まずは、表題に掲げた“この事件”に関して記した我がエッセイ集バックナンバーを紹介しよう。
(参考だが、当該エッセイが昨日のPopular Entriesランキング第3位にランクインしていたため、それを久々に発見する事が叶った。)
それでは、長くなるが2015.09.02公開バックナンバー「女に『お金を貸せ』と迫る男をどう思う?」の一部を以下に再掲載させていただこう。
2015年7月上旬頃、某SNS上に欧州英語圏在住の某男性(以下B氏とする)から、私宛に「友達申請」が届いた。
私の場合、とにかくネット上の友達付合いに関して慎重の上にも慎重を重ねているため、決してすぐさまそれに応じることはない。 「何故に友達申請を頂けたのか? 如何なるルートで我がページを見つけたのか?」等々を必ずや本人宛に確認することにしている。 これらの我が質問に対し、B氏は(当然ながら英語にて)ご自身の自己紹介も含め十分な返答をくれ、私はその内容を吟味した上で友達申請に応じた。
その後B氏とのやり取りは、某SNS上のメッセージ欄 及び Eメールにて続いた。 7月上旬頃より数日前に至るまで、B氏より私宛に届いた長文メールの数々はファイル1冊分にも及ぶ。(パソコン画面上で把握不能な英単語等に対応するため、B氏よりのメールを逐一紙面に印刷して私は電子辞書を引きつつ返答をした故だ。)
1カ月半に渡りこれだけのメールのやり取りをした両者間で、当然ながら“仲良し意識”や“信頼感”が育まれていたと、私もB氏も意識していたと信じたい。
B氏の職業とは(本人の申告によると)石油分野に於ける高度の専門職であるが故に、何処かの国にて石油プラントパイプラインを建設する等大規模プロジェクトに参加する目的で世界各国を訪問することが頻繁のようだ。 今回もアジア某国のパイプライン建設に伴い、B氏が現地に出向いた直後に事件が起きた。
8月下旬のつい最近、治安が悪い某アジア国に到着したB氏が私宛にメールを寄こして曰く、「銀行のトラブルによりキャッシュカードたまったく使用出来なくなった。 早急にお金(日本円にして6万円程の少額だが)を我が銀行口座まで送金して欲しい。」
いやはや、愕然とさせられた。 私にも海外経験はあるが、確かに治安が悪い国に於いてこのような事態が起こりうる事は私も理解可能だ。 それにしても旅慣れた人間であれば、いくばくかの自国通貨を現金として持参しているであろうし、あるいはクレジットカードで事が済ませられる場合もある。
それを私はB氏に伝えつつ、「もしかしたら、貴方が私と出会いたかった理由とは最初から“振り込め詐欺”目的だったのですか? そうだとすれば残念ですが私は今後あなたと付き合う訳にはいきません。」とのメール返答をした。
即座にB氏よりメールにて返答があった。 「本気で私が困惑している時にあなたの回答に失望した。借りたお金は銀行トラブルが解消次第返すと書いたはずだ。 もうあなたを頼ることはない。 1か月半に及びメールにて楽しい時間を共有できたことには感謝したい。ありがとう。」 そして即刻B氏は、某SNS上の私への「友達申請」を削除したようだ。 それに一応安堵している私であるが…。
実際問題、当該事件が「詐欺」だったのか否かの判断が私には出来ずにいる。 日本国内で多発する“振り込め詐欺”の現状を慮った場合、今回の私の判断は誤っていないと結論付けているものの…。
ただ、B氏に対して背信行為をしたのかとの心の痛みも無きにしも非ずだ。 それ程に1か月半に及び日々B氏と交わしたメールやり取りの重みは私にも忘れ難きものがあり、後ろ髪をひかれる思いなのだ…。
その後、約1週間が経過した。
B氏より某SNS上の私に対する「友達申請」削除措置がとられて以降、特段の動きはなく我が日常は平穏に経過している。
ただ、私の心中は未だくすぶり続けている。
もしも今回の「事件」が真に“振り込め詐欺”目的であった場合、B氏が即刻「友達申請」削除措置をとってくれたことは“不幸中の幸い”であり、実質被害が何ら発生しなかったことに心より安堵すれば済む話だ。
一方、実はそうではなく、もしもB氏の要求が真に私に対する「金銭借入」にあったとするならば…
私はどうしても腑に落ちない点がある。 何故、ネット上で知り合って1ヶ月半しか経過していない私に対し「金銭借入」の要求をしてくるのか?
