崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

ボッタリジャンサ

2015年06月30日 05時37分18秒 | 旅行
家内は釜山国際市場で靴下や韓服を買ってきた。1足100円ちょっとで安いという。円安でもまだ韓国には安いものがある。韓国と比較して日本で安いものもある。その価額の差を商売としている人々がいる。いわばボッタリジャンサである。おもにオバちゃんたちが関釜フェリーを利用して商売している。関釜フェリーを利用しての国境貿易の縮小版ともいえる。陸地続きの国境であればその規模は大きく日常生活化している。ドイツに留学した弟子の部屋に泊まった時その話を聞いた。ライン河を挟んでフランスの安い家賃の部屋を借りてガソリンはドイツで入れるなど国境を意識せず生活していると聞いた。
 朝鮮戦争前まで私の父は38度線を往来しながら牛の商売をした子供時代を思い出す。しかし今韓国と北朝鮮の境界の「分界線(休戦線)」は地雷畑のもっとも危険な死線ともいえる。それは南北が敵対関係であることを意味する。日朝関係は国交がない、朝鮮半島の南北関係は敵対関係になっている。国民はそれぞれ国交がないこと、敵対関係であることに怒っていても政治家たちは外に敵を持つのは嫌ではないようである。時には戦争も試みる。人も敵を持つのが常である。私は敵の存在を含む葛藤、恨みをハン(恨)として研究している。写真はダンゴルが恨の結びを解く儀礼(珍島国立国楽2015.6.26)。