原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

やはり異才的魅力を放つ藤井聡太四段

2017年07月17日 | 教育・学校
 ここのところ本エッセイ集に於いて藤井聡太四段に関するエッセイ執筆が続き、原左都子が藤井四段のファンである事がバレバレだろうが… 

 いやはや男も年齢にかかわらず “聡明さ” と “可愛らしさ” を備えていれば、これ以上ない魅力!! だよねえ~。


 プロ棋士デビュー以来29連勝を達成し、新記録を樹立した将棋の最年少棋士・藤井聡太四段(15)。
 デビューから負けなしで連勝を続け、四段棋士としては異例となる公式グッズも多数作られるなど“藤井フィーバー”は社会現象となっている。 そんな藤井四段に現在CMなどのオファーが殺到している。 関係者によると、4月に放送されたインターネット番組で羽生三冠を破った頃からオファーが届き始めたといい、現在は大手企業からも依頼が複数寄せられているという。 ファンクラブ結成の動きも進み、地元の愛知県瀬戸市は藤井四段へ、市としては初の試みとなる「広報大使」を正式に打診するプランも暖めている。
 その一方で、藤井四段の周囲は冷静だ。 連盟関係者は「現時点ではCMを引き受ける余裕がない」と話し、別の関係者も「連盟としては受けない方針」と明かす。 師匠の杉本昌隆七段(47)も「勉強時間が減るだけで、彼の時間をつぶすことになるので…」と慎重だ。 藤井四段の母・裕子さんも20日に瀬戸市で行われたファンイベントで「聡太が大人になったら少しは、瀬戸市のPRも出来るのではないかと思っています。それまで、学業との両立の間は何卒そっと見守って頂きますようお願い致します」とコメントを寄せた。
 取材を進めると、藤井四段の周囲は広告などを引き受けることに慎重な声が多い。 棋力が伸びやすい大事な時期に将棋に向き合って欲しいとの思いが強いようだ。 関係者によると、杉本七段は藤井四段がプロ棋士になった際に「イベントなどで将棋の普及をするのではなくて、将棋に勝ってタイトルをとることが一番の普及」と伝えていたという。 周囲の意向もあり藤井四段も当面は将棋と学業に専念することになりそうだ。  
 (以上、ネット情報 デイリースポーツより一部を引用したもの。)


 この藤井四段が、2017.7.15付朝日新聞 別刷「be」トップ記事 「フロントランナー」に取り上げられていた。
 半面大伸ばしの藤井四段の写真は、自宅リビングルームソファーにてスマホ片手に満面の笑みで寛いでいる風景だったが。
 ただ残念ながら私の好みは、いつものうつむき加減で伏し目がち、控えめな雰囲気にもかかわらず何とも愛らしい藤井四段だ。 あの自然体の表情こそが藤井四段の内面に秘めた聡明さと能力を決定付けるものであり、ファンとして惹きつけられる魅力があるのではなかろうか。


 この朝日新聞記事内で、原左都子なりに興味深い内容が2カ所あった。

 その一つは、「高校進学するか?」と問われた箇所だ。

 私見だが、確かにこれ、今後の藤井四段の棋士人生及びその後の人生に大きくかかわる重要な課題だ。
 もしも私が藤井四段の親だったなら、如何なる結論を下すだろう?  いや、これは自分の子が藤井四段程の天才に恵まれなければ親として一切悩まなくて済む課題でもあろう。 お陰で実際私は(サリバンとしての大きな課題はあったが)その種の天才の子を持ったが故の厳しい課題を通過せずして、ここまで来れたが…
 
 この質問に対する藤井四段本人の回答は。  「まだわからないですね。」
 ここで取材に同席していたらしき藤井四段の母親氏曰く、「中高一貫校に通っているので高校へは行けるが、出席日数が足りるかどうか。 今は本当に先のことが予想できない。」

 私見だが、まさにお母上がおっしゃる通りであろう。
 棋士天才肌の藤井四段にしてしばらくはこのまま天才棋士人生を歩めそうだが、将来の展望など誰とて予測出来ない。 親の立場としては、高校程度は卒業させておかねばなる、一般庶民感情も拭え去れない感覚なのだろう。 
 そうした場合、むしろ大学生時期にプロ棋士になる方が、棋士道で失敗した暁にはその専門分野で身を助けられるとのメリットがあるのだろうか?  いやいや、結局どちらもお先中途半端となるのが見通せてしまうとの厳しい事態か??
 

 さらにもう一カ所、朝日新聞の取材に回答した藤井四段の回答内容に私は惹きつけられた。

 その質問とは「(学校で)苦手な科目は?」なのだが。
 それに回答して藤井四段曰く、「美術です。 鉄板ですね、これは。 何で絵を描かないといけないのか、わからないんです。」  同席した母曰く、「納得がいかないことはやろうとしない。“適当にやっておけばいいんじゃない”ということが聡太にはないんですね。」 

 いやはや、原左都子も藤井四段とまったく同じ感覚を抱き続けた児童・生徒時代だった。
 私も図画工作の授業を忌み嫌っていた。 教員から絵を描け、工作物を作れと強制されたとて、何故そんな事をせねばならないのか意味不明と認識し、不快感に苛まれ続ける義務教育時代だった。 
 同じく、家庭科の調理実習で集団グループで料理を作れ!と言われても、そんな事したくもないのに何故… との無念感覚に苛まれ続けた。
 体育授業に於いて、幼き頃「逆上がり」せよ、「跳び箱」飛べ、と強要されようが、一切やりたくない私にとっては拷問に近い感覚があった。

 これらは一例に過ぎないが、藤井四段が美術の授業で“鉄板に絵を描け!と強制され「何故それをせねばならないのかが分からない」と回答している事実に、この私も救われる思いがするのだ。 そして藤井四段の場合、棋士としての快進撃があったからこそ、学校現場に於いてその分野を通り過ぎる事態が許されたのであろう。
 片や、そんな藤井四段の深層心理を母親氏が理解し、藤井四段の決断を支持しているところも素晴らしい。 そうであるからこそ現在藤井聡太四段なる類まれな天才棋士が育ち、現世で活躍を続けているとの事であろう。


 更に、朝日新聞質問、及びそれに対する藤井四段の回答を紹介しよう。

 「何歳でタイトルを取る、もしくは名人になるイメージがあるか」 との質問に対する藤井四段の回答。
 「10代ピークから20代前半でピークに達していないといけないと思う。」

 「20歳の時の自分のイメージは?」 (藤井四段25秒ほどの沈黙の後)「今の自分とは比べものにならない程に強くなっていたい。」

 「では、30歳の時は?」 藤井四段応えて「いやあ、30歳の時はもう落ち目じゃないですかね。」


 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 これどう考察しても、未だ15歳にして藤井聡太四段を「天才」と位置付けずして他に表現しようがないのではなかろうか。
 もしも藤井四段が現在15歳との年齢下において、自分自身の30歳時の状況を冷静に「落ち目」と本気で判断しているとするならば、既に彼なりのプロ棋士たる人生展望をしっかりと描けているような観も抱かされる。
  
 そうだとしても、藤井四段が未だ経験していない世の数々の分野も多い事だろう。
 これから藤井四段が如何なる人生を歩むのかは、まだまだ大人への入り口として始まったばかりの時期ではなかろうか。
 現在プロ棋士である貴方の一ファンとして、藤井聡太くんとの男の子が今後如何なる人生の道筋を選択し歩むのか、一庶民の立場でも楽しみに見守り続けたいなあ。