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悲しみのようにひそかに

日曜日、。湿気がなく涼しい。昼寝日和。旧暦、7月6日。

生命感溢れる盛夏の日々も、夕方になると、かなかなが鳴き、日の余韻を感じさせる。もう10日もすれば立秋である。夏から秋に変わる日々、晩夏や初秋は、二つの季節が交じり合って趣深い。昨日、読んでいたエミリ・ディキンソン(1830-1886)に印象的な晩夏の詩があった。


悲しみのようにひそかに
夏は去った
あまりにひそかに
ついには 裏切りとは思えぬほどに―

遠く始まったたそがれのような
蒸留された静かさ
ひきこもった午後を
ひとり過ごす自然

夕暮はしだいに早くなり
朝は見知らぬ輝きを添える
立ち去ろうとするお客のように
丁重な それでいて胸を締めつける優雅さを―

こうして翼もなく
船に乗るでもなく
私たちの夏は軽やかに去った
美の中へと―

(中島 完 訳)


As imperceptibly as grief
The summer lapsed away, --
Too imperceptible, at last,
To seem like perfidy.

A quietness distilled,
As twilight long begun,
Or Nature, spending with herself
Sequestered afternoon.

The dusk drew earlier in,
The morning foreign shone, --
A courteous, yet harrowing grace,
As guest who would be gone.

And thus, without a wing,
Or service of a keel,
Our summer made her light escape
Into the beautiful.


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