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PCR検査とステルス・キラー(不顕性の感染者)の関係について






PCR検査の感度については正反対の見方がある。ひとつは生物学者の福岡伸一氏の見方(週刊『文春』3月5日号)である。「PCR検査はあまりにも鋭敏であるがゆえに、ウイルスが一個か二個あったとしても、原理的には検出される。だから、健康な人に対してこの検査をやったら、何の症状も現れていない人でも陽性反応を示す可能性があります」「かえって不顕性の感染者を増やしてしまうでしょうね」(以上、同書)「不顕性の感染者」を増やすと結論している。つまり、そういうカテゴリーの人を多く生み出すということだろう。

これと反対が神戸大学の岩田健太郎教授で、PCR検査の感度は30%から50%と述べている。ダイヤモンド・プリンセスの乗客下船に際して、「感染者が陽性となる検査精度は30%から50%。『検査陰性=感染していない』ではなく、14日間隔離すべきだ」(岩田健太郎・神戸大学教授)と述べている。岩田教授の見解が正しいとすれば、PCR検査を受けて陰性と判定されても、その50%から70%は陽性の可能性があるということになる。そのうち、症状の出ていない人は、「ステルス・キラー」となって感染加害者となる可能性がある。PCR検査が保険適用で広範囲に大量に行われると、陰性と判断された「ステルス・キラー」を作り出す側面がある。

福岡氏も岩田氏も、検査感度について正反対の見解ながら、一方は、「不顕性の感染者」を顕在化させると結論し、他方は、「不顕性の感染者」を潜在化させるとしている。このふたつの見方に共通するのは、Covid-19の「不顕性の感染者」つまり、「ステルス・キラー」の特徴・性格・数がまだ把握できていないということである。これがわからないと、どちらの見方であっても、感染者を増やす可能性がある。Covid-19の「不顕性の感染者」の感染力つまり基本再生産数と地域分布、その人数の把握が最優先に行われるべき疫学的調査だと思われる。





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