ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』

2014-04-23 23:54:26 | 新作映画

----またまた間があいたと思ったら、
再開の一発目がこれ?
「う~ん。
喋りやすいということかな。
こういうテレビドラマが元になっている映画は、
基本設定や人間関係は
すでに観客の頭の中に入っていることが前提。
その分、本作における物語の主軸を語るだけですんじゃう」

----確かに、それはあるニャあ。
でも、テレビを観ていない人は
おいてきぼりになっちゃう。
「それはそうなんだけど、
もともと、そういう人たちは
『さあ、休みだから映画でも…』となったとしても
この作品は選ばないと思うよ」

----じゃあ、なぜこの映画を取り上げたの?
「それはね、
これが、観方を変えれば
なかなか興味深い作品だったから」

----スケールが大きいということ?
「いやいや。
それは
この手のテレビドラマの映画化では
よく行なわれていること。
カ―アクションが派手になるとか、
ロケ地が海外に飛び出すとか…。
この『相棒 -劇場版III-』 においては、
交通のアクセスが悪い離れ小島が舞台。
しかもそれは私有地というのがミソ」

----タイトルもそれを売りにしてるよね。
『巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』
でも何が起こるの?
「じゃあ、簡単にストーリーを。
東京から約300キロ離れた島・鳳凰島。
そこでは元自衛隊員たちが訓練のために共同生活を送っていた。
ところがある日その島で
馬に蹴られた男性が死亡する事故が発生。
もとより妙な噂が絶えないその島の実態を調査させるべく、
警察庁次長・甲斐峯秋(石坂浩二)は、
元警視庁匿名係、
現警察庁長官官房付・神戸尊(及川光博)を通して、
特命係・杉下右京(水谷豊)、甲斐亨(成宮寛貴)のふたりを現地へ向わせるよう仕向けるが…」

----へぇ~っ。
その元自衛官たちは
どうしてそんな訓練をやっているの?
「日本が危機的な状況に陥ったとき、
民兵として役立とう、
彼らはそういう使命感で結ばれているワケだ。
ところでフォーンは“予備自衛官”って知っているかな?」

----知るわけニャいじゃん。(笑)
「ゴメンゴメン。
彼ら予備自衛官は非常勤の特別職国家公務員。
ふだんはそれぞれの職業に従事しながら、
一方では訓練に応じ、
有事の際に自衛官として活動する。
今回、島で死んだ男もその予備自衛官の会社員。
これらのことでも分るように、
彼らの共通の目的は“国防”にある」

---それって、最近よく聞く言葉…。
「確かに。
ここ数年、近隣諸国との国境問題が火種となり、
いまや国と国が互いに罵り合うような事態にまでなっている。
この映画は、
そんないまの日本の空気から生まれたと言っても過言ではない。
日本は戦後、長らく平和憲法の下で暮らしてきた。
ところが一部にはその憲法を変えようという動きが出てきている。
彼ら言うところの“普通の国”として軍備も増強し、
有事に備えようというワケだ。
あまり喋ると、
ミステリーの要素もあるこの映画のネタバレになっちゃうから
少し抑えるけど、
この鳳凰島で訓練を行なっているのは、
『もう国任せではダメだ、
自分たちで“平和ボケ”している国民の目を覚まさせよう』という人たち。
しかし、そのことでも分るように
彼らは目的のためなら手段を選ばない」

---ニャるほど。
でも、それは国としても
どう扱っていいか微妙だね。
「うん。
自衛隊、警視庁、
それぞれの思惑が入り混じってくる。
しかも、彼ら民兵は戦いのプロ。
ぼくは、途中までこのドラマが
どういう結末を迎えるのか想像がつかなかった。
なかでも民兵組織のリーダー・神室司(伊原剛志)が、
この国を覆う“平和ボケ”を右京に問い詰めたときには、
いったい、彼がどう返すのか、もう心臓バクバク」

---どう答えたの?
「これは
その目で実際に確かめてもらった方がいいだろうね。
と言うのも、
このシーン、この一言があったから、
今回、この映画を取りあげたというのがぼくの真意。
いやあ、胸のつかえがとれたよ。
正直言って、東映からこのような名セリフが飛び出すとは…。
『男たちの大和 YAMATO』のときもそうだったけど、
東映の監督たちは与えられた題材の中で、
自分の言いたいことを堂々と主張する。
とりわけ今回の右京のセリフには拍手を送りたいくらい。
この映画は大ヒット間違いないだけに、
けっこう大きなインパクトを与えるんじゃないかな」




フォーンの一言「監督はベテラン和泉聖治だニャ」身を乗り出す

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『アメイジング・スパイダーマン2』

2014-04-15 14:32:56 | 新作映画
(原題:The Amazing Spider-Man 2)


----へぇ~っ。『アメイジング・スパイダーマン』
2作目ができたんだ。
確か前作は、あまり気にいっていなかったよね。
「うん。
監督が真瑛マーク・ウェブ
『(500)日のサマー』における新鮮な映像感覚で注目を集めただけに期待は高かった。
ところが、『アメイジング・スパイダーマン』には
『(500)日のサマー』に見受けられた才気がまったく感じられず、
ただ、ストーリーを追っただけ。
やはり、いきなりアメコミ超大作では荷が重いのかなと…」

