3月13日(水曜日)
例年であれば、庭の乙女椿は梅の花が散り始める頃に咲いてくる。昨年もそうだったが、今年も昨年と同じく梅の開花が遅れていて、梅の満開の前に一斉に咲いてきた。
椿は半日陰で育った方が、花も葉も綺麗だ。中庭のこの乙女椿は、松の木の下にあったので、6年ほど前までは桃色がとても綺麗だった。ところが、松くい虫にやられて松を切ってからは表情が一変してしまった。
陽が当たれば木は上に上にと伸び、葉の緑も花の色もボケて株価100円安だ。
私が一番好きなのは、雨上がりの濡れた花。椿は大抵がどこか変色したりして、まともな花にはめったにお目にかかれないが、乙女椿だけは違う。アップに耐えれる。
乙女椿の短所は、他のツバキに比べ開花後、日持ちがしないこと。3日ほどで茶色の斑点が現れ、観賞に耐えれなくなる。
花は八重咲きに見えるが、この乙女椿は「千重咲き」と言う(千重咲きとは、花弁が重なって咲き、雄しべがない(もしくは、見えない)こと)。剪定不十分でツボミが多く付き過ぎてしまった。その結果、大輪が少なく華やかさに欠ける。
1週間もすれば、花は茶色に変色してしまう。茶色が気になると、花をもぎ取らねば気が済まない。気にするから仕事が増える。今年は気にせんとこか。
【乙女椿(オトメツバキ)の豆知識】
・ツバキ科。
・学名 Camellia japonica var. decumbens
cv. Otometsubaki
Camellia : ツバキ(カメリア)属
japonica : 日本の
decumbens : 横臥した、伏した
Otometsubaki : おとめ椿(日本名)
Camellia は、17世紀のチェコスロバキアの 宣教師「Kamell カメル」さんの名にちなむ。
・開花時期は、 12月 ~ 4月
・ピンク色の千重咲き椿。椿のなかでは遅咲きのほう。ツバキの園芸種のひとつ。 大柄で花びらがいっぱいあるのが特徴。
江戸時代から栽培されている代表的なものの一つで、他藩や他家に出すのを止めたため、「お止めの椿」が「乙女」に変わったとも云われている。