ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『きみにしか聞こえない』

2007-02-28 23:45:36 | 新作映画
----これって乙一の原作だよね。
これまでがこれまでだけに、
ちょっと心配だニャあ。
「そうだよね。
乙一が映画化されるたびに、
ぼくがクドいほど言っている叙述トリック。
これって映像でやるのは至難の業。
しかも今回は頭の中の携帯だからね。
実際に口に出しては喋らない上に、
心の中の言葉を一人演技で表現しなくてはならない」

----今回のヒロインを演じているのは
『あしたの私のつくり方』の成海璃子だっけ。
「うん。これが意外に
乙一のヒロインとしてハマっていた。
『暗いところで待ち合わせ』の田中麗奈のように、
まだ役者としてのイメージが固まっていないところもよかったのかも」

----確か、これって
携帯を持っていない内気な女高生リョウが拾った
オモチャの携帯にシンヤという男性から着信があり、
それがきっかけで、
ふたりは空想の電話で繋がる。
だが、ついにふたりが会うことになったとき、
思わぬ出来事が起こる…というお話だよね。
あれっ、少し韓流入ってる?
「(笑)。それはどうかな」
----そしてそこに
第3の女性・原田からの携帯も入り、
衝撃の結末に向けて、
話は急激に加速してゆく----。こうだよね。
乙一の<せつない系>を読むと、
えいはいつもボロボロになってたけど、
どう?この映画も泣けた??
「いや。やはり原作ほどではないね。
彼の小説は文字と言う特性を生かして、
それこそ緻密に一つの世界が形作られている。
ただ、これまでの乙一の映画化中では
もっとも成功していたんじゃないかな?」

----それはどういうところで感じたの?
「やはり決め手は、
羊の原毛やタンポポの綿毛のように柔らかな、その空気感だろうね。
構図や色遣いに対する細かい配慮、
さらには風と光にまで神経を尖らせて計算している。
最初に、『おや、これは……』と思ったのは、
リョウが気分が悪くなって横たわる保健室の映像。
保健室って、授業中に自分だけそこにいるという
軽い罪悪感と甘い秘密めいたなものがあって、
外の光が眩く感じるよね。
この映画では
保健室の窓から差し込む眩い日の光が
意図的に強調されている」

----う~ん。分かるような気もするけど、
保健室の窓の外の光が眩く感じるのは、
自分の体調がすぐれないから。
それで外の光が、より健康に見えるんじゃニャいのかな?
「うん。それはそれで正しいと思う。
結局、あの保健室というのは、
それぞれの思いが投影される
象徴的な場所だと思うんだ。
この映画は、その保健室に代表されるように、
それぞれのショットが
<ここしかない>という唯一無二のロケーションで
フィルムに収められている。
そのことがまず感動的だったね。
そうそう乙一自身も『こんなに美しい映画は見たことがない』と大絶賛。
しかも『きっと原作ファンすべてが納得するだろう完成度である』
とまで言い切っている」

----普通、
「原作は原作。映画は映画ですから……」と、
遠回しに異を唱えることが多いのに、
それは珍しいね。
フォーンも観てみたくなったニャ。

        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そう言われると観たくなるニャあ」身を乗り出す



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『星影のワルツ』

2007-02-27 23:45:58 | 新作映画
----『星影のワルツ』って千昌夫と関係あるの?
「ティーザーのキー・ビジュアルが浜辺を歩く老人の後ろ姿。
しかもモノクロ。
ぼくなんかてっきりドキュメンタリーかと…。
そういう意見が多かったのかどうか、
本ちゃんでは孫と一緒のツー・ショットに変わっている。
もっともモノクロであることには変わりないけど……」

----いや、だから千昌夫と関係あるのって聞いてるの。
「あっ、ごめんごめん。
まあ、あの歌と関係がないわけでもない。
この映画は一言で言えば、
写真家・若木信吾による祖父の琢次さんへの追憶の譜。
彼は故・琢次さんを被写体に
99年に写真集『Takuji』を発表している。
それは20年に渡る心の交流の記録----ということらしい」

----ニャるほど。
それでキービジュアルも
プライベート色が強いものになっていたわけニャんだね。
「うん。
でも、その琢次さんを上方漫才の巨匠・喜味こいしが
演じているわけだから、
それは普通に収まるわけがない」

----どういうこと?
「これぞ名人芸。いわゆる<喜味こいし巧の技>がそこにはあるんだね。
監督の記憶の中の琢次さんになり切ろうとしているのか、
それとも自分ならではの解釈による琢次さんを演じようとしているのか、
ぼくにはとうとう最後まで掴めなかった。
でも、そこから浮かび上がるのは
晩年を迎えた、あるひとりの<男>の姿。
ある時は気が短く、ある時は底抜けに明るく、
またある時は若者を圧倒する言動を示す。
年輪を経た人ならではの滋味があると言えば言えるけど、
ただのやんちゃな老人にも見える。
それは琢次さんという個人の特性に帰するものなのか、
それとも老いの中で人間がたどる絶対普遍的なものなのか?
これは実に興味深い。
ひとりの人間に固執してシャッターを切り続ける若木信吾の
創作の秘密の一端に触れた気がしたね」

----ふうん?で、千昌夫は?
「mmmmm……」

  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ぼくも撮ってほしいニャあ」悲しい

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『輝ける女たち』

2007-02-24 19:40:58 | 新作映画
(原題:Le Heros de la Female)

----カトリーヌ・ドヌーヴにエマニュエル・べアール、
それにミュウミュウ。
ニャンとも豪華な顔合わせだね。
「うん。
舞台がキャバレー“青いオウム”。
華麗なレビューダンスもあれば
クイーンやサラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドなど、
60~80年代をにぎわせた名曲も満載。
この映画、
フランス映画祭のオープニング作品に選ばれているんだけど、
まさにピッタリだね」

