多くのロッテファンが心配をしたであろう大量得点の翌日の貧打が現実となり、前日の17安打から一気に2安打と笑ってしまうぐらいの湿りっぷりでした。
しかしその2安打が全て得点に絡んでの勝利ですので野球は分からないもので、日本ハムファンの歯ぎしりが聞こえてきそうです。
今日も栗山監督の継投に助けられたと言いますか、ルーキーのプロ初登板ですので疲れを考慮してのそれだったのかもしれませんが、流れとしては浦野のプロ初勝利が終わってみれば吉原のプロ初勝利、そして西野のプロ初セーブとなったのですから万々歳です。
こうなれば明日も勝って3タテと欲をかいてみようかなと、またしても空模様が心配ながらも今度はこちらがルーキーの石川ですので、伊東監督に継投の妙を見せてもらいましょう。
唐川は、良くも悪くもやはり唐川でした。
立ち上がりは緩いカーブを使っての緩急のピッチングはコントロールも狙ったところにほぼ投げられていましたし、吉田も中田があっと驚く内角へのストレートなどホームベースを広く使ってのリードで唐川を引っ張り、また同い年の井上のやらかしにも小さなガッツポーズのような素振りで鼓舞するところなどは素晴らしかったです。
しかし簡単に追い込みながらも決め手がないために結局はフルカウントになるなどして球数が増えていき、そして疲労からか甘くなったところを捉えられての実質的なKOはこれまでも何度見せられたことか、6回を2失点ですからKOは言い過ぎかもしれませんが気分的にはそんな感じです。
味方が点を取ってくれた直後に失点をして流れを掴みきれないのもどこか成瀬に似ていますし、本人もまた六回の壁を乗り越えられずに悔しがっていることでしょう。
しかしこのスタイルで行く限りはエベレストのようにそそり立つ壁ではないかと、6回で115球も投げているようではどうにもなりません。
逆に言えば8安打を打たれながらも2失点なのは無四球の粘りのピッチングだったからこそなのでしょうが、同点に追いつかれたのはフルカウントにしたことで併殺を取れなかったのが理由の一つですから、唐川らしからぬこの効率の悪さを改善していかなければ負のスパイラルから抜け出すのは厳しそうです。
二番手は使い倒しの大谷がくるかと思っていたのですが、ここで吉原とは伊東監督も大胆です。
あるいは勝っているケース、負けているケースに関係なく、そして一人に負荷をかけない中継ぎ起用に舵を切ったのかもしれず、後者を伴っての前者であれば歓迎をしたいです。
その吉原は先日と同じような大きさが感じられないピッチングで、もう少しストレートに力がある投手だと思っていたのですが、今日はこれまた伊東監督のひらめきだったのかショートのクルーズ、セカンドの鈴木と守備が代わったところでのプレーに救われてのプロ初勝利ですのでラッキーと言ってよいでしょう。
ただこの運というものは選手にとって重要なファクターですので、大切に育てていってもらいたいです。
僅差はロサ、西野の新勝利の方程式で逃げ切り、川崎コーチも大喜びでしょう。
ロサは先日の失敗に懲りたのかロサにしてはスピードを抑え気味に、変化球を交えてのピッチングで、また珍しくもマウンド上で表情を動かしていたのが印象的でした。
連投の西野は短いイニングであれば140キロ台のストレートで押しまくれるのが大きく、ただ昨日と同じく伝家の宝刀であるはずのフォークの制球に苦しんでいたのが気になります。
最後はそのフォークで締めくくりはしましたが手前でバウンドをすることが目立ちますので、早めの修正が必要でしょう。
打線は僅かに2安打ですから、効率のいい勝ち方だったと喜んでもいられません。
インフルエンザの木佐貫の代わりの浦野ですからロッテとすればウエルカムだったはずが、プロ初登板初先発に緊張をしたのかコントロールを乱しての満塁、ワイルドピッチに井上がボール球に手を出して畳みかけられず、そうこうしているうちに立ち直った浦野に手玉に取られたのですから頭が痛いです。
初物に弱いのはロッテに限った話ではありませんがカモにされるのはロッテが顕著ではないかと、あのフォークを攻略できなければ今後の難敵になりそうです。
しかし代わった宮西から角中がツーベースを放ち、井上、そして極端な前進守備のプレッシャーに負けずに鈴木がしっかりと外野フライを打っての決勝点は便秘解消にはこれ以上にない妙薬で、昨年の序盤戦の勝因はいつでもどこでもの犠牲フライでしたから、この勝ち方で再びその路線に戻ってくれることを願ってやみません。
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◆4月5日(土) 千葉ロッテ-日本ハム2回戦(ロッテ2勝、14時、QVCマリン、19,078人) ▽バッテリー |