----でも会社は、続く『2』にも同監督を起用したってことか…。
「そう。
ぼくも『えっ?』と思ったんだけど、
いやあ、見直したね。
サム・ライミ監督の前シリーズのような
アクの強さはないまでも、
かなり“映画”のオモシロさというものが出ている」

----“映画”のオモシロさ?
「うん。
映画は、やはり見せてなんぼの世界。
全編を通して同じことの繰り返しじゃ飽きがくる。
昨年公開された『マン・オブ・スティール』がその悪しき例。
スーパーマンゾッド将軍が力比べ。
あっちのビルを壊し、こっちのビルを壊し。
クライマックスがこれじゃ欠伸が出てしまう」

----この映画は、
そんなことがないってことかニャ。
「そういうこと。
今回は、敵が3人登場。
サイ型パワードスーツを装着したライノ(ポール・ジアマッティ)
人間発電機エレクトロ(ジェイミー・フォックス)
そしてスパイダーマンことピーター(アンドリュー・ガーフィールド)の旧友
ハリー・オズボーン(デイン・デハーン)が怪人に姿を変えたグリーン・ゴブリン
そのうちふたりの敵までが
スパイダーマン自身が悪を生みだした一因となっている」

----ニャるほど。
戦う理由が
単に街の平和のためだけじゃなくなっているんだ。
それはドラマ的にも惹かれるよね。
「うん。
で、その中でもっとも戦いに時間を割いて描かれるのがエレクトロ。
彼の戦いは、街中から電気を奪い取り、それを放電する。
まずこの攻撃によって
ビジュアルとしてのオモシロさが生まれる。
そう、灯りのない大都会ニューヨークが出現するんだ。
次に、ここが一番重要なんだけど、
その伝記を操る敵に対してどう戦うか?
力、腕力は役に立たない。
ここで思い出してほしいのが『ウルトラQ』

----えっ?
「ほら、前からぼくが言っているけど、
同じように怪獣が出現しても
『ウルトラマン』では毎回決まった技で3分以内に相手をやっつけるのに対して、
『ウルトラQ』は人間の頭脳=科学力、知恵で戦う。
スパイダーマンの戦いはこれと同じなんだ。
力が強いヒーローが腕力でやっつけるのとは意味が違う。
しかもその戦いにピーターの恋人グウェン(エマ・ストーン)も関わってくる。
そしてその延長線上でグリーン・ゴブリンが出現。
この映画最大のドラマへと繋がっていく」

----ニャるほど息継ぐひまもないってワケだニャ?
「そういうこと。
詳しい物語の説明、
それぞれの戦いの見どころなどは他に任せて、
今回はぼくがなぜこの映画を気にいったか…。
とにかく、そこを喋りたかったってワケ。
あっ、スパイダーマンの両親に何が起こったか、
そしてその事件とハリー・オズボーンとの関係も描かれている。
うん。いま思い出しても、これはよくできた映画だったね」




フォーンの一言「ロマンチックなシーンもあるらしいのニャ」身を乗り出す

※高いところから夜景を眺めるピーターとグウェン。スーパーマンのお株を奪った度
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『とらわれて夏』

2014-04-08 15:06:04 | 新作映画
(原題:LABOR DAY)


----『とらわれて夏』
ちょっとカッコいいタイトルだよね。
文学的と言うか…。
「うん。
原題は『LABOR DAY』(労働者の日)。
この内容で、そんなタイトルつけたら、
配給会社が狙っているターゲットは
そっぽを向いてしまう」

----どんなお話ニャの?
「舞台はアメリカ東部の閑静な町。
心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と
その息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、買い物の途中、
逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。
自分は絶対に危害を加えないという彼の言葉を信じ、
アデルはフランクを家にかくまうことにする。
やがて家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えたりする彼に、
アデルは次第に安らぎを覚えていく。
しかし、事態はそのままで終るはずもなく…」

----ニャんだか、
典型的なメロドラマだニャあ。
「うん、
どこかで聞いたことがないでもないような少し懐かしい感じのお話。
その“懐かしさ”をさらに際立たせているのは、
この物語が
大人になったヘンリーの回想という形式を取っているから。
だからこそ、日本の配給会社もタイトルに“夏”を入れたんだろうな」

----ふうん。そういうものニャの?
「そうだよ。
『おもいでの夏』『君といた夏』なんかが、その好例。
ただ、この二本は年上の女性との思い出だけどね。
この『とらわれて夏』は、
その大人になったヘンリーをトビ―・マグワイアが演じている。
その贅沢なキャスティングに、ぼくは
『スタンド・バイ・ミー』でのリチャード・ドレイファスを思い出したね」

----へぇ~っ。
トビ―・マグワイアも出ているんだ。
「うん。
この映画はキャスティングが実に上手い。
ヒロインにケイト・ウィンスレットを持ってきたのも効果的。
『リトル・チルドレン』『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』
そして『愛を読むひと』…。
彼女は、なぜか幸薄い役が多い。
この映画もその延長線上。
意外性には欠けるものの、
その分、観ている人を納得させる力がある」