----レビューを描いた映画と言えば
最近では『ヘンダーソン夫人の贈り物』もあったよね?
「そうだね。
舞台が存続の危機に見舞われた『ヘンダーソン夫人の贈り物』と同様、
ここでも“青いオウム”のオーナー、
ガブリエル(クロード・ブラッスール)の急死を受け、
店の明日は不透明になる。
『輝ける女たち』と言う邦題ながら、
主人公はかつて一世を風靡した
マジシャンのニッキー(ジェラール・ランヴァン)。
15の時にアルジェリアから亡命してきた彼は、
それ以来、“青いオウム”で育てられてきた。
つまりニッキーに取って、
ガブリエルは父親代わり、兄代わりなわけだ。
ニッキーは離婚した妻アリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)との間に
息子ニノ(ミヒャエル・コーエン)、
一夜の情事を交わした幼なじみシモーヌ(ミュウミュウ)との間に、
娘マリアンヌ(ジェラルディン・ペラス)をもうけている」

----恋多き男ニャんだ。
じゃあ、この“青いオウム”の行く末も心配だね。
「フォーンもそう思う?
しかもニッキーは“青いオウム”で人気の歌姫
レア・オコナー(エマニュエル・べアール)を落とそうと
その機会を虎視眈々と狙っている。
そんな彼だからか、
ガブリエルはその遺言で
なんとニッキーには店を遺さず
ニノとシモーヌにその権利を与えてしまう。
さあ、食い扶持を失ったニッキーは……?という話だね」

----ニャるほど。
フランスらしいと言えば言えそうな……。
「物語の核には恋があるからね。
この映画のオモシロいところは
それぞれ自分の知らない秘密があって、
物語が進むにつれて
それが明らかとなってくるところ。
しかもその秘密を隠し持っているのは…」

----分かった。女性の方でしょ?
「そういうこと。
概して男の方が情けない。
そう言う意味ではトリュフォーを思い起こさせたね。
もちろん、あそこまでゾクゾクする感じはないけど…。
語り口としては全体に<音楽映画>のノリ。
一度はどこかで聞いたことのある名曲が惜しげもなく使われ、
各シークエンスを繋いでいく。
なかでもジェラルディン・ペラスによる
ベット・ミドラー『ローズ』のカヴァーはこの映画のハイライト。
ベタな手法なんだけど、
それでも目はスクリーンに釘付けになってしまう」

----へぇ~っ?歌うのはエマニュエル・べアールだけかと思ってた。
「いや。他にもカトリーヌ・ドヌーヴも歌うよ。
あと、これは『華麗なる恋の舞台で』でも使われた手法だけど、
亡きガブリエルがニッキーの前に姿を現し、
彼とだけ話をする。
もっともこの映画では
ニッキーという乳離れならぬ
父離れできていない男の姿を浮き彫りにするための手法だけどもね」


  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ステージ眩いニャあ」もう寝る

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『アンフェア the movie』

2007-02-23 14:48:59 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
『アンフェア』ファンで鑑賞ご予定の方は、
その後で読んでいただたくことをおススメします。


----この映画って、もともとはテレビの人気シリーズニャんだよね。
「そういうことのようだね。
いったん終了したものの、
ファンの熱い声に押されてスペシャル版として復活。
それを受ける形として作られたのがこの劇場版らしい」

---じゃあ、喋るのヤバいんじゃニャイの?
そのパターンって
『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』を思わせるけど、
あの映画ってテレビを観ていないと
十分に楽しめないところがあったよね。
えいはテレビ版は観ていないんだし…。
「う~ん。どうなんだろう?
そのテレビを観ていない立場から言うと、
この映画はそれでもひとつの作品として成り立っていると思う。
ただ、後で調べてみて分かったのは、
主人公・雪平(篠原涼子)の反応の一つひとつが
テレビを観ている人ならばピンとくる設定になっているということ」

----う~ん。遠回しだニャあ。
もっとはっきり言ってよ。
「じゃあ、簡単にストーリーを説明しよう。
雪平の自家用車が突然爆発。
彼女の身代わりとして家政婦が死亡。
さらには娘の美央も重傷を負い入院してしまう。
ところが日本を揺るがす事件は
雪平がその病院を後にしたわずかな時間の間に起こった。
不審な一団が病院に侵入。
散弾銃を発砲して病院を占拠してしまう。
彼らは『警察庁が機密費を不正流用してプールした
裏金80億円を2時間以内に用意せよ!』と要求。
入江次長(大杉漣)はSAT(テロ対策特殊部隊)の突入を指示。
もしSATが突入すれば、娘を危険にさらすことになる。
しかし雪平の要求は一蹴される。
かくして雪平の命を賭した戦いが始まる-----という話だ。
果たしてどこまで話していいのか迷うとこだけど、
今回の事件の構図は
アメリカ映画の『ザ・ロック』と似ている」

----警察内部の腐敗に対する内部からの反乱と言うこと?
「うん。ところが捜査本部の情報が立てこもり犯に筒抜けに。
そこで雪平は、内通者がいるのでは?と
疑い始めるんだ」

----ニャるほど。そのあたりが
テレビシリーズを観ている人なら
もっと楽しめるのでは?ということなんだね。
「そういうこと。
この映画の最大の見どころは<ネズミを探せ>」

----まるで『ディパーテッド』だ(笑)。
「他にもなぜ『キラキラ星』が?…と思ったら、
雪平は捜査前には
殺人現場に遺された死体と同じ姿勢になって、
『キラキラ星』を歌うことで、
被害者が最期に見た風景を確かめる儀式を行うということも、
後で分かった」

----おそらく、えいの気づいていないことがもっと
いろいろありそうだね。
ん?どうしたの?
「あっ、そういうことか!?」
----??????
「いや。始まる前に宣伝部の人が
エンドクレジットの後に
重要なシーンがありますので、
最後までご覧になってくださいと、
あえて念押し。
そうか、この映画はこれで終わりじゃないな。
ヒットするかしないかもあるけど、
続編ができるね。
映画とは限らないかもしれないけど…。
いやあ憎いエンディングだ」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「テレビ版も観なくちゃだニャあ」小首ニャ

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『ポイント45 ーフォーティファイブー』

2007-02-22 11:20:15 | 新作映画
(原題:Point45)

----ミラ・ジョヴォヴィッチ、こんな映画に出ていたんだ。
まったく知らなかったニャあ。
網タイツとか履いて、銃を持って……。
またまたヒロインアクションもの?
「ぼくもそうかなと…。
SF去年のいま頃の記憶が甦り、
いや~な予感が…。
ところが彼女のアクション・シーンはほとんどなし。
ちょっとジャンルが説明しにくい映画だったね。
いわゆるクライムものなんだけど、サスペンスもあまりないし…。
あっ、でもけっこうバイオレンスはあるかな」

