これについては、異論等々、数々の論点があろうかとは思うが書いておく。
はてなブックマーク - 最低賃金引上げは最大の成長戦略富士通総研 EU労働法政策雑記帳
まるで、ウチのブログ記事ではないか(笑)と思えるくらいに、近い部分が多いね。
参考記事:
最低賃金に関する議論~1
最低賃金に関する議論~2
最低賃金に関する議論~3
どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?~その1
Japan's Stagnation Loopのシリーズでも書いてきたけれど、賃金引下げが行き過ぎた結果が、今の日本の強固なデフレ体質に繋がっているものと思う。これを防ぐには、やはり賃金の持続的上昇というものが必要になってくるわけである。
最低賃金という規制がどうなのか、という話はあるけれども、色んな意味で必要なルールなのではないか、と考えている。
確かに経済学理論通りに物事が運ぶなら、それはそれでいいだろう。しかし、現実にはそうなっているとも思えないのだな。どうにも説得力がないわけである。理論の正しさについても、明らかになっているとも思えないのである。
最低賃金というのは、ある種の「抜け駆け禁止ルール」ではないかと考えている。これは、もし時給300円の企業でも存在できるよ、という「完全自由化」にしてしまうと、そういう戦術を選択してくる企業が続出してしまうからであろう、と。そういう抜け駆けを防ぐ、という点では、意味があると思えるのだ。
競争入札で、何とか工事を受注したい、ということがあるとして、労賃を大幅に切り下げることが可能なのであれば、べら棒に低い金額で入札することが可能になってしまうよ。そういうのも、同じような抜け駆けということになるのである。しかし、労賃の下限が存在していれば、そこよりも引き下げることができなくなるから、入札価格には一定の歯止めがかかるはずなのである。
別な見方では、「不当廉売」というのがある。
この視点でいえば、賃金の大幅な引下げというのは、生存危機に曝された人がやむなく仕事を得る為に労働力を「不当廉売」しているのと同じようなものになるのだ。だから、その最低限度の価格をルールとして決めておきましょう、というのが、最低賃金ということになるわけである。
反ダンピングという考え方もあるはずだ。
これもある種の「不当廉売」みたいなものなので、貿易相手国がそういう抜け駆けをしていると認定すれば、規制によって罰則を科せられるということになっているわけである。関税を引き上げられたりすることになるわけである。
なので、労働力の安売りに下限を設けておくことによって、こうした抜け駆けを封じる効果を持つことになるので、意味はあると思えるのだ。
更には、労働力の参入障壁として作用するかもしれない、ということがある。
パート労働などが増加するのが悪いわけではないが、家事労働などとの比較で「安い賃金なのに外で働く」という人があまりに増えるのも困るわけである。別な部分で社会全体の費用負担が増加するからである。
しかし、賃金がある高さであると、雇い入れる側に慎重さが出てくるし、その高さに見合う人材とかに絞られるということになるし、稼げる人しか労働市場には参入しない、ということになってゆくかもしれない、ということはある。そうすると、正規労働者の割合が相対的に増やせるということになるかもしれない。
なので、全部が悪いとも思っていない。
むしろ、長期的には賃金引上げ圧力を一定程度に確保しない限り、日本の未来はないものと思うべきである。
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まるで、ウチのブログ記事ではないか(笑)と思えるくらいに、近い部分が多いね。
参考記事:
最低賃金に関する議論~1
最低賃金に関する議論~2
最低賃金に関する議論~3
どうすれば、日本はデフレを脱却できるか?~その1
Japan's Stagnation Loopのシリーズでも書いてきたけれど、賃金引下げが行き過ぎた結果が、今の日本の強固なデフレ体質に繋がっているものと思う。これを防ぐには、やはり賃金の持続的上昇というものが必要になってくるわけである。
最低賃金という規制がどうなのか、という話はあるけれども、色んな意味で必要なルールなのではないか、と考えている。
確かに経済学理論通りに物事が運ぶなら、それはそれでいいだろう。しかし、現実にはそうなっているとも思えないのだな。どうにも説得力がないわけである。理論の正しさについても、明らかになっているとも思えないのである。
最低賃金というのは、ある種の「抜け駆け禁止ルール」ではないかと考えている。これは、もし時給300円の企業でも存在できるよ、という「完全自由化」にしてしまうと、そういう戦術を選択してくる企業が続出してしまうからであろう、と。そういう抜け駆けを防ぐ、という点では、意味があると思えるのだ。
競争入札で、何とか工事を受注したい、ということがあるとして、労賃を大幅に切り下げることが可能なのであれば、べら棒に低い金額で入札することが可能になってしまうよ。そういうのも、同じような抜け駆けということになるのである。しかし、労賃の下限が存在していれば、そこよりも引き下げることができなくなるから、入札価格には一定の歯止めがかかるはずなのである。
別な見方では、「不当廉売」というのがある。
この視点でいえば、賃金の大幅な引下げというのは、生存危機に曝された人がやむなく仕事を得る為に労働力を「不当廉売」しているのと同じようなものになるのだ。だから、その最低限度の価格をルールとして決めておきましょう、というのが、最低賃金ということになるわけである。
反ダンピングという考え方もあるはずだ。
これもある種の「不当廉売」みたいなものなので、貿易相手国がそういう抜け駆けをしていると認定すれば、規制によって罰則を科せられるということになっているわけである。関税を引き上げられたりすることになるわけである。
なので、労働力の安売りに下限を設けておくことによって、こうした抜け駆けを封じる効果を持つことになるので、意味はあると思えるのだ。
更には、労働力の参入障壁として作用するかもしれない、ということがある。
パート労働などが増加するのが悪いわけではないが、家事労働などとの比較で「安い賃金なのに外で働く」という人があまりに増えるのも困るわけである。別な部分で社会全体の費用負担が増加するからである。
しかし、賃金がある高さであると、雇い入れる側に慎重さが出てくるし、その高さに見合う人材とかに絞られるということになるし、稼げる人しか労働市場には参入しない、ということになってゆくかもしれない、ということはある。そうすると、正規労働者の割合が相対的に増やせるということになるかもしれない。
なので、全部が悪いとも思っていない。
むしろ、長期的には賃金引上げ圧力を一定程度に確保しない限り、日本の未来はないものと思うべきである。
一日3~4時間、週15時間程度に労働時間を規制して、その枠内で収める場合の臨時、補助的雇用への最低賃金と、それを上回る恒常的雇用への最低賃金とに。
で前者は現状より低い時給に設定し、逆に後者は今よりもずっと高く設定する。
もちろん、前者の規制の無力化を防止するために、残業は一切禁止で。