オリオン村(跡地)

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2010年通信簿 4 荻野貴司

2010-11-18 02:00:31 | 千葉ロッテ

4 荻野貴司 外野手 25歳 年俸1500万円

【2010年成績】 46試合 175打数 29得点 57安打 打率.326 9二塁打 2三塁打 1本塁打 17打点 25盗塁 18四死球 24三振 得点圏打率.360

ロッテの日本一は開幕ダッシュを抜きには語れませんが、その点では荻野貴が最大の功労者であると言ってよいでしょう。
高沢を彷彿とさせるような詰まった当たりでヒットを連発したかと思えば目の覚めるような快打を見せて打線を引っぱり、広い守備範囲や俊足ぶりでもチームに貢献をしてくれました。
残念ながら故障でシーズンを全うすることはできませんでしたが、ロッテファンのみならずプロ野球ファンに強烈な印象を植え付けたことは間違いありません。

とにかく痛すぎるスライディングでした。
荻野貴の特徴とも言えるベースに近い位置からのスライディングがシーズンを棒に振るような故障に繋がるとは、それが最大の武器でもあっただけに皮肉な話ではあります。
思い切りの良さと落ちないスピードの両輪でフィールドを駆け巡っていた荻野貴の離脱は、それだけでチームの失速を予感させるぐらいのインパクトがありました。
穴を埋めるべく頑張ってくれていた早坂が後を追うように故障をした後は清田の登場まで停滞が続き、しかしそのことで清田、さらには岡田の台頭を許したことはチームにとっては層の厚さに繋がる吉事ではあるものの、荻野貴としては痛恨の凶事であったことは「清田が羨ましかった」の言葉に凝縮をされています。
その悔しさをバネに、しかし焦らずに来季の復活を期するしかありません。

正直なところ守備や走塁での活躍は予想できたものの期待以上でしたし、打撃での貢献は想像以上どころの騒ぎではありません。
紅白戦の序盤ではまともに打球が飛ばなかったものが、オープン戦の中盤には開幕スタメンが濃厚となるぐらいの存在感を示すのですから使い続けた西村監督の勝利でしょう。
決して大きくはない体に合ったコンパクトなスイングは自分が分かっている証左であり、頭の良さが感じられます。
それでいて芯に当たれば長打も期待ができますし、投手から見ればイヤらしいバッティングをしてくる荻野貴はルーキーという尺度では語れない雰囲気を醸しだしていました。
核弾頭にしては早いカウントからの積極的な打撃スタイルには賛否両論があるでしょうが、これだけ結果を残してくれれば文句も言えません。
意外にバントを苦手にしているのではないかとも思えるところもありますが、クレバーで努力家ですから軌道修正も難しくはないと思います。

俊足を活かした守備範囲の広さで投手を救ったことも数限りなく、荻野貴ゾーンと言えるぐらいに自分の領域を支配する守備力はロッテの外野陣を変えるきっかけとなりました。
チーム事情もあって清田や岡田に舵を切るまでには時間を要しましたが、伊志嶺の指名を見れば西村監督の脳裏には明確なビジョンがあることは想像に難くなく、そして荻野貴の活躍がそれを裏打ちしているのだと思います。
もし荻野貴が2軍でくすぶるような今季であれば、また違ったドラフト指名になったことでしょう。
その点でもチームを変えたとも言える、そんな荻野貴の2010年でした。

ロッテファンは荻野貴の復帰を心待ちにしています。
予定よりもかなり回復が遅れていることが心配をされますし、未だに腫れが引かないとの話もありますから場合によっては再手術で開幕には間に合わないかもしれません。
それでも清田や岡田を蹴散らすぐらいの荻野貴であると信じて待っている、そんなファンは多いと思いますし、私もその一人です。
西岡の移籍により荻野貴への期待はさらに高まっていますので、無事な姿を一日でも早く千葉マリンで見られることを願っています。


【オリオン村査定】 1500万円 → 2500万円(△67%)

 

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