----それってどういうこと?
「簡単に言えばこの映画が扱うのはDV、ドメスティック・バイオレンス。
舞台はニューヨーク、ヘルズキッチン。
その街で生まれ育った女キャット(ミラ・ジョヴォヴィッチ)と
その愛人、アル(アンガス・マクファーデン)は
45口径の拳銃とさまざまな盗品を売りさばく故買屋。
ある日、キャットは新たな顧客を掴もうと、
アルに内緒で取引を行なうが、
それが彼の逆鱗に触れてしまう。
しかも嫉妬深いアルはキャットが浮気していると決めつけ、
彼女の髪を切り、さんざんにいたぶる。
アルの親友でキャットに心を寄せるライリー(スティーブン・ドーフ)、
キャットを密かに愛しているレズのヴィック(サラ・ストレンジ)、
そしてソーシャルワーカーのリズ(アイーシャ・タイラー)らは、
なんとかキャットを救い出そうとするが…」

----キャット?なんかいやだニャあ。
猫をいじめちゃいけないよね。
「(笑)。いやスペルが違うんだ。
このキャットはKat。
この物語からも分かるように、
映画の見どころは
一にも二にも
惜しげもなく脱いでくれるミラ・ジョヴォヴィッチ。
その美貌と肉体を武器に、周囲を次々と虜にしてゆき、
激しいラブ・シーンを見せてくれる。
ただ、ちょっと言葉づかいが卑猥すぎるのが難だけどね。
そうそう、映画はキャットを始め、
登場人物やその関係者の独白が
随所に織り込まれている。
バイオレンス・シーンは目を背けたくなるけど、
一気に観られるタイプの映画だったよ」


  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ミラは苦手だニャあ」ご不満

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『あしたの私のつくり方』

2007-02-19 23:04:42 | 新作映画
----これって市川準監督の映画だよね。
彼の映画って、どことニャくオトナっぽいよね。
「うん。
彼はデビュー作『BU・SU』のときから
すでに才能の片鱗を伺わせていた。
80年代に雨後のタケノコのように出てきた
異業種監督たちの中でも
一頭抜きん出ていたね」

----どういうところが違ったの?
「CF出身の監督によくありがちな気負いがないんだね。
映像的な遊びに走ることもなく、
じっくりとヒロインの内面と向かい合う。
その姿勢は一昨年の『トニー滝谷』でも不変。
商業性からはほど遠いところにいる。
今回もその辺りを覚悟して行ったんだけど、
これが意外に親しみやすい作り」

----確か、これってイジメをモチーフにしてるんだよね。
前に『問題のない私たち』という映画もなかった?
「うん。あの映画も好きだけどね。
ただ、この映画の目新しいところは、
ヒロイン・寿梨(成美璃子)自身はイジメにはあっていないこと。
彼女は学校では目立たず、家でも良い娘の役割を演じている。
一方、寿梨の小学生時代の同級生・日南子(前田敦子)は
優等生からクラスで無視される存在に転落。
やがて高校生になった寿梨は
日南子が転校したことを知り、
偶然を装いながら日南子に携帯メールで
架空の物語を送り始める。
もちろん自分の正体を隠してね」

----架空の物語ってどういうこと??
「それは『みんなに愛されるための物語』。
この映画の切ない痛みは、ここにある。
いまの子供たちは、ただ漫然とは生きていない。
自分がみんなに無視されないため、
もうひとりの自分を演出しなくてはならないわけだ。
この映画で寿梨は
『奇数人のグループを見つけて合流すること』だとか
『テストは平均の3点上を目指す』と言ったことを
日南子に教える」

----つまり愛されるための“努力”が必要ということだね?
「そういうこと。
さて主人公たちはやがて
どれが本当の自分か悩み始める。
日南子はもちろんのこと、
“愛されるための方策”を彼女に伝授している寿梨だって、
結局はそういう自分を演じているわけだけだからね」

----でも、こういう言葉ってない?
「演じている自分もまたほんとうの自分だ」って…。
「鋭いね。
市川監督はそんな彼女らに
『世界はもっと広い。強く生きて欲しい』というメッセージを投げかける。
おそらく、近年の市川監督の映画でも
もっともメッセージ色が強い一本じゃないかな」

----でもそのメッセージが
同世代の人たちに伝わらなくては意味がないよね。
「うん。
いいところを突いてきたね。
今回の市川監督の映画は
これまでになく平明でさわやか、
とても分かりやすい作りとなっている。
分割画面によるふたりの対比、
そしてその間を行き交うメール。
こんなにもしなやかで、
それでいてビビッドな市川監督の映画は初めて観た」

----女の子の友情とメールと言えば
『子猫をお願い』を思い起こすけど…?
「あっ、少し似ているかも。
この映画では、
そのメール文字がときにざわつき、ときに揺らめく。
文字に彼女らの感情が乗り移っているんだね。
日本映画でパソコン文字を最初に見せたのは
森田芳光監督の『(ハル)』(だと思う)。
そこでは<新しい意思の伝達方法>=パソコン文字を
まるでサイレント映画の字幕のように写し出し、
観客に一種の緊張感を与えていた。
それから何十年も経ったというわけでもないのに、
時代はすっかり変わったね」

----ニャんだか、話がそれていない?
イジメの映画の話をしているのに少し不謹慎。
ん?この話。ぼくから言い出したんだっけ?

