89年に起こった小糸製作所株買収事件がありました。乗っ取り屋として知られていた、T・ブーン・ピケンズ氏が首謀者です。彼はそれまで、ガルフ、ゲティ、ユニオンなどの株買占めで企業側への買戻しをさせ、この手口で巨額の富を手に入れていました。この大物が、日本企業へと狙いをつけて、遂に日本上陸を果たしたのです。それが、この事件でした。
麻布自動車グループ(渡辺喜太郎氏)の買い集めた株を取得する形で、トヨタを抜いて筆頭株主に躍り出たピケンズ氏は株式持ち合いによる日本の閉鎖性(系列)を非難、持ち株(出資)比率20%未満の親会社(トヨタ)が系列企業の小糸製作所を支配するのは不当として、政治的に「日米経済問題」へ発展させることをネタに、取得した株をトヨタに高値で買い取らせようと画策するのです。
当時、財務・経理担当専務だった奥田氏(現経団連会長)らが、「安易な妥協は乗っ取り屋に今後も日本企業が狙われる」という強い態度で臨むのです。トヨタは「一株主」として振る舞い、小糸製作所対ピケンズの長い法廷闘争が繰り広げられますが、小糸側の全面勝利で彼を退けました。この時の経験が、先日のライブドアとフジテレビへの発言へと繋がっていると思われます。
このような、株の一部買占めを行い、防衛側に高値で買い取らせる手法を「グリーンメール」と言い、ピケンズ氏のような乗っ取り屋のことを「グリーンメーラー」といいます。ライブドアの問題で、防衛側の対抗手段として耳慣れない言葉――「ポイズン・ピル」や「ホワイト・ナイト」など――が登場していますが、この「グリーンメール」もそういった呼び名の一つです。
この「グリーンメール」が日本で実際に行われたのが、西武鉄道株です。百貨店の白木屋(後に東急グループに吸収された)株買占め事件で一躍名を馳せた、横井英樹氏によると言われています(横井氏は帝国ホテルや日産火災などの株買占めでも知られます)。この西武鉄道株を堤氏側に高値で引き取らせる仲介役が、あのロッキード事件の児玉誉士夫氏だったのです。横井氏はこの後、ホテルニュージャパンの火災で33名の死者を出し、実刑判決を受けました(当時の火災の模様がテレビ中継されていて、屋上に逃げていった人々の映像は今でも憶えています)。
「グリーンメール(greenmail)」の由来は何でしょうか?この語句だけ見ても、乗っ取りや株買占めと関係がなさそうですね。
普通の意味で考えると「緑のメール(手紙)」・・・?
言葉の不思議というのがあるようですね。
元々脅迫(状)・恐喝・ゆすりを指す言葉に「ブラックメール(blackmail)」という言葉があります。これになぞらえて作られた言葉なのです。では、ブラックが何故グリーンに?
テクニカル・ターム創造の反対者が聞いたら、怒られそうな造語ですね。
グリーンは、恐らく俗語で紙幣を指していると思われます。そこで、ブラックがグリーンに変えられたということのようです。以前にも少し書いたのですが(続・言葉の創造と理解)、新たに作られたテクニカル・タームについては、自己の単純な理解を当てはめようとしてもうまくいかないこともありますし、個々の語句の意味をバラバラに考えてみてもダメなことも多々あるのです。それに当てはまらないから、テクニカル・タームとして不適切か、というと、「グリーンメール」の例のように、ずっと使われているものも存在するので、そうとも言えないようです。この例のような、ちょっとふざけたオヤジギャグ風(だって、ブラックとグリーンが入れ替わっているだけなのに)のものであっても、言葉の成因から理解を試みると、また違った面白味もあるかと思います。「何でグリーンなの?」といくら言っても意味がないことは当然ですね。このような言葉をいくつか知っているかどうかによっても、造語への理解度が変わるかもしれません。
麻布自動車グループ(渡辺喜太郎氏)の買い集めた株を取得する形で、トヨタを抜いて筆頭株主に躍り出たピケンズ氏は株式持ち合いによる日本の閉鎖性(系列)を非難、持ち株(出資)比率20%未満の親会社(トヨタ)が系列企業の小糸製作所を支配するのは不当として、政治的に「日米経済問題」へ発展させることをネタに、取得した株をトヨタに高値で買い取らせようと画策するのです。
