電脳筆写『 心超臨界 』

自然は前進と発展において留まるところを知らず
怠惰なものたちすべてにののしりを発する
( ゲーテ )

人間通 《 言葉を練る――谷沢永一 》

2024-06-14 | 03-自己・信念・努力
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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テレビ新聞等は一方的に流れこんでくる情報源にすぎない。その情報を如何(いか)に活用して自分の血肉に化するかの作業は、書物を砥石(といし)として我が身を練りあげる努力である。


◆言葉を練る

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p92 )

ひとくちに物を考えるとはいっても結局のところは言葉を操る作業なのだから、考える道筋を拡(ひろ)げて弾力的となるためには、思案するのに唯一(ゆいいつ)の媒体である語彙(ごい)を豊かにするしかない。世間ではよく或(あ)る種の作家を感受性が鋭いと褒め讃(たた)えるが、要は今までの表現様式にない新鮮な語法を提示したという達成を意味する。ましてや何事かについて考えを深め見方を変える思念とは、旧套(きゅうとう)の語法に楔(くさび)を打ちこんで砕いたり、手垢(てあか)にまみれた語彙を清流に浸して洗ったり、要するに言葉を改めて練り直す作業である。考えること、それは即(すなわ)ち、言葉を練ることである。そのために必要な措置の第一は、氾濫(はんらん)する通常の決まり文句からできるだけ我が身を遠ざける隔離である。そして不可欠な措置の第二は、言葉を練ることに努めてきた先例に我が身をぶちあてる格闘である。相撲社会で謂うところの、強い力士の胸を借りるぶつかり稽古(けいこ)である。

この場合の相手が書物であることはいうまでもない。よほど無責任につくった本は例外として、たいていの書籍では著者がそれなりに表現を練っている。テレビに代表されるような無神経な繰り返しの垂れ流しではない。文章の前後を整え全体の構成を考慮し起承転結に意を用い、強調すべきところ力説すべきところに念を入れ、説得のためにあらんかぎりの技巧を凝らしている。その気迫に接し得て且(か)つ幾重にも読み直しのきくことが利得である。テレビ新聞等は一方的に流れこんでくる情報源にすぎない。その情報を如何(いか)に活用して自分の血肉に化するかの作業は、書物を砥石(といし)として我が身を練りあげる努力である。
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