  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンはメールがなくても感情を伝えられるニャ」うららかフォーン

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『ドリームガールズ』

2007-02-18 12:07:52 | 映画
(原題:DREAMGIRLS)

----この映画、前評判がとても高かったのに
アカデミー作品賞から漏れてしまったね。
「うん。そのせいかフォーンと一緒に行ったシネコンでも
あまり人が入っていなかったね。
とてもよくできた映画だったのに惜しいよね」

---えいなんか、何度も泣いていたものね。
やはりポイントはジェニファー・ハドソンかな。
「うん。これを観ちゃうと
アカデミー助演女優賞は彼女で決まりかなと…。
菊地凛子は少し厳しいかもね」

----ジェニファーはよく喋るし、
その心のうちを思いっきり歌い上げちゃう。
一方の菊地凛子は聾という設定。
言葉よりもその表情・身振りで感情を見せるよね。
正反対の演技アプローチだ。
「役柄上、仕方ないけどね。
一般的には菊地凛子の方が映画的なんだろうけど、
それでもこのジェニファー・ハドソンの圧倒的な存在感の前にはなあ…。
正直言って、ぼくは最近のミュージカルには
あまり心動かされなかったんだけど、この映画は別。
まさか歌だけでここまで泣かされるとは思わなかったね」

----それってどうしてニャんだろう?
「物語自体は
もうだれもが知っているよね。
これはショウビズ界のサクセスストーリーとバックステージを
重ねながら描いたもの。
舞台は1962年のデトロイト。
エフィー、ディーナ、ローレルの3人が
ドリーメッツと言うヴォーカル・トリオで
オーディションに参加するところから映画は始まる。
3人に目を付けたカーティス・テイラーJr.(ジェイミー・フォックス)は、
ジェームス・“サンダー”・アーリー(エディ・マーフィ)の
バックコーラスとして彼女らを参加させる。
さらに大きなサクセスを狙うカーティスは
リード・ヴォーカルをエフィー(ジェニファー・ハドソン)から
ディーナ(ビヨンセ)に変えて“ザ・ドリームズ”として売り出そうとする。
もとより実力があるエフィーにとってはそれがオモシロいはずもなく、
協調性を乱す行動をとり始め、リハーサルをも放棄。
ついにはグループを追われてしまう」

---確か、これって
ダイアナ・ロスとシュープリームスがモデルになっていると言われているよね。
つまりビヨンセがダイアナ・ロスってことかニャあ。
「そのあたりについては諸説あるようだね。
ぼくは、この映画を観るまでジェニファー・ハドソンを知らず、
最初出てきても、彼女がどの人か分からなかった。
ところが、エフィーがリードを奪われるところで
もう、これしかない!って感じ。
この映画が、他のミュージカルと違っているのは
監督の次の言葉に集約される。
『大切なことのひとつは、
歌の間もストーリーは止めないということじゃないかな。
(中略)そのためには、歌の最初と最後で
何かが変わっていなければいけない」

----それって、えいがよく言う
「アクションの中にもドラマが必要」に通じるよね。
「そう。ただ撃ち合っているだけ、
あるいはカーチェイスしているだけじゃ、
銃や車に興味がない人にはただ退屈なだけ。
このジェニファー・ハドソンの歌うシークエンスでは
「会話から歌に」というミュージカルの王道を歩みつつも、
ドラマが劇的に動いていく。
だからこそ
その歌だけで観る者の涙を誘うわけだ」

----他の俳優たちもよかったよね。
ジェイミー・フォックスなんか最初は目立たなかったのに、
いつの間にか悪役として物語の中心にいる。
エディ・マーフィのシリアス演技も久しぶりだったけど…。
「映画でよく見せるあの人なつこい笑い顔と素に戻った顔。
そのあまりの差にゾッとしちゃった。
そう言えばジョン・リスゴウも出ていたでしょ。
久しぶりに観たと思ったら太っていたね」

----えっ、どこにいたっけ?
「ほら。プールサイド・ミーティング。
ハリウッドのプロデューサーかなにかの役で…」

----ああ、そう言えば……。
でもジミーは、なぜあそこまで『クレオパトラ』にこだわったんだろう?
「『クレオパトラ』というのは
その製作過程を描いただけで一本の映画ができるほどに
さまざまなトラブルに見舞われた作品。
20世紀フォックスはそれによって大変な赤字を蒙ってしまう。
つまり、ジミーは映画に対してはアマチュアと言うことの象徴だろうね。
まあ、クレオパトラが絶世の美女ということもあるだろうけど…。
そう言えば、ビヨンセも後半ではエリザベス・テイラーに似ていなくもなかった」

----そうかニャあ。
そうは思わないニャあ。


 (byえいwithフォーン)

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『ツォツィ』

2007-02-16 21:48:53 | 新作映画
(原題:TSUOTSI)

---最近、アフリカを舞台にした映画が多いね。
確かこの映画、
2006年アカデミー賞外国語映画賞を受賞したんだよね。
「そう。それってアフリカ映画では初めてのことらしい」
---ところでタイトルの意味はニャンなの?
「主人公の少年の呼び名。
一般的には、南アフリカの黒人居住区に住む
黒人都市犯罪者、チンピラ、ギャングを意味するらしい。
この映画では、その少年ツォツィが
ブッチャーやボストンら仲間とともに
裕福な男から金を強奪するところから始まる。
しかもキレやすいブッチャーが
アイスピックで相手を刺殺してしまう。
たまり場に戻っても
殺人のショックが収まらず、
ツォツィにからむボストン。
ツォツィはボストンを血だらけになるまで殴りつけ、夜の街へ。
ふと気づくと、そこは豪邸の前。
彼は視界に入った女性に銃弾を浴びせ、
その車を奪い取ってしまう」

---!!!ニャンともヒドい男だね。
「でしょ。
しかもその中にはひとりの赤ん坊が…。
最初は置き去りにしようと思ったツォツィだが、
なぜか赤ん坊を抱き上げ
紙袋に入れて家に連れ帰る。
しかし赤ちゃんはいつまでも泣き止まない。
おむつを替え、コンデンスミルクを与えるツォツィの脳裏には
自らの悲惨な過去がフラッシュバック。
いつしか彼は、赤ちゃんを我が子のように扱い始める。
だが、一方では警察がツォツィを追っていた…という話だ」

---ニャるほどね。
感動のドラマって感じだけど、
アカデミー賞受賞の決め手はニャんなの?
「プレスには海外の絶賛レビューがたくさん載っていたけど、
『ザ・タイムズ』のウェンディ・アイドの評に尽きると思う」

---うわあ。それ聞きたいニャあ。
「『ギャヴィン・フッド監督の偉大な功績は、
90分前には非難の的だったこの若者に対し、
エンディングでは観客に涙を流させたことだ』」

---おぉぉぉ~っ!
「これぞ映画の持つ<神秘>の一つだろうね。
この短い時間の間に、
悪に染まりきっていた少年ツォツィの贖罪へと至る心の変容を描き、
観客にも彼に寄り添わせてしまう。
人は変われるものだと言う確信の元に、
寛容の精神を貫く監督ギャヴィン・フッド。
やはり映画はかくありたいね」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「人間は変われるんニャ」ぱっちり

