電脳筆写『 心超臨界 』

歴史を綴るインクの正体は
単に変わりやすい先入観にすぎない
( マーク・トウェイン )

向上心 《 どんな小さな癖一つにも“人格”は表われる――サミュエル・スマイルズ 》

2024-06-23 | 03-自己・信念・努力
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「華々しい功績だけに目を向けていては、その人物の長所や短所ははっきりとわからない。時には、あまり目立たぬできごとや表情、口から出た冗談などのほうが、何万という兵士たちが殺し合う大戦争や、雲霞(うんか)のごとき軍隊を率いて町を攻め落とす話などよりも、はるかにその人物の性格をよく物語ることもある」
( プルターク )


『向上心』
( サミュエル・スマイルズ、三笠書房 (2011/5/21)、p147 )
第4章 見識を高める――「人生の教え」をいつ、どこから学びとるか
2 人生の教えをどこに読みとるか

◆どんな小さな癖一つにも“人格”は表われる

英雄たちの弱みや欠点はもとより、彼らの小さな癖やデリケートな心理状態などを生き生きと描写する技術もプルタークは持っていた。これらはみな忠実で正確な人物描写には欠かせぬものである。

プルタークは話題を砕いて、ごくありふれた癖や特徴まで読者に伝えてくれる。

たとえばアレクサンダー大王は気どって頭をいつもかしげていたとか、アテネの政治家アルキビアデスは洒落者で舌足らずな発音でしゃべったが、それがまた彼の人柄にぴったりで、その話し方が優雅で説得力があるように聞こえたとか、カトーは赤毛で目は灰色、守銭奴の高利貸しで、年老いて動けなくなった奴隷を高い値段で売り飛ばしたとか、シーザーは禿げ頭で派手な格好をするのが好きだったとか、キケロは無意識に鼻をぴくぴく動かす癖があったとかいうことが細かく書かれている。

これらの細かい部分に注意を払い、その重要性を無視しなかったのがプルタークのすぐれた点である。

彼は主人公の特徴をより具体的に描写するために逸話を使うことがあった。これは平凡な説明を羅列するよりも、その人物の性格をよりはっきり描き出すのに効果を上げている。主人公の英雄が特に好んだ格言を例にあげることもあった。それによって、その人の心の中が理解できる場合がよくあるからだ。

弱点について言えば、たとえ偉大な人物でもおよそふさわしくないような欠点はあるものだ。誰にも欠点や変わった癖があるのである。どんなに偉い人でも、短所があるからこそ人間味があるのではないか。われわれは、少し離れたところから彼らを偶像として祭り上げるが、近寄ってみると、彼らもまた欠点もあり、まちがえることもある自分たちと同じ仲間だったことに気づくだろう。

そして偉人たちの欠点をさらけ出して見せることにはそれなりの効果がある、と言うのは、もしも長所だけを見せられれば、自分などはとてもこの人を手本にはできないと自信をなくし、がっかりしてへたり込んでしまわねばならないからである。

プルターク自身、自分は歴史ではなく人間の一生を書くのが目的であると言って、伝記を書く態度について自信を持ってはっきりと打ち出している。

「華々しい功績だけに目を向けていては、その人物の長所や短所ははっきりとわからない。時には、あまり目立たぬできごとや表情、口から出た冗談などのほうが、何万という兵士たちが殺し合う大戦争や、雲霞(うんか)のごとき軍隊を率いて町を攻め落とす話などよりも、はるかにその人物の性格をよく物語ることもある。
 肖像画家は、性格がいちばんよくあらわれる顔の輪郭・表情・目の動きなどを正確にとらえ、身体の他の部分には一切注意を払わないものだが、それと同じことで、私も人間の心の動きや兆候には特に注意しなければならない。私はこのやり方で英雄たちの一生を描くことに専念し、彼らが成し遂げた偉業や大戦争については、他の作家の手に委ねることにしよう」

このようにプルタークは語っている。
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