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司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

外国通貨による増資

2009年05月28日 | 株式・新株予約権

当事務所では外資系のクライアントさんが非常に多いので、当然ながら増資の際も海外送金を行うことになってしまいます。

以前は、銀行発行の株式取扱保管証明書が必要だったので、ぴったりの額を送金してもらうことがなかなか難しかったんです。つまり、手数料がいくらになるかが送金元で分からないので、送った金額から手数料が差し引かれてしまったり、為替レートの関係で円にする際に多くなったり、少なくなったり。。。。
まあ、足りなければとりあえず日本側で立て替えたりも出来るんですが、多い場合は、別段口座に入るために出金ができないという問題が起こります。

今は、保管証明書の手続がなくなり、会社の口座に直接送金すれば良いので、ずいぶん楽になりました。が、それでもお相手は外国ですから、色々あるんですよ、実は。

先日は、「増資の出資金をドルの口座にドルで受け入れたいんですが」というご相談がありました。そのお金をそのままドルで送金する予定があって、円にしてしまうと、手数料が膨大になるので円に転換したくないということでした。

決議の仕方としては、2通りあります。
①発行価額や増加資本金などをすべてドルで決議してドルで払い込む方法
②発行価額や増加資本金などは円で決議してドルで払い込む方法

最終的にはどうなるかというと、資本金の額は円でしか増やせませんので、払い込みの日(払込期日 OR 払込期間の場合は払い込んだ日)現在の為替レートで円に換算した金額が、増加する資本金の額ということになります。
登記の際は、当日の為替レートとそのレートで円換算した額を資本金の額の計上に関する証明書などに記載すれば良いことになっております。

そんなことやっていいのぉ~?とギモンに思われているかた、ダイジョブですよ~
会社計算規則では、外貨による払込を前提にした規定を置いています。

(募集株式を引き受ける者の募集を行う場合)

会社計算規則第14条  法第二編第二章第八節 の定めるところにより募集株式を引き受ける者の募集を行う場合には、資本金等増加限度額は、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号に掲げる額を減じて得た額に株式発行割合(当該募集に際して発行する株式の数を当該募集に際して発行する株式の数及び処分する自己株式の数の合計数で除して得た割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額から第四号に掲げる額を減じて得た額(零未満である場合にあっては、零)とする。
 法第二百八条第一項 の規定により払込みを受けた金銭の額(次のイ又はロに掲げる場合における金銭にあっては、当該イ又はロに定める額)
 外国の通貨をもって金銭の払込みを受けた場合(ロに掲げる場合を除く。) 当該外国の通貨につき法第百九十九条第一項第四号 の期日(同号 の期間を定めた場合にあっては、法第二百八条第一項 の規定により払込みを受けた日)の為替相場に基づき算出された額
================================ 
 
②の外貨で決議することについては、外貨であっても“金額”に変わりないので問題なし!とされてマス。

結局、その会社さんは②の方法を採用されました。①にすると、資本金の額がすごく切りの悪い額になってしまう(可能性が高い)からです。
ただ、②にする場合は、決議した資本金の額以上が払い込まれていなければならないので、為替リスクの関係で、多めに送金する必要があるというデメリットもあります。そして、多めに払い込んだ分を準備金にする場合は、それも決議に盛り込まなければなりませんよね。

それから、払込を証する書面についても外国の銀行は通帳がないので、「どうするのよ!?」というモンダイもありますが、つづきはまたあした。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
外国通貨建てが可能かも (みうら)
2009-06-06 19:32:20
外国通貨建ては好ましからず・・・という先例があります・・
ダメとは完全に言っていない

内地でも活動する上海などに本店を有する日本の会社
内地でも活動する占領地に本店のある会社
を対象にのみ言っているかどうかです
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外貨の払込について (たまパパ)
2012-11-12 09:09:53
いつも楽しく拝見させていただいております。

ずいぶん以前の内容へのコメントお許しください。

設立や増資の際に金銭出資(外貨)と定め、日本円で外貨を買ってからその外貨を入金するとした場合、銀行の為替レートとしてTTSレート(1ドルが仮に79円で1ドル当たりの手数料が1円とした場合、ドルの買入れ額は合計80円)が適用されているときは、仮に100ドル分増資したとすると、これを資本金の額に日本円で表していく場合、79万円の増加となるのでしょうか、それとも80万円となるのでしょうか。
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Unknown (charaneko)
2012-11-12 10:13:03
たまパパさん、こんにちは♪
コメントありがとうございましたm(__)m

お問い合わせの件ですけれども、原則としては、手数料を含まない額になると思います。
外貨での増資の場合、通常は、海外送金で入金されますが、それを円に換金しない場合もありますよね~。その場合は、当然ながら手数料は発生しませんから、手数料を含まない額になります。

ただし、為替レートって、日々刻々と変わるモノですし、上場株式なんかと違って「入金時の為替レート」で換算するようなので(株式の場合は、当日の市場価額の終値)、登記上は、上申したとおりに受理されてしまうと思います。

個人的には、結構アバウトなモノだなぁ~って気がしています ^_^;
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Unknown (たまパパ)
2012-11-12 11:21:07
早速回答いただきましてありがとうございました。

も~、大変参考になりました!
返信する
円建て決議・米ドル払込後の端数 (いのうえ)
2014-12-03 14:00:54
いつも参考しています。
だいぶ昔の記事からお伺いして申し訳ないのですがこれから増資する分で、

円建てで決議し、米ドルで払込、円に両替後、端数の約10万円をどう処理しようか(寄付金として受け取るか返金するか)困っています。
何かアドバイスをいただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
返信する
Unknown (charaneko)
2014-12-03 14:28:27
いのうえさん、コメントありがとうございました m(__)m
この記事、ホント、懐かし~です。

外貨で払い込む場合には、端数が生じてしまうケースが多いですが、払込金額の総額を超える部分は、資本準備金に組み入れることができますよ。
(実際、外貨での払込みの場合は為替変動を見込んで多めに払い込んでもらっています。)

例えば、払込金の総額が100万円と決議されていて、実際に110万円払い込まれてしまう場合には、差額の10万円は資本準備金にすることもできます。ただし、募集事項を決議するに当たっては、資本準備金の額として、「払込金の総額を超える払い込みがあった場合には、その超過額の全額を資本準備金とする。」としておきます。具体的な超過金額は分からなくてダイジョウブです。
何も決議しなければ、単に余計なおカネ。。。寄付金とか、預り金とかになってしまうと思います。

ちなみに、超過額を準備金に組み入れる場合、資本金の額は、払い込まれた金額(110万円)の2分の1(=55万円)以上にする必要がありますので、念のため♪

こんな感じでいかがでしょう?
アドバイスになってないようなら、またコメントくださいませ。

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