----そういえばウィンスレレットが『タイタニック』の次に出演した『グッバイ・モロッコ』
あの映画でも彼女はシングルマザーの役だったものね。
監督は誰ニャの?
ジェイソン・ライトマン
『ゴーストバスターズ』などのヒットで知られるアイヴァン・ライトマンを父に持ちながら
彼の作風はどちらかというとインディーズより。
多くの観客に見せることより、自分独自の世界を切り開いていた。
『サンキュー・スモーキング』』、『JUNO/ジュノ』、そして『マイレージ、マイライフ』とかね。
その方向性が少し変わってきたなと思ったのが『ヤング≒アダルト』
それまで、被写体と適度な距離感を保ち、
批評眼的な目線で描いていた彼が、
ここではグッと、シャーリーズ・セロンにフォーカスする」

---- ニャるほど。
「今回も同じく、
人にフォーカスしながら、
同時に彼らを包み込む空気、光をも繊細に捉え、
物語の重要な背景として描き込む。
ぼくはこういう情感豊かな映画は決して嫌いじゃない。
クールよりハートフル。
これからのライトマンの活躍に期待したいね」



フォーンの一言「ケイト・ウィンスレット。カントリー的な役が似合うニャ」身を乗り出す

ジョシュ・ブローリンも渋い度
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『ダーク・ブラッド』

2014-04-03 22:39:35 | 新作映画
(原題:Dark Blood)


----『ダーク・ブラッド』って、
リヴァ―・フェニックスの遺作とされている映画だよね。
撮影中に、急死したんでしょ。
いまごろ公開するニャんて、だれか代役でも使ったの?
「いや。
それが、ありそうでなかった、
思いもかけぬ手法。
無事撮影が済んでいるシーンを編集で繋ぎ、
欠けているシーンの方は静止画などに。
そこに監督のナレーションがかぶさっていくんだ」

----えっ、どういうこと?
「脚本のト書きに近いかな。
撮影されるはずだったシーンの情景、
さらには登場人物の表情、心理までもが語られる」

----それ、ルール違反じゃニャいの?
まるでラジオドラマみたい。
「あっ、そうそう。ラジオドラマ。
それに近いかな。
ただ、その手法を取った気持ち、
分らないでもないんだ。
これはリヴァ―・フェニックスあっての映画。
その“空白”を埋める俳優なんているはずはない。
『ブルース・リー/死亡遊戯』がそうだったように、
代役を使った映画は、そこだけが浮き上がって
かえって違和感を強めてしまう」

----スターにはオーラがあるけど、
ソックリさんにはそれがないということ?
「上手いこと言うね。
この映画の監督ジョルジュ・シュルイツァーは、
そのことを熟知している。
だから、この映画(?)は、
“本来、リヴァ―・フェニックス主演によって撮られるはずだった映画を、
もっとも完成形に近い形で残す”、
そのことが目的だったのだと思う。
他の人が入り込むことによって汚されたくない…という」

----でも、それじゃあ個人映画。
公開する意味はニャいのでは?
「そこが悩ましいところだね。
でも、作り手としては、
やはり観てほしいものだから…」

----で、その観てほしい話って
どんな内容ニャの?
「舞台は、かつてネイティブ・アメリカンが住んでいたアメリカ南西部の砂漠地帯。
そこに倦怠期を迎えているふたりの夫婦
ハリー(ジョナサン・プライス)とバフィー(ジュディ・デイヴィス)、
が、
二度目のハネムーンのつもりでドライブにやってくる。
ところが運転していた車が故障。
朝まで車内で待つと言うハリーに苛立ったバフィーは、
遠くにかすかに見える灯りを頼りに、ひとり砂漠を歩き続け、
そこでホピ・インディアンの血が流れる青年ボーイ(リヴァ―・フェニックス)に会う。
さて、もう後は想像がつくよね」

----mmmm。これは危険なカンケイだニャ。
「そう。
よくあるパターンのね。
ただ、ここに<核>の問題が絡んでくるところが珍しい。
この土地では、核実験が繰り返され、
ボーイはネイティブ・アメリカンの妻を放射性ガンで亡くしている。
そんなことから彼は地下にシェルターを作り、
世界の終末に備えている」

----おやおや。思わぬ展開。
「でしょ。ボーイはちょっとサイコに見えなくもない。
そのシェルターには無数のロウソクがあるし…。
バフィーへの言い寄り方も常軌を逸しているしね。
ただ、内容についてはここまでにしておこう。
もし、<完成形=欠けている部分>のリヴァ―・フェニックスの演技を観たら
いま話したことだって、どう変わっていくか分からない。
だから、これはやはりメモリアルとしてのもの。
一般の映画と同列に論じるのは、ちと違う気がするね」




フォーンの一言「リヴァ―・フェニックスのそり込み、ちょっと変だニャ」身を乗り出す

※変と言えば、ロウソク。
だれがいつ、あんなにもたくさんのロウソクに火を灯したのか気になる度
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