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儲かっちゃった?福井総裁

2006年06月20日 21時40分45秒 | 社会全般
福井総裁は「儲けるつもりだったのではない」、「利益は寄附したい」とか言ってたようですので、利益が明らかにされたので、更に世間の風当たりは強まるでしょう。

Yahooニュース - 読売新聞 - 福井総裁の村上F運用益は1231万、元利で2・2倍


うーむ、「国民にはゼロ金利で低利を強いていたくせに、自分の懐にはガッポリかよ」という心情は理解できなくはありませんが、これはあまり公平な評価とは言えないかもしれませんね。


改めて申し上げておきますが、「日銀総裁の立場」ということで考えれば、辞任もやむなし、というのは私の見解です。しかし、それは利益の大きさとかそういったことには無関係ですね。村上Fへの出資が、合法であったにせよ、いらぬ「個人的利殖行為に係る疑念」を多くの国民に抱かせ、国内外のメディアにさえ様々な酷評・論評をされるに至ってしまいました。今後の金融政策において、どのような判断をしたにせよ、予断を与えてしまうことになる可能性が高いでしょう。

仮に「ゼロ金利解除を延期」としても(大方のエコノミストたちは「夏頃」という予想をしているので、それと比較して、という意味で)、「政治的な思惑が働いたからだ」とか、「やっぱりスキャンダルの一件が影響を与えたんだ」とか、思われるでしょう。逆に、予想通りの夏頃に解除に踏み切ると、「スキャンダルを意識して、その打消しの為に意図的に”予想”に合わせたんだ」とか、「デフレ脱却宣言を出したい小泉政権の花道を飾る為に、急所を握られた政府側に協力した結果だ」とか、受け取ることもできてしまいます。そんな訳で、どっちにしても日銀への非難や当てこすりは防げないし、何か決める度に「所詮、あんなことや、こんなことをやるような総裁だからね」という風になってしまうでしょう。なので、福井総裁の辞任回避(普通”留任”と表現するのでしょうか?でも、次の任期で再任ということでもないですし・・・)は、日銀にとって「大きなマイナス」ではあっても、「プラスに働くことは何一つない」と思います。

しかも総裁自ら「(金融政策決定会合は)あくまで合議体であり、金融政策は私1人の意志ではない」と公言しているのですから(確かに仰る通りです、見かけ上は)、福井総裁が辞任したところで「日銀の金融政策能力がダウンすることはない」とか、福井氏以外の人が総裁になったとしても「政策判断が変わることは有り得ない」ということを、肯定しているのと同じであろうと思いますね。「総裁への信頼」というものが、金融政策上では「重要な評価の対象となっていない」と仰っているのと同じようなものです。それ故、自分が辞任する必要などないのだ、ということでしょう。でもそれって、福井氏が辞任しても痛手でもなければ、問題が起こる訳でもない、ということでもあります(笑)。


まあ、この話は別として、「庶民には利息も付けてくれないのに、総裁自身は村上Fのような悪徳拝金主義者からたくさん利益を貰ってたんだ」というような批判は的外れではないかと思われます。

<突然ですが、前にもちょっと書いたけど、「的を得る」「的を射る」論争はどうなんでしょ?未だに、「的を得る」という表記は誤りである、というような意見が時々見られますよね・・・・これはまた別な機会に>


記事によると、99年からの利益は1200万円超ということで、当初の投資額から約2.2倍になっていた、と。儲けそのものは、特別ということでもないと思うけど。これって、特別「グリーンメーラー」的に、ハチャメチャに頑張ったりせんでも、それくらいになっている人たちはごまんといる訳で。注目を集めた無職青年なんて、100万円が50億円だったかでしょ?(笑)
昨年の納税額1位の人は、運用報酬が100億円以上ということで、それまでの成績は数倍どころではなかったんでは?数年間で、10倍とか、もっとだったかもしれないけれど、兎に角すごい成績だったと思う。


要するに、村上Fが「規格外」の儲けを出してたか、というと、そうでもない。悪い方ではないと思うけど。利益率で言うと、私のような素人運用とあまり変わりがない(笑)。昨年書いた記事(チャンスか、罠か?株式相場)でも、ちょっと触れた。


それにね、99年頃から投資するなら、普通に儲かると思うよ。例えば、新日本製鐵ですが、99年に200円で買って、黙って持ってるだけで昨年末までに450円になってるんですから、+250円ということで、2.25倍ですけど(笑)。キャノンでもいいですよ。99年に2800円で買って、ジーッと待ってるだけで昨年末までに7000円になってますから、2.5倍です(笑)。特別な「裏技」とか、「あこぎな商売」とか、「乗っ取りで脅し」とか、そういうことなんてしなくても、普通に資産倍増が起こってしまうのですよ。投資とは、そういうパフォーマンスを狙っているのですから、別に驚くには値しないと思えます。


なので、2.2倍という数字、利益が1200万円超という数字で、「福井総裁は”不当な”利益を獲得したんだ」というような非難は違うと思う。「庶民が苦しんでいるときに、日銀総裁は儲けてウハウハだったんだ」というのも、単なる嫉みというような感情でしかないと思いますね。福井総裁が儲けたから、多くの人々が貧乏で苦しんだ訳でもないのですよ。そんなことは全く関係がないのです。利益が出てたから、儲けを受けたから、それが悪かったのかというと、それはちょっと違うと思う。利益の大きさとかそういう問題ではないでしょ。


ですから、福井総裁の「国民の皆様に納得いただける使い道に振り向けたい」というコメントがあったけれど、これも変な話だと思うけどね。「納得」というような問題ではないでしょ?


更に追加:

今、新しい記事に気付いた。
全く何言ってんの?「運用益があまりに大きかった」って、そりゃさ、投資を知らない人にとってはそうかもしれんが、もっと儲ける個人なんてごっそりいるって。

Yahooニュース - 毎日新聞 - <日銀総裁投資>1200万円の運用益で、政府も世論を懸念


安倍ちゃんとか、虎之助さんとか、案外と真面目なんだね(笑)。基本的には、「ええーっ??そんなに儲かるのかよ」ということでしょう。有力議員は早くから当選して議員になるため、株式投資の経験なんて、あんまりないからだろうね。

もうちょっと、答えにヒネリが欲しかったぞ。私ならば、次のように答えただろう(前提として、福井総裁を擁護したい場合、ということで)。

「少ないとも言えないが、一般論として、長期投資の場合には思いがけずパフォーマンスが良いこともあるのです。一部上場企業の株式で、株価が2倍とか3倍になっている銘柄も珍しくはありません。投資する場合には、やはり長期投資がオススメなのですね。皆さんも是非そういう投資にチャレンジしてみて下さい」

と、このように、国民にも「株式投資」を奨励しつつ、福井総裁の問題からは答えを遠ざける作戦ですな。因みに、このような回答をした場合、記事にはされないでしょう(笑)。というか、そもそも私には誰も聞いてないし!