司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

シャチハタ その2

2010年03月15日 | いろいろ
ハンコ屋さんが同じ印鑑を作ってはいけないという掟が、いわゆる三文判にも当てはまることだとしたら(多分同じだと思うのですが)、全く同じ印影の印鑑はほとんどない、ってことになります。
一方、シャチハタ印は、型番が同じなら、全く同じ印影ですよね。当然。

認印による(記名)押印は、印鑑証明書との照合までは行う必要がないけれど、少なくとも本人の認印で押印されたのならば、書類の内容は本人の意思に基づくものだと考えられる、ってことだと思うんです。

議事録に認印を押す場合、新保さんが2人いたとしたら、同じ新保であっても押された印鑑は違う印影でなければなりません。

つまり、同じ印鑑が押されていた場合、
「2人の人間が同じ印影の別の印鑑は持っていないはずだ。 だから、どちらかが、他人の印鑑として自分の印鑑を押したんだ。」
と考えられますから、ダメなんです。

普通の三文判だったら、何も考えなくても別の印鑑を使えば別の印影になりますけど、シャチハタの場合は、物理的に同じ印鑑がい~っぱい存在するワケですから、「この人が所有している印鑑」と特定できない、つまり、「ダレが押したか分からない」と考えるのではないかな~。。。と思っています。

昔、Aさんが「B」というハンコを押したらいけないんだろうか? とか考えたことがあります。
「認印なんだから、どんな印影でもいいんじゃないの?」と。
それも、結局は慣習なんですよね。Aさんは「A」のハンコを押すもの。別の印影なら、本人が押したとは認められないんです。

会社が商号を変更した場合、新しい商号に合わせて印鑑を作り直しますが、これも同じです。違う商号の印鑑を使い続けるのは、常識的に考えておかしいからです。
注)ただし、登記法上の制限はないので、改印は強制ではありません。

【まとめ】
認印は、一人一人別の印影のものを持っている。
→そのヒトの認印を押してある書類は、そのヒトの意思に基づいて作られた書類だと考えられる
→シャチハタは皆同じ印影である
→そのヒトの印鑑だと特定できない
→本人の意思に基づいて作られた書類と考えるのが難しい
→ダメ!

結局は、日本での記名押印の慣習が大きく影響しているんでしょう。。。。というわけで、登記の書類にはシャチハタは押さないでいただきたいのですが、実際押してしまった場合はどうなるか?

シャチハタって、特有の印影なので、大体は分かります。
分かりますが、「絶対シャチハタだ!」と断言できるほど明確ではないですね (^_^;)
そのため、通常、登記は問題なく通ります。

ワタシの立場としては、「シャチハタは禁止」と言うしか無いデス。
。。。が、不可抗力だったら次回から気を付けていただければ良いんじゃないでしょうか?(●^o^●)
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