マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

さようなら菊水湯

2015年10月01日 | 銭湯

 文京区から又一軒銭湯が消えていった。私が知っているだけでも、2011年3月の「山の湯」を皮切りに、「鶴の湯」、「おとめ湯」、「月の湯」が店を仕舞い、この9月30日で「菊水湯」が店を閉じた。文京区の「浴場組合」加盟の銭湯は遂に6軒となってしまった。

 菊水湯は、便利な所にあるお気に入りの銭湯で、この数年間に毎週のように通った。
 毎週木曜日には富士前福寿会の小林さんと熊坂さんと私の3人で、特別の用事がない限り、14時半には後楽園ボウリング場に集合し3ゲームを楽しみ、その後菊坂下にある、徒歩20分の菊水湯でひと風呂浴びる。続いて東大赤門そばの「さくら水産」で一献。自宅を出発し自宅をゴールとする一筆書き、費用は全て併せて3000円程度という格別のお安さ。
 ここの銭湯には数々の特徴があったが、一番は番台に座るおかみ、宮本ひろ子さんの人柄。彼女以外の人が座っているのを見たことがない。気さくな人柄で話しやすくざっくばらんに色々と聞けた。富山県のポスターが貼ってあるので出身は富山ですかと聞くとそうでは無かった。初期の建物は明治中頃に建てられものらしく、今のものは昭和30年代に改築したものとの事。(写真:東京新聞に載った菊水湯)
 菊坂下にあるこの銭湯は樋口一葉使用の井戸のすぐそばにあり、井戸水使用で、ときに薪で沸かす。40度程度の温めの湯は薬草を使用し、長時間入浴が可能だった。男湯と女湯をまたぐペンキ絵には立山連峰が描かれ、剣岳が登場している。この絵は絵師中島盛夫による平成24年6月22日制作のもの。(写真は下に掲示)
 
 名残を惜しんで27日(日)と29日(火)の両日入りにいった。どちらの日も4時頃には30名以上の入湯者。特に27日は近くの桜木神社の祭礼で入湯券が配られたからか、あるいはこの日が「レモン湯」だったからか、空きのカランが無い瞬間もあったほどだ。27日に、一番下に掲載のポスターを貰って来た。今年の夏に二泊した「太郎平小屋」が写っていてこれは是非にと思っていたもの。良い記念になる。ご主人の体調が悪く、経費がかさむ一方で客が減り、建物も老朽化等々、多くの銭湯が抱える共通問題故の閉店。その後はマンション(アパートとの説あり)になるようだ。
 東京新聞等にも菊水湯閉店の記事が載り、撮影者も多数みられた。
 29日帰りがけ「長い間お世話になりました」と挨拶すると「こちらこそ」との返答。さようなら、一番思い出深い菊水湯。(写真:菊水湯のノレン)


  
   (9月27日は”レモン湯”だった)                  (菊水湯と書かれた煙突)

 
  (菊水湯の菊水をあしらった彫りもの)

   
  (中島盛夫のペンキ絵:立山連峰)        (ペンキ絵左側に富山湾が描かれている)

 
 (ポスター下に太郎平小屋。上に見えるは薬師岳)