ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『神様メール』

2016-05-18 13:26:32 | 新作映画

(原題:Le tout nouveau testament)


『神様メール』。
神様は初めにベルギーの街を作り、
いろんな動物を配置したもののうまくいかず最後に人間を作った…。
プロットからビジュアルまで、
これは隅々にまでドルマル監督の独創性が行き渡った映画。
神様はブリュッセルの街に住んでパソコンで人間を虐めている…
なんて、まず日本では作れない。

『神様メール』。
(この映画は)ただ無闇に驚かせようとしているわけではない。
もし自分の余命を知ってしまったら、人々はどう変わるのか?
例えば戦争なんてだれもやる気はなくなってしまう。
夫婦の片方は年内に死に、もう一方は何十年も生きると分かったら?
これらの考察が人生のさまざまな局面で行われるのだ。


(5月11日のTweetより)

----久しぶりのおしゃべりが
まさかベルギー映画でくるとは、
これにはフォーンもびっくり。
しかも、もうすぐ始まいるのでは?
「そうだね。
5月27日公開。
あいかわらず、いろいろ新作は観ているんだけど、
ちょっとこの映画には触れてみたいところがあって」

----2本のtweetを見れば
中身の方はもう想像ついちゃうけど…。
結局、意表を突いた設定と
豊かなイマジネーションの中に、
きっちりと問題提起がなされているということでしょ?
「あらら。
全部言われちゃった。
ただ、それでも言いたいのは
そのファンタジー造形の独創性
最近、誰かの呟きで
なるほどと思ったのが、
SF&ファンタジーなどで描かれる世界が
どれもワンパターン
だということ。
そう言われてみると、
確かにどこかで観たようなものばかり。
『アバター』の惑星と似たり寄ったりのものになっているんだ。
一方、そこに登場するクリーチャーは
トールキンの世界の変形版という感じ。
どうせありえないファンタジーなら、
もっと突拍子のないものであってもいいんじゃないかなと…」

----ニャるほどね。
でも、それを細かく明かしたら
観るほうの楽しみがなくなっちゃうよね?
「そこがこういう映画の紹介の難しいところだね。
でも、まあ設定くらいはいいかな。
この<世界>を生み出した神様は、
いまもブリュッセルのアパートに
妻と娘と暮らし、
パソコンで人々の暮らしをいじっている。
それも、
『お風呂に入った瞬間、電話のベルが鳴る』といったようなつまんないもの。
いわゆる、品のよくない意地悪で
人々が困るのを見て喜んでいる、
と、こういうわけだ。
そんなある日、神様の10歳になる娘がパソコンをいじり、
人々に自分の余命を知らせ、
自らも人間界へ行ってしまう」

----へぇ~っ。
でもそれって天から下界へというわけじゃないよね。
どうやって行くのかニャあ。
「これがまたとんでもない方法。
なんと洗濯機から入って
出口はコインランドリー。
そこで彼女は自分の“使徒”を見つけ、
さまざまな奇跡を引き起こしてゆく。
あわてた神様は彼女の後を追うが、
その身なりがみすぼらしく、
だれも相手にしてくれない」

----ブッ。それは…(笑)。
「正直言って、
この監督ジャコ・ヴァン・ドルマルって、
これまで
さして好きな方ではなかったんだけど、
今回のこの野心的な試みにはもう脱帽したね。
使徒、一人一人の物語も
ある意味でタブーを破ったエピソードが連なる。
そして最後に起こる奇跡。
その発想とビジュアルには、
こんなのあり?とまで思ったもの」


「神様をこんな風に扱っても罰が当たる気がしないところがいいのニャ」身を乗り出す

※ところどころどぎついエピソードもある度
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『64-ロクヨン-』

2016-05-08 23:51:28 | Weblog

いまから『64 ロクヨン』の前後編を30分の休憩を挟んで一気見。
ここしばらく、
二部作の前編はテンション高く後編はユルユル、トーンダウンというケースばかりだったので、
今回はそうはならないことを切に願いながら開映の挨拶を静かに待つ。

(4月18日のTweetより)


----そうそう。
そんなこと呟いていたよニャ。
この映画、昨日から「前編」が公開されたんだよね。
あんまりタイムラインには上がってきてニャいようだけど…。
「う~ん。
テレビでやっていたというような話もあるし、
そういうのが裏目に出ているのかもね。
あの話なら、もういいや…って」

----でも、映画とテレビは違う。
それが、えいの基本的な姿勢だよニャ。
「うん。
まずは、その前編を観た直後のTweetから紹介。

『64ーロクヨンー・前編』。
もとより組織と個人の対立を描いた映画は(自分の)好みの世界ではあるが、
これはモノが違う。
なんど嗚咽が漏れそうになったことか。
二度観る勇気がない。嗚咽どころか号泣しそうだから。
誰だ?最近の日本映画はレベルが低いなんて言ったのは⁉

(4月18日のTweetより)

