原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

左都子の「法学概論」 小講座 Ⅷ

2020年05月25日 | 左都子の市民講座
 (冒頭写真は、我が2度目の大学にて受講した「法学概論」授業の最後の講義ノート。)


 S先生による「法学概論」講義もこの8シリーズ目で終焉を迎える。
 最後の最後にS先生が選んだのが法学の基本である「近代市民法」だったのには意外性があった。

 これを終えて私は2度目の大学を卒業し、4月からは大学院生としての学業を引き続き開始することとなる。
 あの春のことはよく覚えている。 またもや自分の目指す新たな方向へどんどん近づけそうな、何ともすがすがしい春だった記憶がある。
 とにかく超多忙の2度目の大学4年間だった。
 夜間や大学長期休暇中は仕事をしつつの勤労学生だった訳だが、実によく学びよく働き、その間に酒も恋愛も存分に堪能しつつ😜 、(何度も言うが)我が煌めくばかりの“華の独身時代”を過ごせたものだ。


 それでは、最後の写真を掲載させていただこう。

      



 この「近代市民法」に関しては、我が「原左都子エッセイ集」初期頃の“左都子の市民講座”内で取り上げている。

 その一つ、2007.12.16 公開の「近代市民法の基本原理とその修正(その1)」を、以下に再掲載させていただこう。

 近代市民法とは何か?
  近代市民社会において施行されている法のこと
   近代っていつ?  → 市民革命以降の時代
   市民社会って何? → 資本主義社会が市民社会
              (社会主義社会は市民社会とは言わない。
               生産手段の社会的所有により横並び社会では
               あるが、反面、自由が制約されているため。)
 我が国における近代市民法とは?
   私権を確立するために制定された私法の基本法である「民法」のこと
     これに対し、「憲法」とは、国家統治のあり方を定めた根本規範
            政治指針であり、具体的な権利義務は表れない
  近代市民法の根本理念 = “自由と平等”
    ここから、次の3つの基本原理が導き出される。
            ↓
        近代市民法の基本原理
          ○所有権絶対の原則
          ○契約自由の原則
          ○過失責任の原則

 ○所有権絶対の原則とその修正
   所有権絶対の原則とは
    近代市民法の根本理念 = “自由と平等” であるならば、
    個人が自由な意思で、平等な地位において手に入れた財産権、特に
    その代表的な所有権は何人によっても侵害されない、という原則
                ↓
    この財産権をどのように行使しようが、これまた自由
               = “権利行使自由の原則”
    権利を行使する過程において他人に損害を与えようと、法に触れない
    範囲内でならば責任は問われない。
    資本主義経済の高度発展は、この原則に負うところが大きい。
   しかし…
    資本主義の発展 → 貧富の格差の拡大
     一握りの独占企業がみずからの財産権を行使することにより
     他人に損害を与えてもよいのか?多くの人が不幸になってもよいのか?
       例: 公害問題、現在多発中の賞味期限偽造問題、etc…
    20世紀に入ってから、この基本原理に歯止めがかかった。
     「公共の福祉」 = 社会全体の共同の幸福  の思想の導入
       この枠を超える権利の行使は 「権利の濫用」となる。
        ワイマール憲法153条3項「所有権は義務を伴う」
         (「公共の福祉」を世界に先駆けて明文化した。)
    このように、「所有権絶対の原則」に制限を設けた。     
      ところが、この「公共の福祉」概念は抽象的かつ曖昧であり、
      “諸刃の剣”の側面もあるという弱点を抱えている。
        個人の自由が制限される。
        権力者がこのような尺度を利用して、私権を恣意的に侵害する
        危険性もある。
      両者の整合性を取ることは、今なお困難な課題である…
 
 次回の“左都子の市民講座”において、「近代市民法の基本原理とその修正(その2)」と題して「契約自由の原則」を、次々回「同(その3)」と題して「過失責任の原則」について解説します。お楽しみに! 

 (以上、本エッセイ集バックナンバーより引用したもの。)


 ところが…

P.S.
  本エッセイ集の著者である原左都子が 2007年公開 「原左都子エッセイ集」内に綴った当該文書が、数年後の年月日の日付にて 見知らぬ人物により yahooに於いて丸ごと無断転載され、 “yahoo 知恵袋”内某質問事項の“ベストアンサー”として公開され続けております。 
 この案件に対し、私どもより yahoo相手に善処を要求したものの、なしのつぶての有様です。
 yahoo には、一なる大手企業として「著作権」侵害に対する更なる認識をお持ち頂きたい思いですが、それが叶わない現状に即し、読者の皆様にお願いがございます。
 我がエッセイ集より、ネット上の別サイトへ転載・引用する場合には、必ず 「原左都子エッセイ集より転載・引用」 の一言を末尾に記載して頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
                 「原左都子エッセイ集」  著者  原左都子

 との事件が発生したものの未だにyahooからは“なしのつぶて”状態…、 そのまま(別人の名で)ベストアンサーとして公開され続けている… 



 さて、本日は私が住む東京都でも“新型コロナ非常事態宣言”が解除されるらしい。

 明日以降も「左都子の小講座」を続行せんと志しているが、ガラリと学問分野を変えて。  
 一般教養科目だった「自然科学概論」か、あるいは2度目の大学に於いて私にとり一番インパクトが大きかった 「科学哲学」 を思い切って取り上げてみようかと、虎視眈々と狙っている。😐  

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