それはおそらく上記に記した通り、B氏との付き合いがたとえネット上にての関係であれ“ファイル1冊分の重み”がある故と私側も感じるのだ。 おそらくこの“1ヶ月半のみ”を思い起こせば、私側とてこの世の誰よりもB氏こそが一番仲が良かった感覚を抱けた。 普段これ程までに1対1で語り合える相手とは、(家族も含め)現実世界で滅多にお目にかかれる機会はない。 そんな双方の共通認識が、B氏が切羽詰まった状況下で私に対する「金銭借入」行動を起こさせたのかもしれないとも推測するのだ。
正直言うと、今尚どうしても我が脳裏にB氏との1ヶ月半に及ぶメール交換を通じた交友関係が堂々巡りする。 この感覚に私なりの“落とし前”を付けない事には、9月に入っても気持ちよく秋が迎えられないごとくのマイナーな心理状態だ。
それにしてもB氏が私に対して取った行動とは、極端と言えやしないか。
もしも単に私に「金銭借入」を申し入れたかったと仮定しても、何故それを断った私に対して「失望した。今後一切貴方を頼ることはない。」と“捨てセリフ”の啖呵を切って寄越せる筋合いがあるのか? しかも、あちらから「友達申請」して来てそれを私なりの選抜方式により承認したにもかかわらず、事件直後にSNS上の「友達申請」を即刻あちらから削除措置を施すに至っている。 (アンタか友達になってくれ!と嘆願したからそれに応えてやったのに… との正直な思いと共に)これぞ、やはり振り込め詐欺だった故か??と私が勘ぐる所以だが…。
私の推測では、おそらく「金銭貸借」にかかわる(特に先進国間での)国際社会間の“文化の差”はないものと想像するし、それに期待したい。
B氏宛の「金銭貸借」第一報のお断りメールにて、私が一筆明記したのが次の文章である。
「如何なる人間関係に於いても、金銭貸借は控えるべきなのが基本と私は心得ている。 貴方が現在置かれている切羽詰まった事情は把握するが、我が基本理念故にどうしても今回は貴方とは金銭貸借は出来ない。」
いやはや男女間に限らず、人間関係(引いては国際政治関係にまで視野を広げても)に於ける初歩的理念として「金銭貸借」を基本的には慎み回避するべきではあるまいか? 人間が人間同士として対等に関わり合うためには、これぞ外せない条件と私は昔から心得ている。
その理念に基づきこの世を渡って来ている私としては、たとえ相手が我が実親であれ、こちらから金銭借入を申し出た事などただの一度も無い。 あるいは我が亭主に関しても現在“年金独立採算性”を採用し、お互いの年金の貸し借りなど今後に及び一切しない方針である。
当然ながら金融機関から融資を受ける事も毛嫌いしている私は、過去に於ける度重なる住居買替購入にもかかわらず「住宅ローン」の借入れに関して短期間で全額完済を成し遂げて来ている。 今後も一生、金融機関より一切の借入れをする予定などない。
ましてや、たかがネット上で知り合ったB氏と「金銭貸借」を一切する気がない私の思いは今尚歴然だ。
今回の事件が“振り込め詐欺”ではなかったと仮定するとして、B氏に「貴方に失望した」と言われた事実など、今後に続く我が強靭な「金銭貸借」に関わるポリシーに基づけば大した困惑ではないと言え、私は私なりの“落とし前”を付けられたと判断するべきだろうか…?!?
