原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

まさに “学級崩壊” 状態の民主党政権

2011年03月10日 | 時事論評
 自民党の小池百合子氏も、なかなかうまいことを言ったものだ。
 「今の民主党政権は、“学級崩壊”状態」… 
 一昨日(3月8日)のテレビニュース報道でこのフレーズを見聞した私は、まさに的確な表現!と唸ったものである。


 担任である菅先生に学級を統率していく力量がないならば、学級委員達が少しはそれをフォローすればいいものを、クラスのリーダー的立場にある“ポスト菅”の閣僚達が総崩れ状態を余儀なくされている。
 この学級の下っ端の生徒達も自分が属するクラスの混乱状態をプラスの方向に改善する意欲など一切ないようで、自分勝手にハチャメチャ好き放題の行動を取っている。
 「我々は16人で結託してこのクラスから出て行くぞ!」 「ボクだって担任が嫌いだから学級委員なんか辞めてやるよ」 「私はこの学校を退学するわ」……

 てんやわんやの大騒ぎの民主党学級であるが、担任の菅先生は23年度の学校予算案成立に向け、その指導力のなさにより他の複数の学級の担任どもから日々吊るし上げられる始末であり、それに対応していくことが精一杯の有様である。
 頼るはクラス委員の生徒達であるのだが、これまた他の学級の担任から、学校の規則に違反したことを責められた前原クンが突然クラス委員を辞めるといい始める。焦った菅先生は「お願いだからクラス委員を続けてくれ…」と嘆願するものの、前原くんはとっとと委員を辞めてしまった…  厚生委員の細川クンも前委員であった長妻クンからの引継ぎがうまくいっていない(?)等々の理由で他の学級担任から「お前も辞めろ!」と責められるわ… 


 幹事長の岡田氏は、“学級の元ガキ大将”であり実質的実力者であった小沢氏の処分を主導してはいるものの、それが元で小沢氏支持勢力から大いなる批判を浴びる結果となっている。  民主党比例代表選出小沢氏支持派議員16名が、先陣を切って「民主党・無所属クラブ」離脱届けを提出したのは先月のことであった。
 岡田氏の幹事長にしての党内統制力のなさは端で見ていても辛くはあるが、今回の小沢支持派議員16名達の“離脱届けの茶番劇”には呆れ果てた原左都子である。 民主党執行部の小沢氏に対する対応が気に入らないのであれば、選択肢としては「離党」しかないであろうに党派離脱とはどうしたことか? 執行部の対応は気に入らないが民主党にはしがみついていたい野心が露呈したのみの愚かな行動であった。 

 同じく小沢氏の側近である松木謙公前農水政務官も、民主党執行部が小沢氏の党員資格処分を決めたことに反発して、2月に政務官を辞任した。 今尚国会内で記者団に「菅直人首相には1秒でも早く辞めてもらいたい。」と強調しているらしい。
 それは自由にすればよいのだが、この人が辞任を表明するタイミングがちょうどニュージーランド大地震で日本人が倒壊ビルの中に取り残されている直後の報道と重なったのが、端で見ていて大いに印象が悪かったものだ。(国会議員たるもの、自らの辞任のタイミングぐらいは考慮するべきだよなあ。)

 民主党の佐藤夕子衆院議員も小沢支持派の衆院1回生「北辰会」メンバーとのことであるが、この人は名古屋市の河村たかし氏を支援する意向で新会派「減税日本」を立ち上げることを目的に、離党届を岡田幹事長に提出したようだ。 「離脱」先陣組16人と「北辰会」のメンバーが、今後民主党を離党して合流することが予想されるとのことである。
 好きにすればいいと言いたいが、民主党議員として国民に選出された後さほどの年月が経過していないことを勘案すると、その責任を取るためには早期に議員辞職し出直した後に自らの理想を追うべきではないのか? 


 ここで一番気になる前原誠司前外務大臣の辞任劇に話を戻そう。

 今回、前原氏が野党自民党から辞任を迫られた“外国人からの寄付”は政治資金規正法によって禁じられている。
 民主党は小沢氏の“政治とカネ”問題を今尚引きずっているからこそ野党から容赦なくつつかれていることを、政権閣僚たる者は神経をすり減らしてでも認識しておくべきであった。
 にもかかわらず「ポスト菅」後継者レースの筆頭に位置していたとも言える前原氏が、何故にこの種の初歩的なミスを犯したのであろうか??  実に理解に苦しむ今回の政治献金騒動であるが、献金者は前原氏とは中学生の頃から親交がある在日韓国人女性であるとのことだ。 それ程親しい関係であるならば、尚更その女性からの献金を想定して対処しておくべきだったはずだ。 その落ち度を勘案した場合、野党から辞任を要求されても致し方ないであろう。
 ところが、前原氏の辞任の判断が早急過ぎたとも捉えられるのが今回の“辞任劇”の特徴でもある。 予算関連法案成立の目途が立たない菅総理にとって、前原氏の辞任は大いなる痛手であることは前原氏自身も当然認識していたことであろう。 そんな菅総理より外務大臣慰留を強く要請されたにもかかわらず、前原氏はそそくさと辞任を表明した。
 上記在日韓国人女性からの献金額とは、4年間でわずか20万円であったとの報道である。 金額にはかかわりなく違法は違法なのだが、それにしても釈然としない辞任劇だった。 
 もしかしたら議員としてはまだ年齢が若い前原氏は、菅政権の下で大臣を続けるのがとことん嫌になっていたのかと原左都子など勘ぐってもしまうのだが、どうだろう…??


 それにしても、学校教育現場のみならず国政を担っている政党内においてすら“学級崩壊”現象が生じてしまう今の時代を、国政こそがどうにか対処出来ないものなのか??
 これはやはり、子どもの教育論から出発し直すしか他ないのであろう。

 それ以前の問題として、国民の貴重な一票から国会議員に選出された大の大人達が自らが所属する与党政権内で“学級崩壊”ならぬ“党内崩壊”状態を作り出してしまうことの愚かさを、自らが大いに反省し出直すことから始めるべきであろうことは明白である。

 現状の醜態を今後も国民の前で晒し続けるのならば、貴方達には日本の将来を背負って立つ子ども達の教育論など語れる資格は一切ない!、と原左都子は結論付けるのだ。
           
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