電脳筆写『 心超臨界 』

自然は前進と発展において留まるところを知らず
怠惰なものたちすべてにののしりを発する
( ゲーテ )

人間通 《 貿易——谷沢永一 》

2024-05-28 | 05-真相・背景・経緯
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『南京問題終結宣言がYouTubeより削除されました』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


貿易立国なんて真っ赤な嘘、実は輸出立国であった。輸入を促進する気なんか芥子(けし)粒ほどもないし、また実際のところ不可能である。売れるように売れるように努めよう、しかし輸入は考慮の外に置く。これが戦後の国是であった。戦後の我が国にとって唯一の選択肢であったこと論を俟(ま)たない。この基本方針に即して霞が関官僚は考え得る限り規制の網を張り非関税障壁を設け、外国商品が日本市場に参入できぬよう十重二十重の守りを築いた。しかしよろず物事には限度がある。


◆貿易

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p178 )

貿易立国、という言い立てが戦後の標語(スローガン)であった。例によって我が国に特有の真実を蔽(おお)い隠す転換表現である。敗戦を終戦、占領軍を進駐軍と言い換える類いの細工である。貿易立国なんて真っ赤な嘘、実は輸出立国であった。輸入を促進する気なんか芥子(けし)粒ほどもないし、また実際のところ不可能である。売れるように売れるように努めよう、しかし輸入は考慮の外に置く。これが戦後の国是であった。戦後の我が国にとって唯一の選択肢であったこと論を俟(ま)たない。この基本方針に即して霞が関官僚は考え得る限り規制の網を張り非関税障壁を設け、外国商品が日本市場に参入できぬよう十重二十重の守りを築いた。しかしよろず物事には限度がある。日本経済戦争という物騒な表現が新聞に顔を出すようになった昭和45年から、既に時代が変ったのであるゆえ輸入阻止の規制を徐々に緩和すべきであった。その発想転換を怠ったのが日米経済摩擦の原因である。

慶長年間の、角倉素庵(すみのくらそあん)は家訓を残し、およそ貿易は先方にも当方にも利益をもたらすための商業であって、相手に損をさせて儲けるようでは宜しくない、と教えた。『国富論』に先立つこと2百年である。霞が関官僚が愛国心に駈(か)られて輸入が困難となるよう取り計らったのであることは認めよう。しかし世には薄っぺらな愛国心と奥行きの深い愛国心とがある。遠く将来を見る愛国心に発するならば、商売相手に不快の念を与えないよう、どちらも得をして満足できるような関係の樹立へ意を用いるべきであった。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 向上心 《 シェークスピアが... | トップ | 日本史 古代編 《 死刑廃止が... »
最新の画像もっと見る

05-真相・背景・経緯」カテゴリの最新記事