ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

父の手紙

2009年03月08日 | 日記
昨夜はWBCの対韓国戦を見ながら、手紙を三通書きました。時折夫の解説入りでしたが、14対2の大差で、コールドゲームの試合を最後まで見ました。手紙を書きながら、ふと父がとても筆まめで、良く手紙をくれた事を思い出しました。
 学生時代に家を離れて以来、受け取った手紙は、百通に近くなるでしょうか。文字の上手い父の手紙は、さりげない言葉の端はしに、何時も温かい愛情が伝わってきて、受け取る度に嬉しいものでした。父が年老いて、もう何年も生きていないのではないか、と思った頃から、私は将来読み返す事を考えて、父の手紙を残しておこうと思い立ちました。
 以来私の手元に十数通の手紙が残りました。内容はその時々で葉書であったり、長い手紙であったりですが、例えば母と二人で私の嫁ぎ先へ来てくれた日の帰り道は、月が煌々と輝き心地よい春風の中を、駅から家迄歩いて帰ったとか、共働きで子供を育てながら親にも仕え、偉いものだと母さんと話し合っている、とか云ったような内容が、淡々と綴られているのです。
 父が亡くなって三十数年が経ちましたが、今でも時折取り出して、父の文字や温かい心に触れると、その時々の思いが鮮明に蘇り感慨深いものがあります。父の年齢にはまだ及びませんが、家族への愛情という面でも、私は父に遠く及ばなかったと思いながら手紙を書きました。せめて真心を込めて書いた積もりです。

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