水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

楽しいユーモア短編集 (36)計画

2019年11月01日 00時00分00秒 | #小説

 先々(さきざき)のことを、ある程度、考えて計画を立てておけば、物事がスンナリと進みやすくなり、楽しい気分になれることだろう。もちろん、計画を立てておいてもスンナリと運ばないこともあり、空振り三振の憂き目に会うから、出たとこ勝負! が楽しい気分になれる場合もある。^^
 二日先に迫った大型連休を控(ひか)え、村雨(むらさめ)家の小学1年の長男、正樹と幼稚園の長女、真菜がアレやコレやと計画を立てている。
「いやいやいや、そうはいかないよっ! この前も車だらけだったろっ?」
「…うんっ!」
「だから、ここのサービスエリアで半時(はんとき)は取っておかないと…」
「その半時は、どこかへ置いとけないの?」
「…それは無理だと思う。荷が多いし…」
「不便なのねっ!」
「いやいやいや、置いとけるか? パパにあとから訊(き)いてみる」
「だったら、計画はここまでっ! 蜜豆(みつまめ)っ!!」
「お前、蜜豆、好きだなぁ~」
「蜜豆の真菜って言われてるもんっ!」
「僕だって、焼き鳥の正樹て言われてんだぜっ!」
「ふぅ~~~ん」
 真菜は、焼き鳥の正樹は格好が悪い…と思ったが、顔を立てて聞き流した。近くで聞いていた父親は、余り時代劇は観せない方がいいな…と、新聞を捲(めく)りながら思った。結局、旅行の計画は進まず、無計画で終わったが、楽しい旅となった。
 無計画が楽しい計画になったという馬鹿馬鹿しいお話である。^^

                                


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