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『ハンニバル・ライジング』

2007-02-14 01:11:36 | 新作映画
(原題:Hannibal Rising)


「う~ん。このシリーズは
監督にとってアプローチが難しい作品だなあ」

---えっ、どういうこと?
「シリーズ化されるきっかけとなった
『羊たちの沈黙』がホラーとして初のオスカーを獲得。
でも、物語自体はシリアルキラーものだよね。
本来ならばB級映画として扱われてきたはずの作品。
そのままやっちゃうとかなりヤバい。
なんと言っても“人喰いハンニバル”だからね」

---いわゆるキワモノってわけだね。
「うん。
だからその偉大なる一作目を意識してか
続編『ハンニバル』も『レッド・ドラゴン』も
ある種の格調を備えた作りとなっていた。
そこでこの『ハンニバル・ライジング」だ。
監督が『真珠の耳飾りの少女』で一躍名を馳せたピーター・ウィーバー。
アカデミー賞の各部門にノミネートされたこの映画で
フェルメール作品の色彩や構図を
そのまま映像に取り入れてみせた彼だけに、
この作品もかなり絵画的。
思い切ったロングショットの多用など、
いわゆる品のある作品に仕上がっている。
でも、この映画のキモは
いかにしてハンニバルがカニバルとなったか?だからなあ」

---つまり衝撃性に欠けるということ?
「そうだね。やはりファンとしては、
彼が“目覚める”瞬間を
いちばん待ち望んでいるわけじゃない。
でも、あまりにも押さえて描いているため、
<劇性>に欠けているんだね」

---で、そのきっかけというのは何よ?
「うん。話としてはかなりヤバ目。
舞台は第二次世界大戦末期のリトアニア。
少年ハンニバル・レクターと妹のミーシャは戦火で両親を失い、
小屋に隠れ住んでいた。
そんな2人のところへ脱走兵一味が闖入。
寒さと厳しい飢えの中、
彼らは肺炎にかかっているミーシャを殺して食べる。
やがて成長したレクターは
叔母に当たる日本人女性レディ・ムラサキに出会い、
そこで復讐の機会を伺う……というお話だ」

---えっ、日本人女性が出てくるの?
だれ、だれがやってるの?
「コン・リー。
『SAYURI』の影響は大きいね。
そろそろ彼女と並ぶ日本人女優が出てきて良さそうなものだけど…」

---レクター役は?
『ロング・エンゲージメント』のギャスパー・ウリエル。
青白い顔で、
アンソニー・ホプキンスというよりドラキュラ、
それもベラ・ルゴシを思い出させた。
そう言えば、螺旋階段をメイドが上がってくるところとか、
どことなくヒッチコック風のサスペンス。
やはり監督は、品のある作品に仕上げようとしていたんだろうな」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そうは言っても、フォーンは目を開けていられないニャ」もう寝る
※続編どんどんできそうだ度
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『主人公は僕だった』

2007-02-11 13:22:11 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:Stranger Than Fiction)

----このごろ、ちょっとひねったタイトルの映画が増えたね。
少し前までは原題の英語をそのまま読ませていたけど…。
でも、この場合はすぐに中身がコメディだって想像つくから
これはこれでいいのかな?
「ふ~ん。フォーンはこの映画をコメディと思っているんだ?」
----あれっ?そうじゃニャいの?
『もしも昨日が選べたら』みたいなファンタジー・コメディだと思ったけど?
「でも、あの映画はコメディの形を借りながらも
テーマはけっこうシリアスだったよね。
それに対してこちらは、その狙いが今ひとつはっきりしない。
まず簡単にストーリーを話そう。
毎日、規則正しい生活を送っている男ハロルド(ウィル・フェレル)の耳に、
ある日、突然自分を語るナレーションが聞こえてくる。
この声は誰?と気になって仕方がない彼は、
自分の人生が、ある悲劇作家が執筆中の小説だということを知る。
しかも結末は主人公の死!
かくしてハロルドはそのストーリーを書き直させようと
文学の専門家ジュールズ・ヒルバート(ダスティン・ホフマン)を味方に
真実を突き止めようとする!」

----ははぁ。『トゥルーマン・ショー』みたいなもんだ。
「いや。あれだと周り全部が自分の人生が作られたものを知っているわけだけど、
これは<本人>しかその事実を知らない。
当の作家さえ、まさかそんな事態が起こっているとは
【知るよしもなかった】」

----ん?なんで【知るよしもなかった】に【】(括弧)を付けるわけ?
「まあ、それは映画を観てよ。
重要なキーポイントの一つだから。
で、この文学の専門家ヒルバートは、
『悲劇は死で、喜劇は結婚で終わる』と、
喜劇の定番である『最初は敵対する相手と恋に落ちる』ことを勧める。
かくしてハロルドは
小さなケーキ屋を経営するアナ・パスカル(マギー・ギレンホール)に
アプローチを始める……」

----ん?ハロルドとアナの関係は?
「ハロルドは国税庁の会計検査官。
アナは堂々と脱税……と、こういう関係さ。
この映画は、ウィル・フェレルとマギー・ギレンホールという、
特別の美男美女というわけではないカップルの組み合わせが
映画に親近感を持たせてくれている。
2人が恋に落ちてベッドインとなる流れも好感が持てたね。
ただなあ……」

----どうしたの?
「いかんせんこの映画は真面目すぎる。
後半、映画は主人公ハロルドの運命が死へ向かうのか否かと言う
極めて重い内容に移行してゆく。
それこそ喜劇を目指しているのか、悲劇を目指しているのか
監督の立ち位置がはっきりしないため、
観ていて少しイライラしてしまった。
ぼくが思うに、
その理由として
ハロルドと作家(エマ・トンプソン)を
実際に会わせてしまったことにあると思う。
そのことで観る者にとっては
ファンタジーをファンタジーとして
素直に受け入れがたい状況ができてしまっている」

----う~ん。よく分からないニャあ。
「たとえば、運命論的なものを描いた映画があったとするよね。
予期せぬことばかりが身の回りに起こって、
“人生には自分の力が及ばないものがある”と、
主人公が思ったとしても、
そこで神様が現れて
『そうじゃよ。わしがやってんだから』と言ったとしたらシラケる。
コメディならいいけどね。
ところがこの映画は人の<死>という究極の問題を扱っている。
それだけにコメディとして割り切れず、
釈然としない感じが残ったというわけさ。
監督がマーク・フォスターと聞けば、
その生真面目ぶりは、なるほど納得だけどね……」


  (byえいwithフォーン)

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※なんと、彼の人生は世界中から観られています!


