原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

脳を遺伝子操作すると、老化した神経幹細胞が若返る!?

2021年12月30日 | 学問・研究
 (冒頭写真は、朝日新聞2021.12.16付記事「老化マウス  認知機能を改善」の挿絵を転載したもの。)


 早速、当該記事の本文を、以下に要約引用しよう。

 老化と共に衰える神経細胞の「元」を遺伝子操作で若返らせ、マウスの認知機能を改善することに京都大ウィルス・再生医科学研究所グループが成功した。
 この細胞は脳にある「神経幹細胞」。胎児の間は活発に増殖して神経細胞を増やすが、老化と共に増殖する力がなくなっていき、認知機能も衰える。
 グループは胎児マウスの脳と、老齢マウスの脳の神経細胞で働く遺伝子を比べた。 胎児でよく働いている遺伝子80種類のうち、神経幹細胞を活性化させる作用が強い遺伝子を突き止めた。 次に老齢マウスの神経幹細胞でよく働いている遺伝子を抑えると、神経幹細胞を活性化できることも判明した。
 その上で、胎児で見つけた遺伝子はたくさん働かせる一方で、老齢で見つけた遺伝子を抑えるとの両方の合わせ技で、神経幹細胞を最も活性化させる方法を開発。 「iPaD」と名付けたこの方法で、老齢マウスの脳を遺伝子操作した。
 すると、増殖機能をほぼ失っていた神経幹細胞は活性化し、3か月以上増え続けた。 老齢マウスは空間記憶や新しい置物の認識記憶が低下するが、遺伝子操作したマウスは、老齢でもこうした認知能力が改善することも確かめた。
 今後は霊長類でもこの方法の効果があるかどうか、マーモセットを使って確認していくという。

 (以下略すが、以上朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 原左都子の私事及び私見に入ろう。

 我が子が少し大きくなって手が離れかけた頃、私は国立研究開発法人 理化学研究所・脳科学研究センターに、脳科学研究の実験担当者として何年か勤務したのだが。

 ほぼ毎日、マウスの遺伝子をいじくりまわしていたものだ。
 実験仲間にマウスの尻尾の一部を切るエキスパートがいて、その担当者が切り取ってくれたマウスの尻尾からDNAを抽出しては、様々な実験を繰り返していた。
 (その頃の実験ノートを今尚何冊が書棚に保存してあるが。 あの小保方氏の実験ノートより数段中身が濃いですよ~~~~。)

 あの頃から既に10年以上の年月が流れているが、今現在あの実験をやれ!と言われても、絶対的無理感があるなあ。
 遺伝子実験は単位がμ(ミクロン)以下のため、手技が物凄く細かい!!のが特徴だ。  
 やはり“やめ時”に退職しておいて、正解だっただろう。


 認知症ねえ。
 現在身内の認知症者(義母及び実母)の後見人を担当しているが。
 義母の認知症の凄まじさには、ほとほと辟易とさせられ続けている。

 昨日も電話があって亭主が出たのだが。
 既に送って到着している商品が未だに届かない、と訴えてくる。
 どうせいつものごとく、自室の何処かへしまい込んでいるのを忘却しているのだろう。
 それでも、「どうしてもそれが必要!!」と訴えられたら、再度送付するしかない。
 こんなことの繰り返しの日々だ…😭 

 義母の場合は、増殖機能をほぼ失っている神経幹細胞が再び活性化するとは到底思えない実情だが…

 京都大ウィルス・再生医科学研究所グループがそれを霊長類にも拡大して研究・実験を重ねている事実に少しは期待しつつ。

 首を長~~~~くして、その研究業績の今後の更なる発展を待つこととするか?!?