いやあ、
いまこうやって紹介しても、
自分の興奮が
少し恥ずかしいまでに出ているな」

----どういうところが
刺さったのかニャ?
オールスタームービーって感じだけど、
大味にはならなかったの?
「もちろん。
確かに役者は数多く出ているけど、
みんなそれぞれの味を生かした役どころ。

これもTweetから引用してみよう。

『64ーロクヨンー』。
物語構成の巧みさは原作にあるにしても、
それを「映画」としての見せ場の連続に仕立て上げたのが何よりも嬉しい。
主人公を演じる佐藤浩市が次々と日本を代表する俳優たちと対峙していく。
永瀬正敏のようなインディーズ系あり、
三浦友和のような大御所あり、瑛太のような若手あり。


『64ーロクヨンー』。佐藤浩市の対峙する相手をさらに細かく見てみよう。
吉岡秀隆は松竹、仲村トオルは東映。
そこに菅田俊、滝藤賢一、奥田瑛二、筒井道隆、赤井英和、小澤征悦、椎名桔平、綾野剛、緒形直人らが、
彼とのツーショット対決に参戦していく。これぞ日本映画の醍醐味だ。

(4月18日のTweetより)」

----ニャるほど。
これは役者を愛でる映画でもあるんだニャ。
「そういうことだね。
そしてそれゆえに、
後編も無問題。

『64ーロクヨンー・後編』。
ミステリーを二部に分けた場合、謎解きメインとなる後編は失速しがち。
だが新人キャストに頼らざるを得なかった『ソロモンの偽証』とは違って、
こちらは実力派俳優が演技の鎬を削る。
これだけの役者たちをまとめた瀬々敬久監督もさすが。これこそが演出力。

(4月18日のTweetより)」

----あらら。
いまさらだけど、
これはミステリー。
そういうことニャんだね。。
「うん。
簡単に言えば、次のようになる。
昭和の最後の年、
わずか7日間で終わった昭和64年に
ある少女の誘拐殺人事件、通称“ロクヨン”が起こる。
だが警察は犯人を捕まえるに至らず、
14年もの月日が流れてしまう。
この捜査に携っていた三上義信(佐藤浩市)は、
いまでは警務部秘書課広報室の広報官として
県警記者クラブ対策をその主な業務としていた。
映画は、この三上と“ロクヨン”の関わりを軸に、
刑事部と警務部のあつれき、
県警記者クラブとの衝突など、
重層的に物語を語っていく」

----へぇ~っ。
それじゃ、収拾がつかなさそう。
「だよね。
ところが、そこがほんとうによくまとめてあるんだ。
これにはもちろん脚本のうまさもあるけど、
それを引き受ける役者の力に追うこところが大きい。
14年間、当時の関係者たちがどんな思いで日々を生きてきたのか、
スクリーンにチラッと姿を見せただけで、
その内に秘められた思いがこちらに伝わってくるんだ。

実は“ロクヨン”では
手痛い捜査ミスが起こる。
しかし上層部はこのミスを隠ぺい。
そのことにより出世の階段を上って言った者もいれば、
自責の念に捕われ、
警察を去っていった者もいる」

----へぇ~っ。
主人公の三上は、どっちニャの?
「彼は、
そのような隠ぺい工作があったことはおろか、
ミスの存在さえも知らなかった。
そして、
異動に次ぐ異動を甘受。
いろんな部署をたらいまわしにされ、
いまは刑事部さえも離れているんだ」

----ニャんか、
佐藤浩市らしくない役だニャ。
「そう。
これにはぼくも驚いた。
彼のこれまでのフィルモグラフィからは大きく外れる。
しかも、三上の娘は彼を嫌って家出。
娘からの連絡を待つ妻の精神状態は危険領域にある」

----内憂外患。
いわゆる四面楚歌ってヤツだニャ。
「そうだね。
この複雑なストーリーラインを整理するだけでも大変なはずなのに、
どのエピソードもそこに葛藤のドラマを持たせ、、
映画は最後の最後まで緊張感をもって走り続ける。
いやあ、ほんと感服したね。
しかもそのルックが懐かしい。
これは公開前日のtweetから引用。
まとまりなくなったけど、
今回はこれで締めよう。

明日からいよいよ『64ーロクヨンー』。
この映画、昭和40年代松竹の社会派ミステリーを観ている趣(ほんとうは東宝の映画なんだけど…)。
粒子が粗く、くすんだ青のフィルム(だと思う)が、あの時代へと連れ戻してくれるのだ。
昭和の最後の1日を描いた『前編』は特に…。ヒットを祈りたい。

(5月6日のTweetより)」

----ニャるほど。
いかにも、えいの好きそうな映画。
しかし、映画と違って、
ほんとまとまらないお喋りだニャ。

『ちはやふる』くらい人気が出てほしいのニャ」身を乗り出す

※世界よ、これが日本映画が誇る監督・俳優だ度

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