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雑木・アセビ インテリアに

2024年08月14日 | ニュース

2024/08/14  読売新聞オンライン

群生地でアセビを取る小田さん(黒滝村で)

アセビを室内で飾る様子

黒滝村森林組合 東京の会社とタッグ

山林に自生し、雑木として捨てられていた低木のアセビが、観賞用のインテリアとして注目を集めている。黒滝村森林組合が、観賞用の「枝もの」を取り扱う「TRINUS(トリナス)」(東京)とタッグを組んで提供。全国のサービス利用者へ届けている。木材価格の下落や担い手不足が深刻な林業の現場で、関係者は「新たな収入源に」と期待する。

林業の新たな収入源 期待

今月上旬、村の山林にあり、人の背丈ほどの青々としたアセビが自生する群生地で、組合職員の小田陽平さん(40)が「収穫作業」にあたっていた。

120~160センチ程度を目安に刈り取り、枯れた枝や色の悪い葉を取り除くなどして整えると、軽トラックに積んだ水のタンクに差し込んだ。小田さんは「見栄えなど自分が飾ることをイメージしながら取っています」と笑顔をみせた。

アセビには毒があり、食べた馬がフラフラとしたことから「馬酔木」と書くとされる。村では風通しの良い尾根筋に群生。鹿などの獣が食べず、成長すると2~3メートルにもなる。間伐などの邪魔になるため、刈り取る必要があったが、これまでは周囲に捨てていた。

この廃棄されるアセビに着目したのがトリナスだ。同社は、観賞用の切り枝の定期配送サービス「枝もの定期便」を2022年8月にスタート。桜やドウダンツツジなど季節の枝ものを仕入れ、累計20万本を利用者に提供してきた。

切り枝は露地育ちで、季節感があるのが特徴。四季の移ろいを自宅で感じられると人気だ。アセビの場合、1~2か月楽しめる。ただ、栽培農家が高齢化する一方、需要増で品薄になりつつあるという。定期便の利用者も増えてきたことから、同社は良質のアセビが取れる紀伊半島で、村森林組合に協力を呼びかけた。

組合によると、アセビを収穫する夏場は林業の閑散期。伐採の繁忙期は9月~翌年3月頃で、切った木が傷みやすく価格も安い夏場は、雑草刈りなどに充てていた。そこへ新たな仕事としてアセビの収穫・出荷がフィットした。

組合参事の的場真一さん(51)は「雑草、邪魔者扱いで、売れるという認識がなかった。夏の仕事になる」と歓迎する。的場さんらは、商品になるアセビの選び方や 剪定せんてい 方法を学び、6月下旬に初出荷。週に約360本を出荷し、今月中旬まで定期便の利用者に届けられる。

アセビは大阪の花市場を経てトリナスの作業所へ。そこで汚れを除き、水を吸わせるなどの処置を行い、利用者に発送される。村産のアセビは「ボリューム感があってきれい」と評判も上々だという。

林業従事者の減少や放置林の増加が問題になる中、刈り取っても数年で成長して再出荷が見込めるアセビは、継続的な収入源となる可能性がある。

トリナスの佐藤真矢社長は「山に入る人や機会を増やせる。生活が成り立てば、若い人も入ってくるかもしれない」と期待。組合の的場さんは「組合は、植林、伐採、搬出まで全部やっており、後継者を残さないと林業が衰退する。アセビで組合の収入増が見込め、人材育成にもつなげられる」と話している。 

 

 

 

 

 

 

 

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