オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
since 2007.4.16
写真など一切の転用、転載を禁止します

百舌の叫ぶ夜

2014-04-05 21:29:45 | 読書録

百舌の叫ぶ夜

集英社

このアイテムの詳細を見る

4月から連続ドラマ化をされることで楽天koboのトピックスに挙がっていた作品です。
すっかりとテレビから離れている自分としてはドラマを見るつもりはないのですが、表紙の西島秀俊が先日の映画で気になる存在になったので手に取った次第です。
結果的にはそのインスピレーションは大正解で、先の読めない展開にぐいぐいと引き寄せられていく逸品でした。

誰が味方で誰が敵か、なかなかに掴みづらい展開で、主人公たる倉木警部からして正義かどうかが微妙ですし、そのためにハラハラ感が半端ではありません。
その人を信じていいのか、あるいは信じているふりをしているだけなのか、そう考えさせるところが作者のテクニックなのでしょう。
これは好き嫌いが分かれそうですが一本道のようで時系列がかなり前後する書きっぷりは後書きを読めば意図的だったようで、そのために最初はかなり混乱をしましたし、事実関係を整理するために神経を使ったことでいろいろなことが頭に刻み込まれたという利点はあったのですが、それに気付くまではミスではないかと思ったほどです。
紙の本であればぱらぱらめくって確認をすることは容易ですが、電子ブックはそのあたりが実のところ苦手で、だからこそ読み漏らすまいと集中ができたのかもしれません。
やや最後の後始末が手抜きのような気がしたのはシリーズ化をされてエピローグが次へのプロローグとなっているためのようですから、折角ですので一気にいかせていただきます。


2014年4月5日 読破 ★★★★☆(4点)


悪いものを全て洗い流す

2014-04-05 01:27:37 | 千葉ロッテ

 

朝方にぱらついた雨も日中には強い日差しで汗ばむ陽気となったのが嘘のように、夕方から試合開始直後までそれなりの雨に降られたQVCマリンです。
そんな中をレインスーツ、レインパンツを着込んで向かい、また帰りには冬を思わせる冷たく強い向かい風に難儀をしながらも、頑張って行った甲斐がありました。
ブラックブラックナイトでスタンドが真っ黒に埋まったのとは裏腹に待ち望んだ白星はチームにとっても自分にとっても今季初勝利で、これでホッと一安心です。
ようやく2014年の第一歩を踏み出した今日の喜びを忘れないよう、明日は苦手な初物をしっかりと叩いて着実に借金を返していきましょう。

打てば勝てますね、とはヒーローの一人である根元の言葉ですが、まさに17安打9得点とこれまでの糞詰まりを一気に解消するかのような快勝です。
その立役者はルーキーの井上と吉田だと、自分としてのお立ち台はこの二人でした。
井上は最初の打席での痛烈な打球はヒットにこそなりませんでしたがそれで吹っ切れたのか、次の打席ではファールで粘っての甘いボールを前の打席と同じように引っ張っての打球はワイルドピッチで走者が得点圏に進んでいたことでやや前進守備だったのも幸いをしての打点付きのプロ初ヒットです。
一本が出れば、の期待どおりに緩いカーブを引きつけてのセンター返し、外寄り高めのストレートを逆らわずに一二塁間を抜いての3安打猛打賞はパワーと巧打、左に右にの広角と持ち味を発揮してのものですから本人もベンチも、そしてファンも納得の大活躍でしょう。
また吉田も胸元への死球で飛び跳ねるように一塁に走ったところからの先制点ですから元気さがチームを引っ張っていますし、尊敬をする鈴木を上回る打席での礼儀正しさに、どこか田中雅を思い出させるゴムまりのような躍動感は見ていて楽しくなりますので、何かをやってくれそうな期待感をもたらしてくれます。
捕手としても今日の成瀬のコントロールがいいと見るや内を大胆に攻めたかと思えば外に抜いてみたりとリードも冴えていましたし、強肩で盗塁を刺すなどして成瀬を支えました。
ルーキーの頑張りに他の選手も奮起をしたのか、件の根元は膝元のボールを上手く引っ張っての先制タイムリーは見事でしたし、一塁からやや深めではありましたがセンターフライで二塁を陥れる走塁と積極的なプレーで起用に応え、クリーンアップにそれぞれタイムリーが飛び出したり角中がらしい左方向への3安打猛打賞、回ってくるはずがなかった二打席目で清田が今季初安打を強風をものともせずにレフトスタンドに叩き込むのですからやることなすこと上手くいく、たまにはこんな日があってもいいでしょう。
前の試合でマルチヒットだった加藤を外してまで核弾頭に抜擢をした荻野貴が悪い癖のボールの下をこするようなバッティングだったのが残念ではありましたが、それでも耐久力と言いますか膝のスタミナがどの程度かは分かりませんがとりあえずは気にする素振りを見せない走りっぷりでしたので今日はそれでよしとします。
やや不経済でしたし吉川、金平を引っ張りすぎた栗山監督のアシスト、ロッテキラー大引の度重なる拙守などがあったにせよ、きっかけになるのではないかと思いたいです。