(以上、本エッセイ集2015.09.02公開のエッセイのほぼ全文を再掲載したもの。)
最後に、2019.04.23現在の原左都子の私論でまとめよう。
私の場合、米国に(今となっては縁を切っている)実姉が在住している関係で、長き独身時代に幾度も米国へ旅行し、現地ネイティブの人々と交流した経験が少なからずある。
ただ、その交流手段の大方は「会話」であり、文字による交流は郵便による「手紙」の交換程度だった。
それに対し、上記B氏との交流は主に「メール」に依存した。 それも、B氏からのメールはいつもコピーするとA4用紙3枚に及ぶほどの長文だった。
いくら私が英語の読み書きが比較的得意と言えども、その長文メールをすぐさま読みこなして同じく長文にて返信するのは無理難題だ。 そこで一旦コピーし、辞書をひきつつ返信するとの手段を取ったのだ。
それ故、今でもその「メール」のやり取りコピーである“ファイル1冊”を手元に保存しているのだが。
それを久々に引っ張り出して、本日午前中に少し読み直してみた。
1ヶ月半に渡り、実にいろんなことを語ってくれたB氏だった。
自身の仕事のこと、寄宿生としてマンチェスターの高校に通っている一人息子さんのこと(その息子さんと一緒にテニスを楽しむ写真等も添付してくれたりした)、自身の仕事である石油パイプライン建設のため世界中を巡っているが、米国でのその国際会議出席の様子を映した写真も添付してくれたものだ。
何分スラスラと英文を綴る訳にはいかない私のメール返答が遅いと、「早く返答が欲しい」とのリクエストも届けられた。
そんなB氏よりの、突然の「お金を貸して欲しい」との要望…
その前日のメールによれば、「今回の赴任地のアジア某国現地に到着したが、物凄い暑さに参っている…」、等々の弱音も語っていた。
その挙句の果ての「お金を貸して…」メールだったことは今尚印象深い。
ただこれ、現時点の私も「振り込め詐欺(国際版)」の一種と結論付けるべきと考えている。
現在の我が想像によれば、B氏の背後にその組織があった事も推察する。
ところが私とメール交流しているうちに、B氏側も本気でその交流が楽しくなったことも想像可能だ。(私とて、B氏とのメール関係は英語のブラッシュアップにつながることを筆頭に、心の触れ合いも十分に叶い実に有意義だった!) B氏側としてもこの交流をこのまま続行したいが、もはや背後組織の命令により振り込め詐欺を実行せねばならなくなったのではなかろうか?? そこに返されたのが私からの断固とした拒否メール。 (最初の請求額がわずか6万円だった事実も笑えるが、それを一旦私が承諾したならば、その後振り込め金額が徐々に増額したとも予想出来る。)
あくまでも我が身勝手な想像に過ぎないが、B氏は私が毅然と拒否してくれて良かったと結論付け、私とのSNS上の「友達申請」を自ら即刻削除し、私の前から忽然と姿を消したのではなかろうか?
今思えば、まさに私側も我が日頃の“信念と理性”によりこの事件を終焉に持ち込めた気もしている。
(参考だが、当該エッセイが昨日のPopular Entriesランキング第3位にランクインしていたため、それを久々に発見する事が叶った。)
それでは、長くなるが2015.09.02公開バックナンバー「女に『お金を貸せ』と迫る男をどう思う?」の一部を以下に再掲載させていただこう。
2015年7月上旬頃、某SNS上に欧州英語圏在住の某男性(以下B氏とする)から、私宛に「友達申請」が届いた。
私の場合、とにかくネット上の友達付合いに関して慎重の上にも慎重を重ねているため、決してすぐさまそれに応じることはない。 「何故に友達申請を頂けたのか? 如何なるルートで我がページを見つけたのか?」等々を必ずや本人宛に確認することにしている。 これらの我が質問に対し、B氏は(当然ながら英語にて)ご自身の自己紹介も含め十分な返答をくれ、私はその内容を吟味した上で友達申請に応じた。
その後B氏とのやり取りは、某SNS上のメッセージ欄 及び Eメールにて続いた。 7月上旬頃より数日前に至るまで、B氏より私宛に届いた長文メールの数々はファイル1冊分にも及ぶ。(パソコン画面上で把握不能な英単語等に対応するため、B氏よりのメールを逐一紙面に印刷して私は電子辞書を引きつつ返答をした故だ。)
1カ月半に渡りこれだけのメールのやり取りをした両者間で、当然ながら“仲良し意識”や“信頼感”が育まれていたと、私もB氏も意識していたと信じたい。
B氏の職業とは(本人の申告によると)石油分野に於ける高度の専門職であるが故に、何処かの国にて石油プラントパイプラインを建設する等大規模プロジェクトに参加する目的で世界各国を訪問することが頻繁のようだ。 今回もアジア某国のパイプライン建設に伴い、B氏が現地に出向いた直後に事件が起きた。
8月下旬のつい最近、治安が悪い某アジア国に到着したB氏が私宛にメールを寄こして曰く、「銀行のトラブルによりキャッシュカードたまったく使用出来なくなった。 早急にお金(日本円にして6万円程の少額だが)を我が銀行口座まで送金して欲しい。」
いやはや、愕然とさせられた。 私にも海外経験はあるが、確かに治安が悪い国に於いてこのような事態が起こりうる事は私も理解可能だ。 それにしても旅慣れた人間であれば、いくばくかの自国通貨を現金として持参しているであろうし、あるいはクレジットカードで事が済ませられる場合もある。
