、
この手の映画にはつきものの
回想シーンがふんだんに出てくるわけだけど、
最初の入り方が巧い。
懐かしの学校へ向かう坂道を歩くナミ。
周りは、制服の女高生ばかり。
ところがいつの間にか、それは私服の女性たちに。
そしてその中に、若い日のナミがいる。
実は、このころの韓国は少しずつ民主化の道を歩み出した頃。
その一環として、学校は私服になったばかりだったんだね。
こういう、時代色をいかした映像は随所に、
それぞれの必要性に応じて出てくる。
この映画の少女たちは、
優等生からはほど遠い。
タバコを吸う者、酒を飲む者…。
そして極め付けがグループ同士での喧嘩。
その乱闘が、街中での学生デモと機動隊の衝突の中で
少しコミカルさを伴いながら描かれる」
----グループ同士の喧嘩?
「そう。
教室内での小さなものもあれば、
よその学校とのタイマンもね。
そんな中、最初は戸惑っていた地方出身のナミも、
今では毎日が楽しくてたまらない。
その喜びを、言葉でなく体全体で表すんだ。
たとえば、映画のタイトルとなっている『サニー』を、
ほんとうに一心不乱に踊りまくる。
仲間に入れてくれたこと、それだけで嬉しいナミ。
その彼女にもやがて恋が訪れる。
そのときの表現が、意図的に頬を赤く染めるという、
これまた、戯画チックな表現。
あるいは、ただひとり、最後まで彼女によそよそしい
ミステリアスな美少女スジ。
彼女と酒を酌み交わして、そのワケを知るところなど、
もう、これは少女映画とは思えない。
『マルチュック青春通り』など、
激しい青春映画の系譜を持つ韓国ならでは。
ぼくは、これを観ながら
夏純子の『女子学園』シリーズを
こういう形で映画化したら面白いだろうにと思わずにはいられなかったね…」
----そうか、ある意味、
彼女らは不良少女ニャんだ?
「う~ん。そう断言していいのかどうか、
これが韓国では普通だったのかもしれないけどね。
でもいずれにしろ、彼女らはその青春を思いっきり輝かせている。
そして、それと対比されるように
今の彼女らの姿がそれぞれ出てくるわけだ。
成績の上がらない保険のセールスレディ、チャンミ。
整形と猫かぶりで洗練されたセレブ主婦へと変貌しているジニ。
厳しい姑のもと肩身の狭い主婦生活を送っているクムオク。
水商売の世界に入り娘と離れて暮らすポッキ。
ある者は夢をかなえ、ある者は夢に破れ、それぞれの25年が過ぎ去っていた。
このさじ加減がまた絶妙。
かつては、みんな将来に夢を持ち、
それを語り合っていた。
ビデオに向かって若い日の名美たちが夢を語る。
それを今の波が見るシーンは、もう涙を禁じえない。
そして、これはネタバレになっちゃうけど、
昔の少女ナミを、現在の主婦ナミが抱きしめるシーン。
もう、たまらないね。相米慎二の『お引越し』を思い出した。
もちろん、意味は違うけどね」
----ニャるほど、“えい”が好きそうだ。
「でしょ。
この映画のテーマは、『人生の主役に戻る』。
途中、自分の娘がいじめられているのを見かけたナミが
かつての仲間と仇打ちに向かう。
そのとき、彼女が身にまとっているのは…?
“人は誰も自分が人生の主役であるはず”――、
そう、これはフランソワ・トリュフォーにも通じる
人間がいとおしくなる映画だったね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「酒を酌み交わしすときのセリフがオモシロいらしいのニャ」
※『美女でゴメン』だ度
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