原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

Only two days love story

2021年08月04日 | 恋愛・男女関係
 あの日、20代半ば頃だったさとこは、女友達と2人で六本木のサパークラブを訪れていた。


 いつものようにキープボトルを水割りにして飲みつつ、ダンスタイムには踊ったりしていると、

  隣の席に外国人と日本人の二人の男性が案内されてきた。
 どうやら外国人が日本人の付き人を連れている様子だ。

 その外国人の視線がちらちら、さとこに向けられる。

 と感じていると、付き人らしき日本人男性が、「ご一緒に飲みませんか?」と申し出る。
 その誘いに応じて、外国人男性と英語で時々日本人男性の通訳付きで語り会いつつグラスを傾け…
 そのうち外国人男性が私に名刺を渡す。 そこにはドイツの企業名とその企業のCEOである事実が記されていた。
 日本人男性の通訳付きで私に告げるには、「明日ドイツへ帰るのだがその前に東京支社にて昼食パーティがあるので、貴女もそれに出席した後に、成田まで見送ってくれませんか?」

 それにOKしたさとこは、翌日午前中に西新宿超高層ビルのひとつの高層階を訪れてみると。
 随分と広いオフィス部屋に大きなテーブルがあり、そこに晩餐ならぬ昼餐の準備がなされていた。
 (ビュッフェパーティか何かだと思っていたが、かなり勝手が違ったな)と思いつつも、少人数の5,6名の出席者の誰しもがさとこを不審に思わず、フレンドリーに接してくれる。
 ドイツ人男性の知り合い女性との感覚だったのだろう。
 (後での感想だが、一企業のCEOが招待した女性に文句をつける人はいないだろう。)
 ドイツ人男性ご本人も優しい人で、さとこをリードして寛がせてくれる。
 
 昼食会が終了し、その後成田空港へ運転手付きの大型車で向かうのだが。
 その間後部座席に2人で座り、ずっと手を握り合いつつ英語であれこれ語り合っただろうか。
 成田空港到着し、いよいよお別れだ。
 別れ際にドイツ人男性は、「必ず手紙を下さい。また来日した際には、貴女に逢います。」
 と言い残して、帰国便に搭乗した。

 さて私は約束通り、名刺の住所宛に英語で手紙を書いた。 

 事情は不明だが、その返事は届かずじまいだったとのことで。
 まさに the end 。
 (企業の秘書が重要度が低いと判断して、CEOに渡さずに捨てたか???)😭 




 ところでつい先程、上記ドイツの企業CEOから頂いた名刺が書棚の名刺ファイル内で見つかった!

                           

 これを40年ぶりに見たところ、二つ折りになっている名刺の中のページに彼の直筆の書き込みがあった。
 それによると、私が当時訪れた西新宿高層ビルの部屋は彼の東京オフィスであり、ちゃんとその電話番号も書いてくれていた。
 加えて彼は、ドイツの住所(手紙の宛先)として私設郵便ボックス(私書箱)の宛先も記載してくれていて、私はその私設ボックス宛に手紙を送ったはずだ。

 それでも返事が届かなかったということは??
 それは謎だが。

 彼が最後に私に告げた、「東京に来たら是非あなたに逢いたいから、手紙が欲しい」との文言は真実であったのか?!?

 と今更ながら思ったりもする。



 この名刺に書かれているドイツ企業名を先程ネットにて検索してみるに、残念ながら検索不能だった。

  我が20代の当時は、そんな検索の手段など何も無かった時代背景だった。

 あれから40年の年月が流れたことを、実感させられる。