フォーンの一言「韓国映画だと、こういうの巧そうだニャ」なにこれ?

※主人公2人はよかった度
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『ゴーストライダー』

2007-02-09 19:51:05 | 新作映画
(原題:Ghost Rider)

----これってマーベル・コミックスでしょ?
ニコラス・ケイジって『スーパーマン』をやるって噂があったけど、
DCコミックスから乗り換えたんだ?
「うん。彼はハリウッドきってのコミック・コレクターで、
その中でも最も気に入っていたのが
この『ゴーストライダー』だったらしい。
しかも無類のバイク好き。
まさにピッタリだったってワケだ」

----だけど、あまりアメコミ・ヒーロー向きの顔じゃないと
フォーンは思うニャ。
「それは言わないって(笑)。
ゴーストライダーは地獄の炎に包まれたドクロのヒーロー。
だからあんまり<素顔>は関係ないんじゃないかな」

----お話は簡単なんでしょ?
「うん。
17歳のとき、病気の父を救うため
悪魔メフィストと取引をしたジョニー・ブレイズ。
いまや過激なバイクショーで人気を集める彼の前に、メフィストが再び出現。
魔界の反逆者ブラックハートを捕らえる使命を言い渡すというもの。
このブラックハートはメフィストの息子。
風、水、土といった元素に身を隠すヒドゥンを従えている。
紅蓮の炎を燃え上がらせたヘルバイクを駆り、
チェーンをうならせて彼らと戦うゴーストライダー。
そこにジョニーの初恋、さらには
かつてメフィストに刃向かい契約書を持ち去った
伝説のゴーストライダーの物語が絡み合う……と、こういう感じかな」

----ふうん。でもその伝説のゴーストライダーの頃は、
まだバイクなんてないよね。
「おっ、鋭いね。
そう、燃える(笑)馬を駆るガンマン。
この役をサム・エリオットが好演。
数多くのTVウエスタンに出ただけあって
雰囲気で魅せてくれる」

----そう言えばピーター・フォンダも出ているんだよね?
「バイクと言えば『イージー・ライダー』。
おそらくその線でのキャスティングだろうね。
ただ困ったことに、彼が悪役にはまったく見えない。
人がいいというのか線が細い。
物語としても
人間界を征服しようとする息子と戦うというものだから、
どうも悪魔の立ち位置がはっきりしないんだ」

----ニャるほど。キャプテン・アメリカに悪魔は向かない(笑)。
バイクもチョッパー型で、
どこか『イージー・ライダー』を思わせるね。
「実際、『イージー・ライダー』でフォンダが乗った
ハーレーがモデルになっているらしい。
無機質な機械でありながら骨格や背骨らしきものがあって、
動物のようにも見えるところがポイントかな」

----最大の見どころは、そのバイクってわけ?
「う~ん。
映画を観ている時、なぜか『デアデビル』が頭に浮かんだ。
で、後でプレスを観たら、なんと監督が同じ。
マーク・スティーヴン・ジョンソンなんだね。
『スパイダーマン』のサム・ライミほど個性のある監督じゃない。
それでも本人の談として
『「ウエスタン」や「荒野の用心棒」といったセルジオ・レオーネの映画から
いちばんいいところを借りてきて、
そこに昔のハマー映画のホラー作品の美学を組み合わせようと頑張ってみたんだ」
と、プレスに書いてある」

----「頑張ってみたんだ」というのが泣かせるニャあ。
「まあ、そう言わないでよ。
いいところもけっこうあって、
たとえばCGで出来たドクロなのに、
なぜかゴーストライダーの感情が伝わってくる。
これは観ている時は気づかなかったんだけど、
感情を炎の色調の微妙な変化によって表現していたらしい。
また、炎の熱で少し揺らいだり、
微妙な影ができることでも表情が変化。
あるいは声を出す時に息で炎が乱れることで
口が動いているように見えるというのも計算しているらしい」

----それもプレスだニャ(笑)。
「mmmmm……」

 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「そういうCGの使い方もあるんだニャ」ぱっちり

※ピーター・フォンダ、出ているだけで嬉しい度
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『こわれゆく世界の中で』

2007-02-08 11:10:07 | 新作映画
(原題:Breaking and Entering)

----アンソニー・ミンゲラ監督と言うと
確か『イングリッシュ・ペイシェント』の監督だよね。
『コールド マウンテン』もそうじゃなかった?
「うん。
『リプリー』もね。
この映画は、その『イングリッシュ・ペイシェント』のジュリエット・ビノシュと
『コールド マウンテン』『リプリー』のジュード・ロウが共演。
そこにロビン・ライト・ペンも加わって、
現代に生きる男女の、それぞれの愛の姿が描かれる」

----ニャんだか、
味も素っ気もないニャあ。
よくある話って感じ……。
「ただね。
この映画を観ると、
いまやだれも
自分の<性>としての<愛>のみに生きることができない。
みんなが<人生>の問題を抱えている……
そういうことを感じずにはいられなかったね。
その意味では、アンゲラ監督が設定を現代としたのもよく分かる。
男女の愛と言う普遍的なテーマを扱いつつも、
これはきわめて今日な映画だと思うよ」

----あっ、そうか。
ミンゲラ監督にしては久しぶりに現代の話ニャんだ。
「うん。主人公はロンドンのキング・クロス再開発地区で
そのプロジェクトを担う建築家ウィル(ジュード・ロウ)。
彼は美しい恋人リヴ(ロビン・ライト・ペン)と
彼女の娘で13歳のビーと一緒に暮らしている。
ビーは、心のバランスを崩して学校へは通わず、
夜も眠らずに執拗に体操の練習を繰り返している。
リヴは娘の病は、彼女の父親と別れてウィルと一緒に暮らす自分のせいだと
自責の念にとらわれていて、心のどこかでウィルを拒んでいた。
そんなある日、ウィルのオフィスで窃盗事件が起こる。
事件が度重なることから、オフィスを見張っていたウィルは、
犯人の少年を追いかけてその身辺を探る。
少年はボスニアから戦火を逃れてきた未亡人アミラ(ジュリエット・ビノシュ)の息子ミロ。
ウィルは、事情を隠してアミラに近づくが……」