当時、財務・経理担当専務だった奥田氏(現経団連会長)らが、「安易な妥協は乗っ取り屋に今後も日本企業が狙われる」という強い態度で臨むのです。トヨタは「一株主」として振る舞い、小糸製作所対ピケンズの長い法廷闘争が繰り広げられますが、小糸側の全面勝利で彼を退けました。この時の経験が、先日のライブドアとフジテレビへの発言へと繋がっていると思われます。
このような、株の一部買占めを行い、防衛側に高値で買い取らせる手法を「グリーンメール」と言い、ピケンズ氏のような乗っ取り屋のことを「グリーンメーラー」といいます。ライブドアの問題で、防衛側の対抗手段として耳慣れない言葉――「ポイズン・ピル」や「ホワイト・ナイト」など――が登場していますが、この「グリーンメール」もそういった呼び名の一つです。
この「グリーンメール」が日本で実際に行われたのが、西武鉄道株です。百貨店の白木屋(後に東急グループに吸収された)株買占め事件で一躍名を馳せた、横井英樹氏によると言われています(横井氏は帝国ホテルや日産火災などの株買占めでも知られます)。この西武鉄道株を堤氏側に高値で引き取らせる仲介役が、あのロッキード事件の児玉誉士夫氏だったのです。横井氏はこの後、ホテルニュージャパンの火災で33名の死者を出し、実刑判決を受けました(当時の火災の模様がテレビ中継されていて、屋上に逃げていった人々の映像は今でも憶えています)。
「グリーンメール(greenmail)」の由来は何でしょうか?この語句だけ見ても、乗っ取りや株買占めと関係がなさそうですね。
普通の意味で考えると「緑のメール(手紙)」・・・?
言葉の不思議というのがあるようですね。
元々脅迫(状)・恐喝・ゆすりを指す言葉に「ブラックメール(blackmail)」という言葉があります。これになぞらえて作られた言葉なのです。では、ブラックが何故グリーンに?
テクニカル・ターム創造の反対者が聞いたら、怒られそうな造語ですね。
グリーンは、恐らく俗語で紙幣を指していると思われます。そこで、ブラックがグリーンに変えられたということのようです。以前にも少し書いたのですが(続・言葉の創造と理解)、新たに作られたテクニカル・タームについては、自己の単純な理解を当てはめようとしてもうまくいかないこともありますし、個々の語句の意味をバラバラに考えてみてもダメなことも多々あるのです。それに当てはまらないから、テクニカル・タームとして不適切か、というと、「グリーンメール」の例のように、ずっと使われているものも存在するので、そうとも言えないようです。この例のような、ちょっとふざけたオヤジギャグ風(だって、ブラックとグリーンが入れ替わっているだけなのに)のものであっても、言葉の成因から理解を試みると、また違った面白味もあるかと思います。「何でグリーンなの?」といくら言っても意味がないことは当然ですね。このような言葉をいくつか知っているかどうかによっても、造語への理解度が変わるかもしれません。
記事のコピーが多いブログの中で異例ですね、もっと個人の意見を出される事を望みます。
何となく自分の感じた事を好き勝手に書いています(笑)。
英語版株式用語辞典 Investopedia で、お馴染みのトンでも訳は
Not unlike blackmail, this is a dirty tactic, but it's very effective.
「恐喝とまでは言い難いが薄汚い作戦に違いない。そして効果的でもある」
戦死はkilled in the war
私の祖父は第二次世界大戦で戦死した ⇒ My grandfather was killed in the W.W.Ⅱ.
戦死広報を受け取る ⇒ I got a greenback dollar.
Greenback dollar は遺族年金を暗示する言い回しで、死亡通知書の俗語だそうだ。
Green はドル紙幣をあらわす。
新約聖書には大衆がイエス・キリストに現世利益の実現を求める場面がたくさん出てくる。
アメリカ人はその言い回しを send me money send me green という慣用句であらわす。
ごちゃごちゃ言わずに金をくれ!早くカネを寄こせ!
ここからBlackmail に由来する株式用語としての Greenmail の言葉が生まれたという。