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西行全歌集ノート(27)




風さそふ花の行方は知らねども惜しむ心は身にとまりけり

西行 山家集 上 春

※ 「とまる」は、残ること。花が風に散ることを惜しむ句がずらっと並ぶ。その中で、この句は、心は散らないで身に残ると歌って印象的。心が花と同じように感受されている。花に心は取り憑いて、身から離れてしまうのだから、花とともに散ると詠んでもいいと思うが、そうなると、心の行方もわからなくなる。実際、わからなくなるのではないかと思う。心は花とともにあり、同時に、身とともにある。時間と空間を超えている。「身」という言葉が出て来たことに注目したいと思う。


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