日本には植民地であった台湾、韓国、旧満州、サハリンなどからの引揚者の組織があり、全国的な連合会もある。最近私は朝鮮半島からの引揚者たちと会って話す機会が多くなった。彼らはあちらが生まれ故郷やふるさとだと言う人が多い。それは植民地云々ではなく、純粋な「懐かしさ」からである。その懐かしさは韓国側からみると植民地帝国の支配を懐かしむということはけしからんと思われるかもしれない。日本人からみても植民地を懐かしむというのは人に注目されることはない。
しかし懐かしむことは伝統文化やふるさとなどへの愛情でもあり、ある意味では文化活動の原動力でもあり、普遍的な心理である。私は今、その懐かしさに眼を向けて研究をしている。
しかし懐かしむことは伝統文化やふるさとなどへの愛情でもあり、ある意味では文化活動の原動力でもあり、普遍的な心理である。私は今、その懐かしさに眼を向けて研究をしている。