----ニャるほど。
リヴは娘、アミラは息子。
それぞれに子供の問題を抱えているわけだ。
「そう言うこと。
愛情の示し方の違いはあるにせよ、
母親である彼女らは、
我が子に対する思いの深さでは一緒だ。
<女性>としての自分の愛にばかり
かまけるわけにはいかない。
そんな中でふたりの女性の間を行き来するウィルは、
いくら、閉塞的なリヴとの日々の中、
心が空虚とは言え、
チャイルディッシュに見えてくる。
やがて、彼はアミラに自分とミロの関係を知られてしまう。
そこで人生の厳しい局面に立たされるアミラ。
まあ、このあとは言わない方がいいだろうね」

----ということは、ドンデン返しとかあるの?
「(笑)いや。
さすがにそれはないけど、
息子ミロを愛するアミラの大胆な行動、
あるいはそのミロを助けるためにウィルが取った行動、
そしてウィルとアミラとの関係を知ったリヴの取った行動…と、
映画はスリリングに展開してゆく。
ちょっと、作られすぎてはいるけどね。
でも、これが原作ものではなく
ミンゲラ監督のオリジナル脚本と聞けば納得。
まるでヤマカシばりの危険なスタント、
ガブリエル・ヤレドとアンダーグラウンドのコラボなど、
見どころはいっぱい。
ただ、これまでのような叙事詩的世界ではないので
ミンゲラ節を期待している向きには少しガッカリかも」

----このキービジュアルを見たら、
だれもそうは思わないんじゃニャい?
「それはそうだ(笑)。
そうそう。ベッドシーンもちょっと驚き。
厳密に言うと、ベドシーン前だけどね」

----ニャにニャに?ドキドキ。
「言えるわけないじゃない(笑)」

  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「う~ん。大人だニャあ」悲しい

※こんなベッドシーン、ちょっとない度
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『リンガー! 替え玉★選手権』

2007-02-07 00:08:01 | 新作映画
(原題:THE RINGER)

「これは聞きしに勝る超ヤバ系の作品だったね。
きちんと話さないと誤解されかねない」

----なによ。そのヤバ系って?
「これまでのハリウッドの映画常識ではありえないタブーに挑戦しているんだね。
あるひとりの金に困った男スティーヴ・パーカー(ジョニー・ノックスヴィル)が、
スペシャル・オリンピックス(知的発達障害者オリンピック)に不正出場しようと企む。
それも五種競技で6度の金メダルに輝くチャンピオン、ジミーに勝てば、
ジミーが敗北する方に賭けている
彼の叔父ゲイリー(ブライアン・コックス)がもうかる……という、あきれた理由から。
かつて陸上で活躍した経験を持つスティーヴならば
チャンピオンに勝てるだろうという、その発想も傲慢ならば、
スペシャル・オリンピックスにまぎれこむため
知的発達障害者に成りすますというのも罰当たりだ」

----ちょっと待って。
その映画、本当にハリウッドのものなの?
確か、若者が知的障害者になりすます映画は
ラース・フォン・トリアーが『イディオッツ』で撮っていたよね。
「あ~あ。あれはフェイク・ドキュメンタリー。
たとえばプールで真っ裸になって、
そのときの周囲の反応をカメラに収めたり、
レストランの食い逃げから、果ては乱交まであった。
これはそういう眉をしかめるタイプの映画ではなく、
なんと子供も楽しめるコメディに仕立てている」

----本当?にわかには信じられニャいなあ。
クレームが出そうなものだけど…?
「クレームが出るどころか、
スペシャル・オリンピックスの会長そのものが
製作総指揮を担当しているんだから驚いちゃうよね。
でも映画を観たら分かるけど、
知的発達障害者のアスリートたちがなんとも楽しい。
生まれついてのコメディアンという感じなんだ。
映画は、彼らアスリートの前でスティーヴが素の喋り方に戻り、
<偽物>とみんなにバレてしまうところから大きく動き出す。
時間こそかかったものの、
スティーヴの目的を
おぼろげに理解した彼らは
さっそくスティーヴの特訓を開始。
高慢ちきなジミーを引きずり下ろそうというわけだ。
そこに、スペシャル・オリンピックスのボランティア、
リン・シェルダン(キャサリン・ハイグル)への恋が絡んで、
話に広がりが出てくる。
リンには婚約者がいるんだけど、
その男が一見、好青年。
でも一皮剥けば実は……という設定なんだ」

----ふうん。でもやはりぎりぎりのところを行ってそう。
「うん。
最初、主人公が知的障害者に成りすますために
『レインマン』『フォレスト・ガンプ/一期一会』などの
ビデオを研究しているときはどうなるかと思った(汗)。
でも意外に観終わった後はさわやか。
その描き方は潔く、清々しくさえある。
アスリートたちを演じるのは、
知的発達障害者もいれば、そうでない人も…。
製作のピーター・ファレリーは『カッッコーの巣の上で』を意識したようだ」

---えっ、ファレリー兄弟が関わっているの?
ニャるほど納得。
彼らならタブーに挑戦するのも分かる気がする。
「そう、彼らならではのアプローチ。
これも近々話そうと思っているんだけど、
たとえば
『ヘレンケラーを知っていますか』という盲聾者の日本映画がある。
これは身体的障害者の心の内と、
それを取り巻く社会を描いたもの。
その中で金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』が引用される。
『みんなちがって、みんないい。』------
『リンガー』はコメディではあるけれども、
この精神は、よく出ていたと思うよ」


  (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ハリウッドのモラル壊したニャ」身を乗り出す

※『ダーティ・ダンシング』も出てくる度
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『今宵、フィッツジェラルド劇場で』

2007-02-04 17:39:55 | 新作映画
(原題:A Prairie Home Companion)

