崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

湯田温泉へ

2009年11月21日 06時06分33秒 | エッセイ
 山口大学時間学研究所長辻正二氏の主催で行われる「東アジアの暦と近代化」の打ち合わせのために湯田温泉に初めて来た。駅に降りて案内の地図上、駅の近く「足湯」というところを「現在の位置」と思って歩いてホテルを探したが遠回りになった。数人の方が足を湯に入れているのを見て私が足湯を「足場:現在位置」に錯覚したことが分かった。それ以外には温泉町とはいっても別に特徴はない。川端康成の小説に描かれたようなトンネルを超えて行く雰囲気が全くない。また日本に来て間もないころに熱海温泉に行った時のような印象もない。韓国の温陽温泉も都市化して温泉文化のにおいがしないのと同様である。しかし人々の脳裏には風呂と温泉文化のイメージがインプットされているようであり、人々が集まって来るのであろう。
 東京から帝京平成大学現代ライフ学部教授の中村士氏、中国の貴州大学教授張聞玉氏、台湾から淡江大学未来学研究所長の陳瑞貴氏と、そして私は韓国からの立場の参加になっている。私が準備のために購入して読んだ『時間学概論』の山口大学の著者たちが参加して嬉しかった。監修者の辻正二氏、「物理の時間・宇宙の時間」の筆者の藤沢健太氏、「時間の哲学:時間の流れとタイムトラベル」筆者の青山拓央氏、「時間とそのリズムを記録する地球」筆者の鎌田祥仁氏、「昔という時間,古 (いにしへ) という時間」筆者の森野正弘氏、他に人文学部の民族学専攻の坪郷英彦氏などと歓談した。
 ホテルの屋上の共同風呂に行ったが意外に小さく、外の夜景も見えない。コンクリートの上に古い温泉のイメージを保っているだけであった。

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