先発の成瀬は本人も反省をしていたように六回途中での降板でしたので、エースの初勝利でなければお立ち台はどうよが本音です。
立ち上がりからコントロールが冴えて打者を翻弄するピッチングはさすがではあったのですが、やはりストレートの威力がもう一つだからか緩急を使ってもファールで粘られる、あるいはコーナーを狙いすぎて微妙なジャッジで球数を増やすといった感じで、5安打2失点で96球は投げすぎでしょう。
これで少しでも制球が乱れればどうなったか、また先発が六回も持たないようでは話になりませんので、ここはエースとしての期待がありますので厳しめとします。
それでも福岡に比べれば少しはストレートに力が戻ってきていたようですし、少しずつでも昇り調子になってくれればと願ってやみません。
その成瀬のピンチを凌いだ大谷は先日の力強さがどこかにいってしまい、また逆球も多い苦しいピッチングではありましたが、今江のファインプレーと最後はしっかりと腕を振ったからこその高めのボール球に手を出してくれたのでしょうから、その気持ちを忘れずにやっていってもらいたいです。

藤岡は自分としての三人目のお立ち台です。
あるいはルーキーイヤーの春先を除けば、プロで一番のピッチングだったのではないかと思います。
ほぼ全てのストレートが140キロオーバーにMAX148キロと驚きのスピードで、調整登板で短いイニングと分かっているからこそというところがあるにしても、中継ぎでも130キロ台後半に140キロ台がちょろちょろだったころに比べれば別人モードと言ってよいでしょう。
むしろ東洋大の藤岡とすればこちらが本来の姿ではないかと、各打者がストレートに押し込まれている姿は壮観でした。
コントロールもまとまっていてビシバシ投げ込むテンポもよく、このペースで先発で投げられれば余裕で勝利投手になれます。
現金なものでマウンド上で笑みすら浮かべる藤岡に、あの苦しそうでキョドっていたころの面影はありません。
先日の浦和でも4イニングを力でねじ伏せるピッチングだったとのことですから、来週の木曜日が楽しみになってきました。
そして点差はありましたが開幕から出番の無かった西野がやはり調整登板で、フォークのコントロールに苦しみながらもこちらも力押しのピッチングでしたのでまずまずです。
背番号29のデビュー戦を無失点で切り抜けたことは自信に繋がるでしょうから、守護神として次はプロ初セーブといきましょう。

 

  1 2 3 4 5 6 7 8 9

日本ハム

0 0 0 0 1 1 0 0 0 2 5 2

千葉ロッテ

0 0 1 2 2 0 0 4 X 9 17 0

◆4月4日(金) 千葉ロッテ-日本ハム1回戦(ロッテ1勝、18時22分、QVCマリン、11,550人)
▽勝 成瀬 2試合1勝1敗
▽敗 吉川 2試合1
▽本塁打 清田1号(金平)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、大谷、藤岡、西野―吉田
日本ハム 吉川、大塚、金平
―市川

 

コメント (30)