『鳥』 アルフレッド・ヒッチコック監督作品(1963年)
突然見たくなってしまって、昨日レンタルしてきました。
子どもの頃から何度も見たことがあったと思うのですが、
いま見ても、実に面白い。
「鳥の大群が人間を襲う」という、ただそれだけのシンプルな話ですが、
サスペンスの盛り上げ方が本当にお手本のようです。
例えば、小鳥の大群が暖炉から部屋の中に突入してくる
→ 事件後、お母さんが割れたカップを片づける
→ お母さんが他の家を訪問する
→ その家で、カップが割れているのを見つける
と、これだけで、その家で異変があったことが観客にわかるわけですよ。
(そして実際、非常にショッキングな光景に出くわすのですが)
基本、何かが起こるときは、その前に必ず予兆があって、
否が応でも盛り上がるように作っているんですね。すごいなあ。
一方、そういうパニック映画的な部分だけではなく、
若い弁護士を巡る女達の密やかな攻防も、
いま見ると、ああそういうことか、とわかったりしました。
(子どもの頃は、よくわかりませんでしたが)
まったくセリフがなくても、何が起こっているかわかる、
人々が何を感じているか伝わってくる、というのも
ヒッチコックの力量を感じずにはいられません。
このDVDには、メイキングと関係者のインタビューがついていて、
それも非常に興味深かったです。知恵と工夫と技術の結晶。
特撮が多用されているのだろうなとは予想していましたが、
300カ所以上もあったとは、そして、その場面もこの場面も特撮だったとは。
ロケにしか見えない場面もオープンセットだったり、
風光明媚な港町の風景が、実は絵(!)だったり。
(映画で見ている間は「絵」にはまったく見えません)
そして、そこまで丁寧に特撮で撮っているのに、
ラストの惨劇は、ホンモノの鳥で撮っている、というのが
心意気というかむちゃくちゃというか。
(ティッピ・ヘドレンは5日間このシーンの撮影をがんばり、
その後1週間入院したそうです。過労で)
一番好きなのは、やはりジャングルジムのシーンです。
のどかな子どもたちの歌声とあいまって、忘れられないシーンだと思います。
時に自然は、人間に対して、理由もなく襲いかかります。
この映画では、それが鳥でしたけど、
自然災害のすべてに置き換えて見ることもできるなあ、と思いました。
突然見たくなってしまって、昨日レンタルしてきました。
子どもの頃から何度も見たことがあったと思うのですが、
いま見ても、実に面白い。
「鳥の大群が人間を襲う」という、ただそれだけのシンプルな話ですが、
サスペンスの盛り上げ方が本当にお手本のようです。
例えば、小鳥の大群が暖炉から部屋の中に突入してくる
→ 事件後、お母さんが割れたカップを片づける
→ お母さんが他の家を訪問する
→ その家で、カップが割れているのを見つける
と、これだけで、その家で異変があったことが観客にわかるわけですよ。
(そして実際、非常にショッキングな光景に出くわすのですが)
基本、何かが起こるときは、その前に必ず予兆があって、
否が応でも盛り上がるように作っているんですね。すごいなあ。
一方、そういうパニック映画的な部分だけではなく、
若い弁護士を巡る女達の密やかな攻防も、
いま見ると、ああそういうことか、とわかったりしました。
(子どもの頃は、よくわかりませんでしたが)
まったくセリフがなくても、何が起こっているかわかる、
人々が何を感じているか伝わってくる、というのも
ヒッチコックの力量を感じずにはいられません。
このDVDには、メイキングと関係者のインタビューがついていて、
それも非常に興味深かったです。知恵と工夫と技術の結晶。
特撮が多用されているのだろうなとは予想していましたが、
300カ所以上もあったとは、そして、その場面もこの場面も特撮だったとは。
ロケにしか見えない場面もオープンセットだったり、
風光明媚な港町の風景が、実は絵(!)だったり。
(映画で見ている間は「絵」にはまったく見えません)
そして、そこまで丁寧に特撮で撮っているのに、
ラストの惨劇は、ホンモノの鳥で撮っている、というのが
心意気というかむちゃくちゃというか。
(ティッピ・ヘドレンは5日間このシーンの撮影をがんばり、
その後1週間入院したそうです。過労で)
一番好きなのは、やはりジャングルジムのシーンです。
のどかな子どもたちの歌声とあいまって、忘れられないシーンだと思います。
時に自然は、人間に対して、理由もなく襲いかかります。
この映画では、それが鳥でしたけど、
自然災害のすべてに置き換えて見ることもできるなあ、と思いました。