それを私はB氏に伝えつつ、「もしかしたら、貴方が私と出会いたかった理由とは最初から“振り込め詐欺”目的だったのですか? そうだとすれば残念ですが私は今後あなたと付き合う訳にはいきません。」とのメール返答をした。
即座にB氏よりメールにて返答があった。 「本気で私が困惑している時にあなたの回答に失望した。借りたお金は銀行トラブルが解消次第返すと書いたはずだ。 もうあなたを頼ることはない。 1か月半に及びメールにて楽しい時間を共有できたことには感謝したい。ありがとう。」 そして即刻B氏は、某SNS上の私への「友達申請」を削除したようだ。 それに一応安堵している私であるが…。
実際問題、当該事件が「詐欺」だったのか否かの判断が私には出来ずにいる。 日本国内で多発する“振り込め詐欺”の現状を慮った場合、今回の私の判断は誤っていないと結論付けているものの…。
ただ、B氏に対して背信行為をしたのかとの心の痛みも無きにしも非ずだ。 それ程に1か月半に及び日々B氏と交わしたメールやり取りの重みは私にも忘れ難きものがあり、後ろ髪をひかれる思いなのだ…。
その後、約1週間が経過した。
B氏より某SNS上の私に対する「友達申請」削除措置がとられて以降、特段の動きはなく我が日常は平穏に経過している。
ただ、私の心中は未だくすぶり続けている。
もしも今回の「事件」が真に“振り込め詐欺”目的であった場合、B氏が即刻「友達申請」削除措置をとってくれたことは“不幸中の幸い”であり、実質被害が何ら発生しなかったことに心より安堵すれば済む話だ。
一方、実はそうではなく、もしもB氏の要求が真に私に対する「金銭借入」にあったとするならば…
私はどうしても腑に落ちない点がある。 何故、ネット上で知り合って1ヶ月半しか経過していない私に対し「金銭借入」の要求をしてくるのか?
それはおそらく上記に記した通り、B氏との付き合いがたとえネット上にての関係であれ“ファイル1冊分の重み”がある故と私側も感じるのだ。 おそらくこの“1ヶ月半のみ”を思い起こせば、私側とてこの世の誰よりもB氏こそが一番仲が良かった感覚を抱けた。 普段これ程までに1対1で語り合える相手とは、(家族も含め)現実世界で滅多にお目にかかれる機会はない。 そんな双方の共通認識が、B氏が切羽詰まった状況下で私に対する「金銭借入」行動を起こさせたのかもしれないとも推測するのだ。
正直言うと、今尚どうしても我が脳裏にB氏との1ヶ月半に及ぶメール交換を通じた交友関係が堂々巡りする。 この感覚に私なりの“落とし前”を付けない事には、9月に入っても気持ちよく秋が迎えられないごとくのマイナーな心理状態だ。
それにしてもB氏が私に対して取った行動とは、極端と言えやしないか。
もしも単に私に「金銭借入」を申し入れたかったと仮定しても、何故それを断った私に対して「失望した。今後一切貴方を頼ることはない。」と“捨てセリフ”の啖呵を切って寄越せる筋合いがあるのか? しかも、あちらから「友達申請」して来てそれを私なりの選抜方式により承認したにもかかわらず、事件直後にSNS上の「友達申請」を即刻あちらから削除措置を施すに至っている。 (アンタか友達になってくれ!と嘆願したからそれに応えてやったのに… との正直な思いと共に)これぞ、やはり振り込め詐欺だった故か??と私が勘ぐる所以だが…。
私の推測では、おそらく「金銭貸借」にかかわる(特に先進国間での)国際社会間の“文化の差”はないものと想像するし、それに期待したい。
B氏宛の「金銭貸借」第一報のお断りメールにて、私が一筆明記したのが次の文章である。
「如何なる人間関係に於いても、金銭貸借は控えるべきなのが基本と私は心得ている。 貴方が現在置かれている切羽詰まった事情は把握するが、我が基本理念故にどうしても今回は貴方とは金銭貸借は出来ない。」
いやはや男女間に限らず、人間関係(引いては国際政治関係にまで視野を広げても)に於ける初歩的理念として「金銭貸借」を基本的には慎み回避するべきではあるまいか? 人間が人間同士として対等に関わり合うためには、これぞ外せない条件と私は昔から心得ている。
その理念に基づきこの世を渡って来ている私としては、たとえ相手が我が実親であれ、こちらから金銭借入を申し出た事などただの一度も無い。 あるいは我が亭主に関しても現在“年金独立採算性”を採用し、お互いの年金の貸し借りなど今後に及び一切しない方針である。
当然ながら金融機関から融資を受ける事も毛嫌いしている私は、過去に於ける度重なる住居買替購入にもかかわらず「住宅ローン」の借入れに関して短期間で全額完済を成し遂げて来ている。 今後も一生、金融機関より一切の借入れをする予定などない。
ましてや、たかがネット上で知り合ったB氏と「金銭貸借」を一切する気がない私の思いは今尚歴然だ。
今回の事件が“振り込め詐欺”ではなかったと仮定するとして、B氏に「貴方に失望した」と言われた事実など、今後に続く我が強靭な「金銭貸借」に関わるポリシーに基づけば大した困惑ではないと言え、私は私なりの“落とし前”を付けられたと判断するべきだろうか…?!?
