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往還日誌(13)







■2時ごろまでこんこんと眠った。午前中のヘーゲル読書会も午後からの外出も中止した。

詩人で仏文学者、作家の天沢退二郎氏が25日に逝去。86歳。詩人は、たいてい、研究対象とする詩人を持っている。それが創作や人生のインスピレーションの源泉になっている。天沢さんは、宮沢賢治だった。宮沢賢治には、ある時期、傾倒して、テクストだけでなく、朗読されたCDやテープをよく聴いていた。朗読されると、読んだ印象とはまた違って、非常に生き生きとしてくる、そういう詩人が賢治だと思う。また、様々な絵本やますむらひろしさんのコミックでも賢治をよく読んだ。これもまた、絵とテクストがよく合うのである。今も、賢治には関心があるので、天沢さんには、興味を持っていた。天沢さんの詩はかなり昔に思潮社の現代詩文庫で読んだが、「夢魔」という概念だけが記憶に残っている。この「夢魔」というのは、夢であるが「魔物」でもあり、どこか、漱石の『夢十夜』の世界と響き合う。天沢さんには、『闇の中のオレンジ』などの、児童文学と言っていいのかどうか、カテゴライズできないのではないか、そういう興味深い作品群が残されている。

夕方、買い物。丸善で、ブルーブラックのボールペンを3本購う。ついつい、本を見てしまって、3冊も買ってしまった。

『エリア随筆抄』――この著者、チャールズ・ラムは、18世紀後半から19世紀前半に生きた英国人。俳人の橋閒石が京都大学で研究していたことで知られている。チャールズ・ラムは、エッセイ文学と分類されるが、小説、しかも、日本の私小説に近いのではないかと、私は思っている。

『ヴァイマル憲法とヒトラー』(池田浩士著)――友人がフェイスブックで推薦していたので購入。ナチスが台頭した民意的な背景として、ヴァイマール時代の共産党と社会民主党が争っていたことを池田さんは挙げている。とくに、当時、共産党は社民党を、「ファシスト」と呼んで批判していたらしい。

『ソラリス』(スタニスワフ・レム著)――名高い小説だが、読んだことはなかった。タルコフスキーの映画は若いころに観た。

夕方から、夕食を作った。週2回の食事の用意の約束が、「往還生活」が始まって多忙となり、週1回しかできていない。

夜、詩を書いた。





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