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芭蕉の俳諧:猿蓑(40)

■旧暦9月5日、木曜日、、鞍馬の火祭

(写真)無題

腰が痛いので、長時間の作業ができない。仕事は断念して、ベッドで普段読めない本を読んでいた。整形外科の専門病院に行ったら、椎間板ヘルニアの可能性を指摘される。来週、MRIを撮る予定。やれやれ。リハビリを受けながら、理学療法士のお兄ちゃんに、筋トレの有効性について、尋ねる。椎間板がやられているとすると、腰椎の軟骨で身体を支えることになるので、その分、普通より軟骨一つあたりの負荷が大きくなる。このとき、腹筋と背筋を鍛えてあると、ちょうど、コルセットを着けているのと同じことになり、腰痛には、きわめて有効らしい。ちなみに、いったん、損傷した軟骨は修復不可能だそうである。今日は、まったく日常の行動ができなかった。ただ、鮪のように横たわるだけである。魚の夢が見られそうである。


林檎ジャム作れる妻の背中かな

黄金の煙や割つて薩摩芋

水割りの音の彼方へ秋は去る


そういうわけで、ドイツ語の月見の句に面白いものがあるのだが、今日は紹介できない。なんと、3人のドイツ人が連句を試みているのである。これは、ぜひ、後日、検討してみたい。とくに、句と句の「間」の取り方に興味がある。




火ともしに暮れば登る峰の寺
   去来
ほとヽぎす皆鳴仕舞たり
   芭蕉

■これも、『風狂始末』を読んで驚いた。去来の句の面影は、遠流の上皇たち(後鳥羽・順徳両院)だという。芭蕉の附けは、季節を夏の終わりとし、この夏も過ぎてしまった、という嶋での上皇たちの嘆息に転じている、と述べている。一見、なんでもない、二行が、とんでもないドラマを孕む仕掛けに目を奪われる。
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