砕かれた鍵 |
そういったことはあまり多くはないのですが、今回はかなり読み進めるのに苦労をしました。
相変わらずに誰が敵で誰が味方かが分からないハラハラ感はありましたし、登場人物の設定はかなり秀逸なのですが、とにかく主人公が不憫すぎます。
なぜにそういったことにならなければいけないのかと倉木警視に同情をしてしまい、そして腹が立ちもします。
このシリーズの根底にあるのは警察組織の腐敗、自ら事件を起こしてでも公安省を設立しようとするタカ派の策略、そしてそれに立ち向かう倉木警視らの活躍であるはずが、大波に翻弄をされて個人では歯が立たない現実を突きつけられての挫折感が漂っているように思えてなりません。
まるで理想と現実は乖離をしているんだよと諭されているようで、憂鬱な気分になったのが正直なところです。
とにかく気に入らなかったのはラストシーンのあっけなさ、ご都合主義、そして女心と秋の空です。
この百舌の出てこない百舌シリーズはまだ続いているようですが、あまりに今後の人間関係がどうなるかが分かりやす過ぎて手に取る気にもなれません。
これまたそういったことはあまり多くはないのですが、途中ではありますが百舌とのつきあいはこれを最後とすることにします。
2014年4月15日 読破 ★★☆☆☆(2点)