(以上、本エッセイ集2015.09.02公開のエッセイのほぼ全文を再掲載したもの。)
最後に、2019.04.23現在の原左都子の私論でまとめよう。
私の場合、米国に(今となっては縁を切っている)実姉が在住している関係で、長き独身時代に幾度も米国へ旅行し、現地ネイティブの人々と交流した経験が少なからずある。
ただ、その交流手段の大方は「会話」であり、文字による交流は郵便による「手紙」の交換程度だった。
それに対し、上記B氏との交流は主に「メール」に依存した。 それも、B氏からのメールはいつもコピーするとA4用紙3枚に及ぶほどの長文だった。
いくら私が英語の読み書きが比較的得意と言えども、その長文メールをすぐさま読みこなして同じく長文にて返信するのは無理難題だ。 そこで一旦コピーし、辞書をひきつつ返信するとの手段を取ったのだ。
それ故、今でもその「メール」のやり取りコピーである“ファイル1冊”を手元に保存しているのだが。
それを久々に引っ張り出して、本日午前中に少し読み直してみた。
1ヶ月半に渡り、実にいろんなことを語ってくれたB氏だった。
自身の仕事のこと、寄宿生としてマンチェスターの高校に通っている一人息子さんのこと(その息子さんと一緒にテニスを楽しむ写真等も添付してくれたりした)、自身の仕事である石油パイプライン建設のため世界中を巡っているが、米国でのその国際会議出席の様子を映した写真も添付してくれたものだ。
何分スラスラと英文を綴る訳にはいかない私のメール返答が遅いと、「早く返答が欲しい」とのリクエストも届けられた。
そんなB氏よりの、突然の「お金を貸して欲しい」との要望…
その前日のメールによれば、「今回の赴任地のアジア某国現地に到着したが、物凄い暑さに参っている…」、等々の弱音も語っていた。
その挙句の果ての「お金を貸して…」メールだったことは今尚印象深い。
ただこれ、現時点の私も「振り込め詐欺(国際版)」の一種と結論付けるべきと考えている。
現在の我が想像によれば、B氏の背後にその組織があった事も推察する。
ところが私とメール交流しているうちに、B氏側も本気でその交流が楽しくなったことも想像可能だ。(私とて、B氏とのメール関係は英語のブラッシュアップにつながることを筆頭に、心の触れ合いも十分に叶い実に有意義だった!) B氏側としてもこの交流をこのまま続行したいが、もはや背後組織の命令により振り込め詐欺を実行せねばならなくなったのではなかろうか?? そこに返されたのが私からの断固とした拒否メール。 (最初の請求額がわずか6万円だった事実も笑えるが、それを一旦私が承諾したならば、その後振り込め金額が徐々に増額したとも予想出来る。)
あくまでも我が身勝手な想像に過ぎないが、B氏は私が毅然と拒否してくれて良かったと結論付け、私とのSNS上の「友達申請」を自ら即刻削除し、私の前から忽然と姿を消したのではなかろうか?
今思えば、まさに私側も我が日頃の“信念と理性”によりこの事件を終焉に持ち込めた気もしている。