司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

就任承諾書の要否 その3

2012年09月11日 | 商業登記

 おはようございます。

ちょっと余談です^^;

クライアントさんからたまぁ~に質問があります。
「取締役じゃないヒトが株主総会に出席しても良いんですか?」とか、「事前に就任承諾をしちゃあいけないんじゃないですか?」ってハナシ。

えっと。。。。
現任の取締役は、株主総会への出席義務があるワケですけど、新任の取締役候補者は出席権限がないから、就任承諾できないんじゃないか?という理屈のようです。
気持ちは分かりますね。。。

ま、でも、例えば、取締役じゃなくっても、従業員の皆さんは株主総会に出席(というかどうかは分かりませんが)しますよね~。。。
なので、関係者は会場にいたって別に問題ないし、新任取締役候補者の方は、株主総会に出席して株主の皆様方にご挨拶をした方が良いデスモンね。

。。。というわけで、候補者のヒトが株主総会に出席して、その場で取締役への就任を承諾するのは普通のことだと思います。

「事前の就任承諾はダメッ!」ってハナシは、出所は良く分かりませんけど、選任されることを条件として就任承諾するんなら、何の問題もないです。。。というか、ワタシ自身は、「会議に欠席したヒトが、取締役会の直後に就任承諾書を提出できるわけないでしょお~!」と思っていますんで、就任承諾書は基本的に選任日前の日付にしていただいてます。

さて、昨日のハナシですけどね。。。旧商法下でも同じような取扱いでした。。。

会社法施行前の議事録のハナシも何度か出てきていると思いますが、以前は、「議長及び出席取締役の記名押印(または署名)」が必要とされておりました。
なので、取締役に関しては誰が出席しているか明確だったのですが、会社法では記名押印義務が廃止されちゃったので、出席役員の氏名の記載が必要とされたのだと思います。
けれども、ちょっと違うのは、監査役。
会社法施行前は、「出席監査役」の記名押印をするかどうかは任意でしたが、現在は、「出席監査役の氏名」が記載事項になっています。
(ただし、監査役の記名押印をさせる会社サンも結構ありました。)

つまり、現在のように、「出席監査役」としての記名押印がなく、さらに、末尾に記名押印もされない、という議事録は、改正前からあったんです。もちろん、「期限付選任決議や、期限付就任承諾の場合」も同じことです。

。。。というわけで、以前から、このような場合でも議事録の援用は認められていたので、考え方としては特に変わったわけではないと思います。
(ただし、以前から、こういう議事録を就任承諾を証する書面として援用しますと、法務局から「問い合わせ」のお電話をいただくことがありました^^;)

ですが、実際モンダイとしては、会社法で議事録に記名押印義務がなくなったことが影響しているんでしょうね~。。。
(本人が知らぬ間に取締役に就任してた。。。なんてこと。。。)
そこで、少なくとも就任承諾した旨の議事録の記載ぶりは、「出席していたこと」「会議の席上で就任承諾の意思表示をしたこと」が明確になるような文章じゃないと困るよ!ってことのようです。
或いは、援用できるケースでも、就任承諾書の提出を求めたり(←強制ではないと思います)、記名押印義務のないヒトに議事録への記名押印を求める。。。。というような法務局もあるらしい。。。(この辺では聞いたことありません)

確かにねぇ~。。。実はワタシも同感。。。。というか、本人の印鑑もないのに、援用できちゃって良いの?(ホントに就任を承諾したのかどうか分かんないじゃん!)と思ってはいるのです。
だけどそれって、「就任承諾文言として、なんて書いてあるか?」ってこととは、別の次元のハナシのような気がします。
ですから、法務局が仰ることも一理あるとは思いつつ、これまでの運用を変更するとか、法務局によって扱いが異なるってのは、賛成できません。

ただし、登記とはちょっと切り離して、ワタシ自身は、一定の基準に従って、就任承諾書をご準備いただくようにしています。

つづきはまた明日♪ 

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4 コメント

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条件付就任承諾 (genmai)
2012-09-12 05:49:29
 おっしゃるとおりではありますが、私は、あえて、「選任日付けの就任承諾書」を、事前に提出してもらうことによって、実際の事前承諾扱いとしてきました。
 事前の承諾日で作成する場合、「年月日開催予定の総会において選任されることを条件に」とか、「年月日に選任されることを条件に」となるのでしょうか?
 それとも、選任日(選任行為)との対応は気にせずに、「貴社の取締役に選任されることを条件に」などとすればk/}足りるのでしょうか?
返信する
Unknown (charaneko)
2012-09-12 09:28:52
genmaiさん、朝早くからコメントをいただきありがとうございました!
ワタシが勝手に拘っているだけなんですけどね。。。^^;
事前か事後かという話ですが、就任承諾書の日付が株主総会と同日であっても、「選任されたので」と書けば事後承諾でしょうし、「選任された場合は」と書けば事前承諾だと思います。
事前就任承諾の場合は、ワタシだったら「年月日開催予定の株主総会において取締役に選任された場合は。。。」と記載しています。日付は、株主総会招集決定の取締役会と同日(又はそれ以降で株主総会開催日まで)にすることをおススメしています。
この取締役会で取締役候補者を選任しますんで、候補者に選ばれる前に勝手に就任承諾するのも何だかな。。。というコトです。
さらに言うと、上場会社の場合、候補者が株主総会の招集の時点で就任承諾していない場合は、その旨が招集通知(参考書類)の記載事項になりますので、それが書いていないのであれば、必ず事前に就任承諾しているはず。。。というのも理由です。

でも、基本的に就任承諾していることが分かれば、細かい文言は大して気にしなくて大丈夫だと思いますよ~。
(3つどれでもダイジョウブでしょう。)

でもね。。。実際、クライアントさんが作ってくる就任承諾書は、事後承諾が多いです^^;
。。。というわけで、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (genmai)
2012-09-12 19:22:08
 とっても、ためになりました。
 今後は、条件付承諾でやろうと思います。

 書き忘れましたが、いつも読ませて頂いております。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (charaneko)
2012-09-13 09:24:59
genmaiさん、わざわざありがとうございました_(_^_)_
お役に立てたのでしたら何よりデス。
またのコメントお待ちしていますね♪
返信する

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