原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“美意識+合理主義”  ウィーン建築の革新

2019年07月07日 | 芸術
 (写真は、昨日公開したエッセイ同様に旅行雑誌より一ページを転載したもの。)

 
 本日つい先程まで、仕事が休みの娘と「ウィーン個人旅行最終確認二者会談」を実施した。

 いやいやウィーン出発直前に、この“二者会談”を実施して大正解だ!

 娘より、私にはその発想が出るすべもないような“思いもよらぬ”新たな提案が出たのだ! 

 さすが過去に一時美大受験を目指し夜間美大予備校にてその修行をした娘らしい(?)提案ではなかろうかと、親の私は目を細めた。


 早速、その娘の提案に関して記されている旅行雑誌の一ページより、建築家 オットー・ヴァーグナー氏に関する情報を以下に引用して紹介しよう。

 Otto Wagnar氏(1841~1918)はウィーン生まれ、1894年からウィーンアカデミーの教授を務めた。 分離派に加わったのは、結成から2年後の1899年。 当時の作品には、マヨリカハウスなど装飾性を重視したアール・ヌーヴォー的な影響が見受けられるが、後期は余計な装飾を排除し、機能性と美を融合させた。
 (以上、冒頭写真の旅行雑誌より引用したもの。)


 次に、そのオットー・ヴァーグナー氏の建築物を紹介しよう。

 「カールスプラッツ駅舎/オットー・ヴァーグナー・パビリオン」。
 氏による地下鉄U4路線全線の駅舎のうち、特に有名なのがユーゲントシュテールの駅舎。 U4のカラーである薄緑色を基調とし、金装飾が特徴的な2つの駅舎が向かい合う。 
 
 一旦私見だが。  やはり音楽の都、芸術の都のウィーンは素晴らしい!
 東京暮らしの私も日々「東京メトロ」のお世話になっている身だが、そんな歴史的建造物が駅舎として現存しているのは、東京駅くらいではなかろうか?  ましてやヴァーグナー氏が現役だった時代に、駅舎を路線カラーを基調としたとの芸術性に脱帽させられる。


 次に紹介するのは、ウィーンの“郵便貯金局”だが。
 フランツ・ヨーゼフ1世の命で、ヴァーグナーが建設。 外観の特徴は、外壁の大理石板とコンクリートを留めるアルミのビスが規則的に表面に点在し、それ自体が装飾となっていること。 合理性も機能性も重視された近代建築の代表。 現在も郵便貯金局として運営しているが、ヴァーグナー博物館も併設している。
 これまた、我が想像をはるかに超えるモダンな建築様式なのだが。

 私見だが。 日本ではあり得ないなあ。
 18~19世紀頃に建設された近代建造物が、我が国の何処かには存在するのであろうか?? もしそれが存在するとして、その建物がまさか現在郵便局等の「公共施設」として使用されているとの話題を、私は今まで見聞したためしがない…

 来る東京五輪とて新たな総合競技場が完成したと、まさに現在都知事を筆頭として大袈裟なまでに宣伝活動を繰り返している最中だが…
 そもそも、1964年東京五輪の際に建設された「総合競技場」を何故完全解体して新たな競技場を建設せねばならなかったのか!!  更には、この新たな「国立競技場」が世紀を超えた建造物としての役割を果たし得るのか?!!

 そんな訳があるはずもない。 政権が移り変わろうが長年続こうが、所詮何らの歴史観的ポリシーの香りすら感じられない輩が深い思慮なく世を操っているこの国家なのだから…


 それは置いておくとしても‥。

 本日の娘との「ウィーン個人旅行最終二者会談」により、ウィーンにての更なる有意義な訪問先が見つかったのは、実に嬉しい事だ!