この花は、秋になるとちょっとした空地があれば咲く、紫苑という中国原産の野草なんだ。この花の仄かな香りが、ふと秋を感じさせてくれる存在感が良いんだよ。これで進めよう、娘の名は……。 . . . 本文を読む
オランダといえば、チューリップや風車、運河のそばで牛が草をはむ豊かな牧場を連想する人が多いだろう。だが、オランダ、特に北海沿岸は、短い夏をのぞき1年の4分の3はどんよりと暗い雲に覆われる。真冬となれば運河は凍り、北海からの潮風にあおられるみぞれに打たれながら、人々はひたすら春を待つ。一昔前までは、産業といえば暖炉の燃料用泥炭(でいたん)や酪農しかなかった。こうしたオランダ最北フリースラント州の小都市オストステリングベルフで1971年に起きた安楽死事件が、オランダの安楽死合法化運動の発端となった。 . . . 本文を読む
日経新聞「やさしい経済学」が日本の企業家を特集しています。今回の企業家は、四大財閥の一角、安田財閥を築いた安田善次郎。解説は、一橋大学教授・寺西重郎さん。以下にダイジェストを記します。 . . . 本文を読む
先日発売された世界経済フォーラムの国際競争力レポートによると、日本は総合で12位。しかし、国の債務(借金)残高の水準は117か国中114位、財政赤字は113位で最下位に程近い。ところが個人金融資産は世界でトップクラスにある。つまりどういうことかと言うと、戦後の日本人は個人の権利ばかりを主張し、出すものは出さずに保障ばかり要求してきた、その帰結というわけだ。インディヴィデュアルとしての豊かさばかりを追い求めパーソンとしての豊かさは置き去りにしてきた結果でもある。 . . . 本文を読む
20世紀を代表する知の巨人・ピーター・ドラッカー氏(95)が11日、亡くなられた。分権化、目標管理、知識労働者、民営化――。今、当たりまえに使用しているこうした経営用語はすべてドラッカー氏が生み出した造語なのだ。今でこそ当然のごとくに議論されている日本の人口問題、高齢化社会、年金問題などにも、十数年前から警鐘を鳴らしていた。 . . . 本文を読む
斬られた瞬間、ドスンという衝撃を受け、倒れそうになるのを懸命にこらえた。そばにいた加山雄三、田中邦衛ら若侍たちは、私の体から血が噴き出したので「事故か」と思った。映画の中の、口を半開きにして青ざめた彼らの表情は演技ではない。容器から伸びるビニール管が着物の裾(すそ)を通って地下に埋められ、20㍍ほど離れた酸素ボンベにつながっていた。立ち会いの瞬間にボンベの空気が送り出され容器の中の血を5㍍も飛ばしたのだった。その仕掛けを撮影が終わって初めて知らされた。
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黒澤監督の殺陣では実際に刀を体に当てるから小さなケガが絶えなかった。東映のチャンバラ映画の殺陣が「舞う」なら、黒澤映画は「斬(き)る」という表現がふさわしい。三船さんの動きはすばらしかった。息を詰めたままに目にも止まらぬ速さで何人もの敵を切り倒す。そばで見ていても、どうやって斬ったのかわからないほどだった。監督から演技について特別の注文はなく、『人間の條件』の梶とは全く違う役に気持よく打ち込めた。ラストシーンで、私は楽しみながら三船さんに斬られて死んだ。 . . . 本文を読む
すると相手方は次には野田佳彦政権の内閣官房の名で、〈女性宮家の創設〉なる異様な案件を提言し有識者を数次に分けて招請・諮問して、小泉内閣で未遂に終つた工作の名前を変へての再度の実現の目論見(もくろみ)に出た。昨年11月末に報道された公務としての〈皇女〉法制化案も、又しても名前を変へただけの女系天皇容認工作の再現である。破壊主義者達の執念の根深さは今後もどの様な一見無言の如(ごと)き仮面を着けて蠢動(しゅんどう)を始めるか判(わか)らない。厳に警戒が必要である。 . . . 本文を読む
早稲田のつながりで、早稲田大学出身の松村謙三に目をつけますが、清貧な松村には、女も金も通じません。ところが調べていくと、松村は蘭の花が大好きで、自分で栽培するほど凝(こ)っていることがわかって、中国はこれを突破口にします。さまざまなルートで「蘭を見に来ないか」と訪中を促し、ついにこれに成功するのです。まんまと松村を親中の橋頭堡(ほ)にした中国共産党は、廖承志の下、どんどん対日工作の規模を拡大していきます。 . . . 本文を読む
個人の恣意に生殺与奪の権力を付与する「一発不合格」制度は憲法の禁ずる検閲である。また、国家公務員が特定の教科書会社を差別的に扱うことは、憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という規定に明白に違反する。 . . . 本文を読む
当時の外務省は、杉原氏はあくまでも依願退職で、外務省が間違えた判断をしたことはないので、名誉回復の必要はないという姿勢だった。しかし、鈴木宗男氏の意志は強固だった。鈴木氏は外務省にとって重要な応援団だ。そこで外務省は、姑息な妥協策を考えた。 . . . 本文を読む
井上氏には離婚歴がある。最初の妻が自著で夫(井上氏)の凄まじい家庭内暴力の実態を克明に綴っている。「本気で殺す気だったと思えるほどの暴力だった」「肋骨と左の鎖骨にひびが入り、鼓膜は破れ、打撲は全身に及んでいた」「しばしば好子を死ぬほど打ちのめした」「部屋に入るなり引きずり回される日もあった」「机の下で首をしめられる」(西舘好子著『修羅の棲む家』はまの出版) . . . 本文を読む
ベトナム戦争以降、学界を含む知識人の世界では、ソ連の大規模な米国内でのスパイ活動否定論が通説となり、しばしば、極右反動によるでっち上げとまで言われていた。金正日(キムジョンイル)が2002年9月の日朝首脳会談で自白するまで、日本で拉致被害が拉致疑惑と呼ばれ、多くのリベラルと称する政治家や知識人が、右翼のでっち上げと主張していたことに似ている。いまだ北朝鮮を擁護する日本人がいるように、米国にも、ヴェノナによってソ連エージェントであることが決定的に示された米国人がスパイではないと強弁する学者や知識人が少なくない。 . . . 本文を読む
慰安婦の前に「従軍」を付けた「従軍慰安婦」なる造語を、わざわざ子供に記憶させる歴史教育って奇妙ではないか? 戦地での慰安所は公娼制度のあった当時の遊郭のようなものである。軍は関与した。「業者の強制連行を防ぐように命令を出す」という関与をした。その証拠はある。軍の犯罪と主張する側は、なぜ「立証責任」を果たさぬまま、世論を誘導して「冤罪」を作り出そうとするのか? インドネシアでは2万人の兵隊に2万2千人の慰安婦が賠償金を求めて名乗りを上げる珍事も発生している。すべて反日運動家の謀略である。私たちは、従軍慰安婦の記述を教科書から削除すること要求する。
(小林よしのり) . . . 本文を読む
支那での経験が長かったアメリカの外交官、ジョン・マクマリーは満州事変以降の日本の行動に反対しながらも1935年の手記で次のように書いた。《日本をそのような行動に駆り立てた動機をよく理解するならば、その大部分は、中国の国民党政府が仕掛けた結果であり、事実上中国が「自ら求めた」災いだと、我々は解釈しなければならない。》 . . . 本文を読む