----なんだか素敵なタイトルだね。
ロバート・アルトマンの作品とは思えないニャ。
「そうだね。
ぼくもこのタイトルは
配給会社ががんばったと思う。
内容としては
30年あまり生き延びてきたラジオの音楽バラエティショウ
『プレイリー・ホーム・コンパニオン』の
最後の公開生中継の舞台裏を描くというもの。
原題はその『プレイリー・ホーム・コンパニオン』だけど、
いくらこれが実在する同名の音楽番組がモチーフとは言え、
少し伝わりにくい。
で、その公開録音が行なわれている(設定の)
フィッツジェラルド劇場をタイトルに持ってきたというわけだね」

---それにしても豪華な顔ぶれだね。
アルトマン映画らしいや。
「そうだね。
なかでも注目なのは
あのメリル・ストリープがリリー・トムリンと
姉妹という設定でカントリー・デュオを組んでいること。
リリー・トムリンは、
これもアルトマンのC&Wをモチーフにした
アンサンブルムービー『ナッシュビル』で記憶に残る女優だね。
ここに娘役でリンジー・ローハンも加わり、
クライマックスでは一緒に歌ってくれるんだからたまらない」

---ウディ・ハレルソンとジョン・C・ライリーも
男性デュオを組んでいるんだよね?
「うん。
アルトマンは彼らに少しヤバメのトークをさせることよって
“最後の一夜”を描いたこの映画がウェットに流れすぎないよう配慮している。
でもいちばんこの映画で不思議な役どころは
ケヴィン・クラインとヴァージニア・マドセン。
ケヴィン・クラインは番組のボディガードという設定。
その彼がフィリップ・マーロウを思わせるいでたち。
しかも楽屋口で、
白いトレンチ姿の謎の美女ヴァージニア・マドセンを見かけ、
ただならぬ気配を感じる……。
冒頭は、それこそフィルムノワールを思わせる雰囲気。
まさか、ここからあの
カントリー&ウエスタンの世界が始まるとは
普通だったら予想だにできない」

---ニャるほど。
でも本国アメリカの人だったら楽しめるのかもね。
「そうだと思う。
司会のギャリソン・キーラーは本人が演じているんだけど、
彼は実際にこの『プレイリー・ホーム・コンパニオン』の
司会者・脚本を勤めていたらしい。
この映画でも出演だけではなく原案・脚本を担当している。
そうそう、サム・ペキンパー映画の常連だった
L・Q・ジョーンズなども出演している」

---でも、これってアルトマンの遺作だよね。
彼らしさってのは他にもあった?
「正直、これが遺作としては少し寂しい気もするけど、
たとえばヴァージニア・マドセンの白づくめの衣装など、
彼ならではの発想がオモシロい。
マドセンの役柄からすれば、
普通ならばこれは黒づくめ。
そう言えば、撮影時からアルトマンの病状が心配され、
“後継者”と目されるある監督が
スタンバイとして撮影現場に立ち会ったらしい」

---えっ。それだれ?
「ポール・トーマス・アンダーソン。
ね、なるほどって感じでしょ?」


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「アルトマン、亡くなったんだニャあ」悲しい
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『13/ザメッティ』

2007-02-02 23:33:52 | 新作映画
(原題:13 (Tzameti))

----この映画、モノクロで作られているんだって?
“集団ロシアン・ルーレット”が話題になっているよね。
海外の評判も良さそうじゃニャい?
「う~ん。
でもロシアン・ルーレットは『ディア・ハンター』に尽きるなあ。
あれは怖かった。
なにせ敵の捕虜となって無理矢理やらされるんだからね。
確かジョン・ウーの『ワイルド・ブリット』も
そうだったんじゃなかったかな」

----と言うことは、この中のロシアン・ルーレットは
やらされるんじゃなくて
自ら進んでやるわけ?
また、どうしてそんなバカなことを……??
「つまりはお金のためだね。
ただ、主人公だけはそのことが分かっていなくて、
たまたま予定されていた“死のゲーム”の参加者が死んだことから、
“仕事”の中身を知らず、
ひょこひょこ、その場所へ出向いてしまうわけだ」

----あらら。しかしいくらお金のためとは言え、
そんなことやるものかな?
「う~ん。それはあるだろうね。
ジョニー・デップの監督・主演作『ブレイブ』では
スナッフ・ムービーが出てくるしね」

----ニャに?そのスナッフ・ヌービーと言うのは?
「死の瞬間をフィルムに収めた映画のこと」
----人間の中には、
そういうのを観たがる変質者がいるわけだ。
う~~~。怖いニャあ。
「そう。たとえば『花と蛇2 パリ/静子』のように
SMをショー化して“観て”楽しんでいる人もいるし、
『ホステル』のように
自分も参加し、人を嬲ることで残酷趣味を満足させている人もいる。
話を先に進めるけど、
この映画はその集団ロシアン・ルーレット自体は
参加者が多いこと、
あまりにもあっけなく次々と死んでいくことなどから、
さっきも話したように、
それほどまでには戦慄しなかったけど、
でもそれ以上に観るべきところはたくさんあったと思う」

----たとえば、どういうところ?
「ぼくが思い出したのは、
『袋小路』などのポランスキーの初期の映画。
モノクロの映像で描いた閉ざされた空間と言うところが
あの映画を思い出したのかもしれない。
主人公は屋根修理の仕事をしている最中に、
その発注者の死に遭遇して、
この“仕事”を手に入れるわけだけど、
それを知るのは、穴の空いた屋根からの覗き見によって。
このあたりも、シュールなキャメラポジションが、
どこかヒッチコックを連想させる」

----ニャるほど。サスペンスとブラックなユーモアが同居しているんだ。
「そういうことだね。
さらには彼が手紙や電話の指示により
秘密の場所へと導かれる過程を、
警察が追跡すると言う
定番と言えば定番のサスペンスもある。
まあ、この監督の凝り方は、
冒頭の兄弟の会話のバックに、
ちらり黒猫を横切らせたことでも分かる」

----ん?どういうこと?
「ほら、西洋では黒猫と言えば不吉なものの代名詞と
されているからね」

----あっ、ひどい。
つまり、ここですでにこの映画の内容を予見していたってわけ。
もう、えいとは口きかない。
第一、この監督グルジア出身の人でしょ。
西洋じゃニャいじゃニャい。

 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ひどいニャあ(映画のことじゃないよ)」ご不満
※これ、ハリウッドでリメイクされる度
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