「致知」2003年3月号の特集は、縁尋機妙。「縁尋機妙」は、安岡正篤師がよく口にされた言葉である。「よい縁がさらによい縁を尋ねていく仕方が実に機妙である」という意味である。また安岡師はこれと対句のように、「多逢勝因」という言葉もよく説かれた。「よい人に交わっていると、気づかないうちに、よい結果に恵まれる」ということである。「致知」編集発行人・藤尾秀昭さんは、縁尋機妙、多逢勝因は「致知」の歴史そのものだったと語られています。「致知」は、2003年10月で25周年を迎えることになります。 . . . 本文を読む
イチローに続いて二人目のシーズンに2百安打を、ヤクルトの青木宣親(のりちか)選手が達成した。彼の座右の銘は、「反骨心」だという。長い下積み時代にやめたくなるほど辛いことがあっても、この反骨心でここまできたと、と彼はいっている。「反骨」とは、権威や時流に反発し抵抗する気概をいうが、もとの意味はかなり違っていた。人相学・骨相学の用語だったのである。 . . . 本文を読む
思いの中核にあるものは、言葉です。言葉によって、思いを支配することができるのです。すべては言葉通りに、思いの通りになるのです。言葉を選び、言葉を駆使することによって、自分の思いを自由自在に支配することができるのです。 . . . 本文を読む
今、国際的なビジネスを展開する上での時間、空間、国境の障壁が劇的に消失し、世界は平たくなったといわれる。アップルは持ち前の独創的なデザイン力に加えて、この「平たい地球」を100%活用して開発期間の短縮、汎用部品の徹底活用などハードの競争力を高めている。アップルは「選択と集中」を巧みに徹底させた世界大分業を謳歌しているといえる。 . . . 本文を読む
私が若い頃に仕えた海上自衛隊佐世保地方総監の話ですが、佐世保市内で隊員が酒を飲み、飲食店のスダンドを壊したことがありました。すると、次の日に地元の新聞記者が総監に詰め寄るわけです。「あなたは昨日の事件を知っているのか。そんなことも知らず、本当に国を守れるのか」と。 . . . 本文を読む
『致知』の読者よ。身近な坂村真民先生が96年のご生涯の中で常に「念ずれば花ひらく」「志のあるところ道がつく」と説かれていたではないか。あなたの一隅を照らす光は、必ず千波万波となってこの国を照らし、夢多き、志高い若者たちが陸続(りくぞく)と生まれてくるはずだ。 . . . 本文を読む
日本での新型コロナウイルス感染の拡大は、安倍政権が中国の反発を恐れて中国からの入国者を規制しなかったことが主要な原因だとする見解が米側で広まってきた。米国など多数の諸国が中国からの直接の入国を全面禁止しているが、日本は一部の省からの入国規制だけで、防疫よりも政治を優先した結果だとする辛辣(しんらつ)な見方である。 . . . 本文を読む
しかし、一方また加藤周一はなかなかもって用意周到です。彼は自分がこのように提唱する根拠として、フィンランド史をみっちり勉強した結果であるとは言っておりません。ちゃんと逃げ道を用意してあります。彼の立言は「短い旅行の間」に得た「さしあたり」の「印象の要点」なのです。「さしあたり」の考えであり「さしあたり」の発言なのです。 . . . 本文を読む
連合軍が押収して1946年にニュルンベルク裁判に提出されたドイツの記録文書は、恐怖をあおるためにドイツ人征服者が組織的に強姦したことを立証している。ポーランド、ユダヤ、ロシアの女たちが強姦され、多くの場合、むごたらしく殺された。情容赦なく何百人もの少女や女性が迫害され、軍用娼家へ追い込まれ、そこで強制売春に使役された。いわゆる『慰安勤務』である。それが管理的に行われた大量殺人の前段階だったこともしばしばだった。 . . . 本文を読む
この後に17、8歳より23歳ぐらいまでの時期が来る。今で言えば、大学の4年間に相当する時期ということになる。この時期は、「実にむずかしい時期である」と、まず喝破する。本当は世阿弥のいうとおりなのだが、現在の日本では、大学受験にのみ関心が集中してしまっているので、むずかしい時期が来るのは大学に在学中の年ごろなのだ、という認識が薄れてしまっている。 . . . 本文を読む
異質なものを同化するとき、その人の教養は次元を一つ高めて拡大する。古代の日本人は漢詩を読むことによって、自然に対する新しい目を開き、それを和歌にも導入して豊饒化した。それと同時に和歌で磨いた感受性は、漢詩に触れることによって主観におぼれることから救われたし、漢詩を作るときにも、和歌的な感じ方を加えることができるようになった(これが「和習」の根である)。 . . . 本文を読む
人間が生涯をかけて最も強く追い求め欲しがるものはなにか。詰まるところはただ一筋、自分が世間から少しでも高く認められる評価である。測りしれぬ財宝を蓄えて深山の洞窟(どうくつ)に埋めこみ、ぜったい誰にも知れぬよう隠し通した者はいないであろう。
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いつも明るい心を持つこと。将来へ希望を胸に秘めることは、耐え忍ぶことでもある。これは人生に幸せと成功をもたらす重要な鍵の一つである。哲学者ターレスが、「他には何もなくても、希望だけは誰もが持っている」と言ったように、確かに希望はごくあたりまえのものではである。しかしまた、希望は貧しい者を救う強い力であり、「貧しい者のパン」とも呼ばれてきた。 . . . 本文を読む
ここでちょっと、空想の世界に浸ってみよう。あなたは心から、みんなに認めてもらいたいと願っていて、実際それが可能であると想定しよう。さらに、これは健全な目標であるとしよう。以上の点を心にとめたら考えてもらいたい。この目的をかなえるには、どのような方法が最良でもっとも効果的だろうか。 . . . 本文を読む