大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第100回

2011年06月07日 14時15分20秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第100回



「お前もコンビニ?」 コンビニ袋を ガサガサしながら聞いてきた。

「お母さんの朝寝坊の結果」 何を買ってきたのか 覗きこんで見てみた。

「ははは、俺ン家も一緒」 菓子パンか。

「みんな家のお弁当だよね」 僕はおにぎりの袋を開けながら そう言った。

「そうだよな、俺ン家のお袋と お前のお母さん たるんでるよな」 本当にビックリするのだが 僕のクラスの連中は 毎日といって良いほど 家からのお弁当持ちなのだ。

コンビニとか 学校の学食とかっていうことは 殆どない。 何処のお母さんも 頑張っているようだ。

そんな会話をしながら 二人で寂しいお昼ご飯を食べて バス乗り場に移動した。

バスに乗ったら もうほとんどが集合していて みんなおやつやお弁当で お腹一杯になったから 大人しいものだ。 殆どが寝ている。

僕もウトウトしている。

間もなく先生が点呼を取って 全員の集合を確認して出発だ。 ここからはそれぞれクラス単位で泊まる民宿に向けて それぞれのバスがバラバラに出発する。

どれくらいの間 揺られていたんだろうか。 バスの中は新幹線と違って 静かなもんだったから どうも完全に寝てしまっていたようだった。

そんな体はでかいが 頭の中は幼稚園並の僕達を乗せたバスが ようやく民宿に着き 先生に起こされる。

目を覚ましボオ~っとしながら 外を見ようとして窓を見ると 曇っていて何も見えない。

手で窓をキュキュッと拭いてみたら その先に見えたのは 白い色だけだ。 

あれ? おかしいな。 もう一度、今度は大きく 窓を拭いてみた。

辺り一面真っ白だ。 雪の世界だ。 一気に目が覚めた。 凄い。 白という無に圧倒されそうになった。

このまま雪を静かに 見ていたかったのに 「早く起きんか!」 先生の怒鳴り声だ。 

一瞬の無の世界だった。

みんな半分寝ぼけた感じで バスを降りる。

民宿の前で集合だ。

各クラスごとに 泊まる民宿が違っているから 僕達の泊まるこの民宿も 僕達のクラスだけが泊まるのだ。

それに他のお客さんも居ないようなので このクラスの天下だ。

やりたい放題好きに出来る といった感じだ。

他のクラスが 何処の民宿に泊まるのか知らないし どんな感じの民宿なのかも知らないが クラス単位ということは 9クラスあるので 大分散らばっているようだ。

みんな集合して 先生が民宿のおばさんに

「今日から四日間 お世話になります。 よろしくお願いします」 と言った。

すると 誰が教えた訳じゃないが 僕以外の多分全員が

「お世話になります。 よろしくお願いします」 とみんなで声を合わせて言った。 ビックリした。

「こちらこそ、よろしくね」 そうおばさんが言って 民宿の人を紹介し始めた。

と言っても そんなに多くはない。 おばさんとその旦那さん、息子さん二人と そして子供を連れて 今回のスキー研修の手伝いのために 実家に帰ってきている娘さん。 これだけだ。

しかしおばさんが 娘さんの紹介を始めると「うぉー、かっわいいー」 とかヤジを飛ばし始めた。

やっぱり挨拶は出来ても この連中の騒がしさは 変わらない。 先生が

「お前達、娘さんは よその奥さんなんだからな 手を出すんじゃないぞ」 と言い出した。 その注意もどうかと思うが・・・。

それを聞いておばさんが 笑い出した。 娘さんも笑い出した。 それを見たクラスの連中も「笑い顔もかわいい」 と言って笑い出した。






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